名古屋は食べ物では異文化。味噌煮込みうどん・ひつまぶし・きしめん・小倉トースト・どて煮・あんかけスパゲッティ・イタリアンスパゲッティ・味噌カツ・手羽唐・天むすetc. 数え上げたらキリがない。学生時代を過ごした私にとって懐かしい味ばかり。当時、あんかけスパは無かったような気がする。
今でも名古屋へ出掛けると「味噌煮込みうどん」は必ず食べる。これを食べないと名古屋へ来たという感じがしない。生まれて初めて食べたとき「オバチャン、これ煮えてないよ!」と文句をつけるくらい麺が固く、ただショッパクて半分以上残した。半年くらい過ぎて、何故か急に食べたくなり卵入りを食べてからヤミツキになってしまった。この煮込みうどんに入った生卵、最初にかき混ぜるか、固まるまで最後に残しておくかで必ず議論になる。といっても仲間内での話だが。私はだんぜんカキマゼ派。山本屋へ行くと、まず板ワサをツマミにビールを頂く。旨い漬物が丼イッパイついてきてオカワリ自由。卵入りの一半(大盛りのこと)と小ライスで満腹になり満足する。なんで、あんな旨いモンが全国展開しないのか不思議だ。
喫茶店メニューによくあるのが「イタリアンスパゲティ」。熱々の鉄板に薄い卵焼きが敷いてあり、その上にケチャップで炒めたスパゲティが乗っている。別メニューの「ナポリタン」は、普通の皿で卵焼きは無し。イタリアンの方が高かったような気がする。なんで「イタリアン」なのか未だにワカラナイ。
一つひとつ挙げてくとキリがない。そんな中で、これは文化だと感じたことがある。私の学生時代にはなかったが、何年か前に仲間と旅行で訪れたとき、地元の友人が連れて行ってくれた「コメダ珈琲」の本店。
なんてことのない普通の喫茶店。広めの駐車場と明るい店内の雰囲気。聞くところによると名古屋市内に2~300店舗あるチェーン店らしい。家族連れや若い人やお年寄り、様々なお客さんで混んでいる。友人の話によると、ほとんどが休日に家族でやってきて、長い時間をそこで過ごすのだそうだ。名古屋の喫茶店文化は知っていたが、こんなスタイルの店が流行っているとは。メニューも豊富。なかでも気に入ったのが「シロノワール」。温かいパンの上にアイスクリームが乗っていてメープルシロップをかけて食べる。甘ーくて旨い。つぼ八にある「豆乳揚げパンアイス」みたいなモン。
すっかり「コメダファン」になった私は、その後、名古屋へ行ったとき上山の本店に再び寄った。シロノワールと珈琲を頂いた私は、いたくコーヒーカップが気に入ってしまった。そのまま隠して持ってくる訳にもいかず、お店の人に譲ってほしいと頼んだ。譲ることはできないが問い合わせてみるというので、一緒に行った名古屋の友人に「あとは、マカセル」といって別れた。しばらくして友人から連絡があり「売ってくれるって。注文してモノが来たら送るわ」とのこと。
こうして待望の「コメダ珈琲」のカップ6客が我が家に来た。請求書を見てビックリ。ナンデこんな高い?とはいえ、立て替えてくれた友人には送金せねばならず、まわりからはヒンシュクもの。ナンの変哲のない分厚い有田焼のカップ。これで珈琲を飲むと名古屋へ行った気分。