エリンギは山のアワビ

 

 戦後一番遅いと云われた初雪で外は冷え冷えだが、我が家のキノコ部屋は温室のようにヌクヌク。今日の収穫はエリンギとシイタケ。輪切りにしたエリンギとシイタケをガーリック・バターで炒め、仕上げにチョコッと醤油を垂らす。焦がしバターが香ばしくエリンギの歯触りは、まるで水で戻した干しアワビ。これは酒が進む。昨夜は、山荘の冷凍キノコがタップリ入ったキノコ汁だったし、毎日毎晩、我が家は、酒池肉林のキノコ大収穫祭の日々

ゆめぴりか玄米漬け

 

 シイタケは、毎日のように収穫している。一度目の実りをすべて採り終えた今、菌床は丸裸の休眠状態で次の発芽を待っている。ナメコとエリンギは成長が遅く、まだ発芽の気配さえない。もっとも、一度に全部が収穫時期を迎えても食べるのに忙しくて困る。とかナントカ言いながら、楽しいキノコライフを送っている。

 今年になって、急にキノコ狩りに目覚めたキノコ初心者の私だが、自宅栽培にまで手を出すほどの「キノコオタク」になってしまった。世間では、こういう人種を「キノタク」と呼ぶ。(ホントか?)

 キノタクであると同時にツケメン(漬け物を得意とするオトコ)でもある私は、今年も大根の玄米漬けを仕込む。毎年、漬け物用玄米を買うお米屋さんが定休日なので、近くのスーパーへ行った。漬物用玄米は品切れ。「発芽玄米」と「ゆめぴりか新米の玄米」だけ。仕方なく倍の値段の「ゆめぴりか新米」の玄米を買ってきた。

 1升5合の玄米、炊きたてをツマんでみたが、さすが「ゆめぴりか」。玄米でも旨い。夕飯のために少し取りよけ、残りに麹とザラメと粗挽き唐辛子を混ぜタネを作る。

 

 このタネと干しあがった大根と粗塩を重ねて漬けていく。

 

 30キロの重しを乗せ、水があがったら半分にする。12月20日を過ぎると食べ頃。今年は、いつになく旨くなりそうな気配。なんたって、道産米ホクレン最高級ブランド「ゆめぴりか」の新米で仕込んだ贅沢な極上の玄米漬け。これって、もしかしたら魚沼産コシヒカリの新米をGOPANでパンにしちゃうくらいにトンデモナイことなのかも。お百姓さん、ゴメンナサイ・・・

肴は炙ったほうがイイ

 暖かな陽射しで天候に恵まれた文化の日、近くの街で農業祭りがあると聞き、昼過ぎに出掛けた。着いたと同時に、農家直売店は売り切れなのか予定通りなのか店じまいで片付け中。

 しょうがなく隣の道の駅の野菜直販所へ。普段、値段を気にせず、品物をカゴに入れては怒られる私でさえ「安っすうー」とビックリ。タマネギ20~30個入ったビニール袋が78円。紫タマネギ10~20個くらいで60円。細いゴボウ30本くらいで380円。他の野菜もかなり安いらしい。特にリンゴの種類が豊富で選ぶのが楽しい。店内にキノコの並ぶ籠を見つけた。エノキとユキノシタ、1袋500円。「高っかあー」とビックリ。これが相場なのか安いのかワカラナイが、天然キノコはタダ。の私には、手を出す気にならない値段・・・

 帰宅してシイタケの様子を見ると、ついに食べ頃を迎えたようなので早速・・・

 

お酒はぬるめの燗がいい♪
肴はあぶったキノコでいい♪
しみじみ呑んで、ほろほろ呑んで、ぽつぽつ呑んで・・・

 採りたてのキノコを炭火で炙りながら、キューッとヤッたら旨いべなあ。と、早速準備開始。炭をおこして火鉢に入れ、五徳に焼き網。シイタケの大きなモノからナイフで切り落とし縦に裂く。網で炙りながら、生姜をおろしスダチを半割にしたら準備完了。焼けるまでの至福の時を頂き物の愛媛の「生酒」でシミジミと・・・

 シイタケは、日光にあてるとビタミンDが増えるらしいが、明るいうちから呑みはじめる不健康な私が、いまさら身体に気を使う必要もなく、ただひたすらに焼けるのを待ちながらホロホロと・・・

