静岡の人は、静岡弁で静岡のことを「しぞーか」と言うらしい。
金曜の夜、マイナス7度という寒い中、スーツや小物をガーメントバッグに詰め一路札幌へ。1泊し早朝、スーツに着替えたがベルトを忘れてきたことに気づき、やむなくズリ落ちるズボンを押さえながら千歳に向かい静岡へフライト。
初体験の静岡空港。きっと、あのあたりに高い樹が立っていたのかなと想像しながら、市内に向かうバスに乗った。車窓には茶畑が広がり、民家の庭にもミカンが実り、これぞ静岡という景色。季節は紅葉が始まったばかりの様子。静岡のイメージは、お茶・ウナギ・マグロ・ミカン・ワサビ漬け。よーし今夜は旨いモノ喰うぞと、ズボンを押さえながら静岡駅に着いた。早速、洋服屋さんを探しベルトを購入。若い人向けの派手なバックルのモノしか置いてない。他の店を探す時間もなく一番地味なモノを選んで締めたが長過ぎる。一番端の穴でもユルユル。でも喰ったらキツクなるからエエかと、そのまま調整もせずにお買い上げ。余計なところで時間を費やしたので会議の時間が迫り、昼飯にはウナギという計画が台無しに。
(昼メシも喰わずにマジメに会議に出てはいましたが、中略・・・)
会議が終わり懇親会。ホテルの宴会料理なのでウナギもマグロもワサビ漬けも出てこない。二次会へ流れオヒラキの時間となり、いよいよ静岡の味を堪能すべく地元の人について行ったのが「静岡おでん街」。初体験の「静岡おでん」は有名らしい。軒並みおでん屋さんという、まるでラーメン横町のような一角で「愛ちゃん」という小さな店に行った。あいにく満席だったが、北海道から来たというと先客が席を空けてくれ、焼酎の緑茶割り(さすが静岡)でおでんを頂いた。
見た目は、関東風のおでんと大違い。真っ黒なダシに串刺しのタネ。脂が浮いているのは牛スジでダシを取るせいらしい。皿に取ったら、ナンやワカラン「だし粉」をふりかけてカラシをつけて喰う。名物の「黒はんぺん」「豚もつ」「白焼き(モチモチしたタラのすり身らしい)」は、色の割にはしょっぱくなく旨かったなあ。それでも一番旨かったのは、サイドメニュー?に作ってくれた黒はんぺんのフライに醤油をかけて喰うヤツ。なぜか懐かしい味がして、ついオカワリをしてしまった。静岡おでんの基本は「黒はんぺんが入っている・牛スジで取る黒いスープ・串に刺してある・青のりだし粉をかける」ということらしい。
おでん屋さんで一番旨いのがフライだと言ってしまった失礼な私だが、たらふく喰ってズボンのゆるみも気にならなくなった夜更けにホテルへ戻りマッサージを受けながら気持ちよくなり、枕にヨダレを垂らしつつ眠ってしまった。翌朝ふたたび静岡空港から帰路へ。
私の搭乗する機の隣に「Gold Jet(金シャチANA)」が駐機中。機体がゴールドに特別塗装された全日空機。主翼の先が跳ね上がっているのが特徴で、ほとんどセントレアで活躍しているのだが、なんで静岡に?
静岡といえば「うなぎパイ」。意味深に「夜のお菓子」と呼ばれているが、空港の土産売り場で、ワンランク上の「うなぎパイVSOP」というのを見つけた。これはキキそう?だが、こちらには「真夜中のお菓子」と書いてある。どういう意味なんだろう。こんなモン真夜中に喰ったらいっぺんに血糖値が上がってしまうわ、と言いつつネーミングに惹かれて買ってしまった。
機中で一眠りしたあと、ワゴンサービスで目が覚めたら眼下に富士山が。この景色に感激するのは、日本人のDNAのなせる業なのかも。
結局、ナニしに静岡へ行ったんかって?ようワカラン...