 シイタケは、生で食べると「シイタケ皮膚炎」というアレルギーをおこすらしい。よく焼かなければと思うのだが、なかなかジューッと音を立てるほどに焼けてこない。そこで炭を足して火が強くなるまで待ちながらポツポツと・・・

 採れたてシイタケの炭火焼きは旨い。少し炙り過ぎのほうが芳ばしい。噛みしめると旨味がひろがり鼻から香りが抜ける。どれだけ焼いても、まだ目の前には沢山のキノコが生えていて食べ放題バイキング状態。かなり贅沢な気分・・・

とらぬ狸の

 我が家に来てから4日目のシイタケ菌床。どんどん出てきて成長も早い。ざっと数えると大小あわせて50個くらいはありそう。家内に聞いたところ、スーパーでは5~6個入って150円くらいとのこと。1,050円で買った菌床、もうすでに元が取れてしまった。今出てる分の収穫が終わって少しすると、また同じくらい出るとして、これが5~6回続くと、なんと9,000円分のシイタケが採取できる。1,000円の投資で8,000円の利益とは、近年まれにみる高配当...

 ていうか、そんなにシイタケばかり喰ってたら飽きるべなあ。

シナモンとカシア

 JR北海道の車内誌に赤平駅前にある米田商店の記事が載っていた。石川商店製造の「塊炭飴」を売っているお菓子屋さん。炭鉱の街ということもあり、石炭そっくりの色カタチでニッキ味が特徴の塊炭飴。

 

 ハッカをミント、ニッキをシナモンなんて、シャレた言い方をするようになったのは最近のこと。案の定、昔からある塊炭飴の缶の裏に原材料「ニッキ油」と書いてある。

 ところが、厳密にいうとニッキとシナモンは別のもので、原料になる植物が違うらしい。同じ味で、カシアと呼ばれるものもある。

全部ひっくるめてシナモンとして売られているが、シナモン、カシア、ニッキに分けられる。いずれもクスノキ科の植物。産地によって香りが微妙に異なるとのこと。スリランカで採れるものをセイロンシナモン、中国のものはカシア、日本のものがニッキ。樹皮をはがして乾燥させて巻いたものが、いわゆるシナモンスティックと呼ばれ、粉末にしたものがシナモンパウダー。

 厳密な意味でのシナモン(セイロンシナモン:スリランカ産)は、最も爽やかな香りで辛味がほとんどない。カシア(支那肉桂)は日本で一番多く売られていて、シナモンに比べると香りが強い。ニッキ(日本肉桂)は、和歌山、高知、九州の一部でわずかに栽培されているだけ。香り・辛味ともに強い。似て非なるこの3種類、当然、成分にも違いがある。東京都の食品安全情報サイト「食品衛生の窓」によると、シナモンの香り成分の一つであるクマリンという物質を過剰に摂取すると肝障害をおこすらしい。クマリンは、セイロンシナモンよりカシアに多く含まれるため、体重50Kgの成人の場合、1日に摂ってもいい許容量はセイロンシナモンでは364.6グラムに対して、カシアでは僅か1.5グラム(小さじ1.5杯)でしかない。この量が「塊炭飴」何個分、「八つ橋」何枚分に相当するのかワカラナイが、普通に食べている分には問題がないようだ。それ以前に、使われているのがシナモンなのかカシアなのかがワカラナイ。ましてや「塊炭飴」の場合、ニッキ油と書いてある。ホンマモンの日本産の肉桂なのかしら。

 以前、「シナモンは万能薬!」という記事に書いてから、今のところ毎日シナモンを摂り続けている。意外と長く続けられているのは、シナモンを甘いものと一緒に摂っているせいかもしれない。健康のためと云うより美味しいからというだけのこと。リンゴを食べるときにシナモンを振りかけたり、シナモンココアにしたりするのだが、半端ない量をタップリ摂っている。気になって、今使っているシナモンがホンマモンなのかカシアなのか調べてみたがマレーシア産と書いてあり結果不明。よくよく調べると、ホンマモンのスリランカ産は、今の値段の3倍以上はするらしく、どうもカシアをタップリと1日許容量を超えて摂っていた可能性がある。

 ああ、肝臓が・・・・

ニョキニョキ

 仕事場が変わって初めの頃は、歩いて出勤していた。それが自転車でのツーキングへと変わり、今では信号待ちのタイミングによっては2分で着いてしまう距離をクルマで通っている。人間、一度楽をしてしまうとなかなか戻れないという見本のような私・・・<

 その通勤の途中、信号で止まると必ず「エンキンホー」に見とれてしまう場所がある。特に今時期の紅葉した街路樹は、遠近法の典型のようなモノ。赤信号で停止中にカメラを構えたら、急に青に変わってしまい慌ててシャッターを押した。

 こちらは、家の中での遠近法。美味しそうなケーキが並んでいるように見えるが、キノコの菌床。手前からエリンギ、ナメコ、シイタケ。注文していたキノコ3兄弟が届いた。本当は、今は使用してない1階の古い仕事場跡で管理すればイイのだろうが、成長ぶりを目にして楽しみたい私にとっては、傍に置いて見守りたいところ。これから毎日、朝晩霧吹きで湿らせていると、1週間から2週間でキノコが生えてくるらしい。山荘でのキノコ狩りが終わってしまった私の寂しさを紛らわせてくれるカワイイ奴ら。一度収穫しても春までは、何度も生えるらしい。しばらく我が家ではキノコを買わなくても済みそうだが、自分で育てたキノコって、特別な愛情を感じるモノなのかしら。収穫してもカワイソウで食べられなかったらどうしよう・・・

 エリンギとナメコは菌床の上から生えてくるが、シイタケは上からも横からもニョッキニョキ生えてくるらしい。楽しみだなあ・・・

パーラーについて考える

 タイトルが「小沢昭一的こころ」になってしまったぁ・・・

 札幌で生まれた私は、丸井さんの裏に住んでいた。今の丸井新館が建つ場所で、本館と新館の仲通りにあたる。その路地には蕎麦屋さん、映画館があり、大通公園には砂場があってテレビ塔はなかった。遊び場といえば砂場と丸井さんの地下売り場だったらしいが、小さい頃でほとんど記憶がない・・・

 この私が、どことなく自他共に認める?シティボーイの雰囲気を醸し出しているのは、「御幼少のみぎり」を大都会のド真ん中で過ごしたという生い立ちのせいなのかもしれない。(どこが?)

 小学校に上がる前、田舎へ越してきたこともあり、夏休みや冬休みに父親の出張に付いて札幌へ連れて行ってもらった。必ず、駅前の「パーラーにしりん」でポークカツランチを食べ、富貴堂(本屋)へ行くのが、お決まりのコース。このポークカツランチ、ご飯の上にザク切りのトンカツが乗りデミグラスソースがかかっていてフォークで頂く。分厚いマグカップに温かいコンソメスープが付いてくる。当時、トンカツなんて年に何回も食べられないご馳走だったし、ソースといえばウスターソースしか知らない子供にとって、デミグラスソースは、まさにここでしか口にすることの出来ない洋食の味。それがデミソースというものだったと知ったのも、大人になってからのこと。あの頃は世の中に、こんな旨いモノがあるのかと毎回感動しながら食べていた。洋食を口にして都会の本屋で時間を過ごすことが、田舎の子供に文化の香りをプレゼントできる良き時代だった。

 今、パーラーといえばパチンコ・パーラーを意味するようになってしまったが、昔懐かしい札幌駅前には、パーラー西林(にしりん)、雪印パーラー、パーラー石田屋、パーラーフジヰと都会の香りを醸し出すレストランや喫茶が軒を並べていた。辞書によると"Parlor"には、応接間とか客間の他に「茶の間」という意味もある。家族団らんで「くつろぐ場」としてのパーラーについて考えていたら、思い当たったことがある。名古屋の「コメダ珈琲」こそが、現代のパーラーなのかもしれない。以前、訪れたときに感じた「日常の中にあってナニかが普通じゃないけど、これが名古屋の文化なの?」という疑問が、今やっと理解できたような気がする。

ツケメン

 美形な男をイケメンと呼ぶ。「イケてる面(つら)」という意味でイケメンはOKだが「イケてる男」を指すのであればイケマンのはず。X-メンのメンバーだって、個人になると単数形でX-マン。

 そんなこたぁどうでもイイが、顔立ちに関するスラングは数多い。ビミョメン、フツメン、カッコメン、キモメン、ブサメン、グロメン、ジミメン、オタメン、シケメン、ダサメン、ショボメン、ザコメン、カユメン、ブタメン、ガチャメン、オガメン、ゲロメン、ゲリメン、カスメン、ゴミメン、グチャメン、ボロメンなどなど。

 これじゃぁ、まるでラーメン屋のメニューのようだ。もっとも、ゲロメンとかゲリメンなんてのは喰いたくもないが・・・

 そういえば昔、札幌にザーメンという食べ物があった。札幌駅近くにあったパーラーだが、1階が喫茶、2階が食堂で階段を上がる途中にショーウィンドがある。ラーメンらしきモノが並んでいる傍に品書きがあり「ザーメン(雑麺)」と書いてあった。きっといろんなモノが雑然と入ってる麺なのだろうが、口に出して注文するのも恥ずかしく、一度も食べたことがない。今なら平気で若くてキレイなウェイトレスさんに向かって「オネエさーん、ザーメン大盛り1丁!」と大声で注文できそうな気がするが、もうすでにその店はない。

 話が逸れたが、最近は、ナニかをする男を○○メンと呼ぶらしい。女性における「○○美人」「美しすぎる○○」と同じようにモテハヤされている。イクメンというのは育児に積極的な男だそうで、高齢者介護を積極的に行なう男はケアメン。

 なんでもかんでもメンをつけりゃイイってもんじゃないが、私のようにキノコに魅了された男は、キノコメンと呼ぶのだろうか。ラーメンが好きな奴はラーメン、感じやすく早く漏れちゃう奴はソーメン、痔に苦しんでる奴はGメン、謝ってばかりの奴はゴメン・・・

 これから、私は大根を干して漬け物の準備をはじめるが、さしずめツケメンと呼んでくれ。

山の恵みに感謝

 我が家の冷凍庫に眠るオールスターキャストによるキノコ鍋。山荘で採れたアイシメジ、シモフリシメジ、アカモミタケ、ボリボリ、キヌメリガサにムラサキシメジ、冷蔵庫に眠っていたスーパーのブナシメジにシイタケ。豚しゃぶ肉と長ネギを入れたら醤油と日本酒で味をつけるだけ。キノコのヌメリでトロトロになったスープは、滋味・旨味が洪水のように押し寄せてくる。

シナモンは万能薬

 世の中、身体にイイと云われるモノが溢れている。テレビのCMや雑誌の広告にノセられて、いろいろと試した経験も豊富だが、いまだに続いているモノは一つとしてない。茶の間の棚には、シジミのナントカや休息アミノ酸のナントカ、ブルーベリーのナンタラが、開封後、期限切れのまま放置されている。高価なモノもあり、なんともモッタイナイかぎり・・・

 そんな中、またまた家内がテレビ番組から知識を得てきた。今までと同じパターン「○○にイイらしいよ」のごとく「高血糖に効果があるんだって」と云われて、試しているのが "シナモン"。シナモンは、血糖値を下げるらしく、毛細血管の老化を防止するとのこと。そこで、インターネットで調べてみた。

 「シナモンパウダーの効能」

 ↑上のサイトを読んでみると、シナモンの効能は絶大だ。循環器・消化器・神経・内分泌・代謝系・泌尿器・関節・アレルギー・感染症・生殖器から癌にまで、なんにでも効くらしい。これを読んでいるかぎり、シナモンで治らない病気はないようだ。

 これは、これはイイことを聞いた・・・

 日頃から血糖値が高く食生活にヤイノヤイノ言われている私は、それ以来、堂々と家内の目の前で「シナモンたっぷりのアップルパイ」や「甘ーいシナモンロール」に「甘ーいシナモンミルクティー」を堪能している。今夜も「シナモンケーキ」が焼き上がったところ。シナモンレシピは、まだまだありそうで、アップルパイ、シナモンドーナツ、シナモントースト、シナモンロール、シナモンクッキー、シナモンプリン、チャイ、カプチーノ、シナモンケーキ、シナモンミルクティー、八橋、ニッキ飴などなど。こんなに食べても、血糖値が上がらないとは夢のようだ。恐るべしシナモンの効果。

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