アイヌネギ・行者にんにく

 道産子なら、Everybody know。アイヌネギ。

 別名ギョウジャニンニク、ヒトビロ。山で修行する行者が食べたとか、精がつきすぎて修行にならないので食べるのを禁じられたとか。クッサーイけど旨い。

 アイヌネギというくらいだから、昔からアイヌが食べていたんだろうな。アリシンの含有量はニンニクの比ではない。ということは、カラダにイイ。なんにイイのかわからないが、とにかく効きそうだ。それにしてもクサイ。ニオイだけで精がつく。

 西洋には似たようなものに「ワイルドガーリック・熊ネギ」というのがあるそうだ。名前からしてクサそうだ。

 一番旨いのは醤油漬け。ただ、醤油に漬けるだけ。一晩でできてしまう。これが旨い。旨いけどクサイ。休みの前日でなければ食べてはいけない。食後、絶対に人前に出てはいけない。必ず友を失う...

 漬けた醤油は、焼肉のたれや炒め物の味付けに最高。他に、おひたし・玉子焼き・てんぷらなど。

 これから山菜の季節。タランボの芽のテンプラ、ウドの酢味噌和え、フキの油炒め、春だあー!

 不景気のため歯医者では喰えなくなり、自給自足で暮らそうと思った。ま、思っただけだが。(冗談やで)

 何年か前、猫のヒタイほどの畑を耕した。当時は、耕運機もなくスコップで固い土を掘り起こし石灰を巻いて鍬いれ、どうにか畑らしくなったところに枝豆の種を蒔いた。なぜ、枝豆かというと人の話によると「あんなもん、放っといてもナル」という言葉を信じた。それに「もぎたて」の枝豆の味といったら、トウキビにも匹敵するくらいアマイ。枝についたままを茹でプチュッと押し出し、冷たいビールでクウーッとやるのが夢。それに万が一出来すぎてしまったら、ネットオークションで「幻の枝豆・野花南ブランド」なんてことを仰々しく書いて大々的に売り出し、一儲けしようという魂胆。

 種を蒔いた当時、人に逢うたび「枝豆蒔いたんだ。秋になったら旨いのオスソワケするから」と、あちこちで宣伝しまくった。

 なんたってシロウトなもんだから「放っといてもナル」という言葉を真に受け、必要な時の水撒き・剪定・草むしりなどを怠り、時々見にいくだけ。そのうち業界の仕事が忙しくなり、ほとんど行くこともなく放ったらかしのまま経過。

 秋になり「もうそろそろイイかな」と、収穫を楽しみに行くと、雑草だらけで「どこに枝豆がアルの?」状態。肝心の枝豆は1本も見当たらず、畑一面蒔いた記憶のない紫蘇の葉に席巻されている。しょうがないので紫蘇の穂をザルいっぱい持ち帰り塩漬けにして、白菜を漬けた。これはこれで旨かったが、冷たいビールでクゥーっとやる夢は破れてしまった。

 こんなことでは、自給自足どころか、農家は出来ないということで今だに歯医者を続けている...

 こちらは、今年の花畑予定地、あくまで予定だが。

田村さんスイマセン

 以前、「私は違いのわかる男」でも言ったことだが、ビールと発泡酒なんか間違えるわけがない。「田村正和は嘘つきだ」と豪語していたら、息子が「変わらない」とのたまい、「間違えるわけないじゃん」という私に挑戦状を突きつけてきた。売られたケンカは買わなきゃ。ということでブラインドテスト。

ビールと発泡酒の飲み比べ どれがどれかわからないように注いでもらい、グラスの下に正解用紙を伏せておく。私と家内と息子と嫁の4人での勝負。私の場合、ひと口呑むとわかってしまうって?解答用紙に記入して改めて呑みなおすと、ん?なんだか自信が揺らいでくる。息子は悩みながら一生懸命味くらべ。ピザが焼けるまでの10分でタイムアップ。

 さあ、いよいよ答えあわせ。私の場合、3本のビールと3本の発泡酒のうち、ビールの銘柄を含め4本が正解。不覚にもアサヒスーパードライとグリーンホップという発泡酒を間違えてしまった。家内と嫁も銘柄は別にしてビールと発泡酒の違いを呑み分け4本が正解。「変わらない」とのたまった息子だけが正解2本の最下位。ま、とりあえず豪語していた私としては面目躍如というところ。ところが、そのあとグラスが入り乱れ、どれがどれだかわからなくなってしまった。そうなるともう、どれを呑んでも変りなく結局はどれでもイイということに。ピザと生春巻きでお腹いっぱいになる頃には、ただの宴会に・・・

 最後は、田村正和が間違えたという「麦とホップ」で締めくくり。いやあ、恥ずかしながら間違えましたあ。田村さあん、嘘つき呼ばわりしてスイマセンでしたあ。

ビールと発泡酒の飲み比べ

 毎年、春一番の味覚は「ふきのとう」。これからの季節、あちこちの土手や田んぼのアゼに生えてくる。野花南にもたくさん見られるが、雪融け時期の水気の多い場所に芽吹くものは、ひと味ちがうようだ。1年に1度は、油味噌炒めをいただく。「春がやって来たあ!」と思う瞬間だ。この肴には、やはり日本酒がイイ。

 

 以前にも書いたが、私はシティボーイ。なんたって現在、丸井デパート新館の建つ場所で育ったのだから。北海道の大都会札幌のド真ん中で幼少のみぎりを過ごした私には、子供のころから大好きなものがある。

 オートメーションで饅頭が出来てゆく「とうまん」。一度あの機械を見るとまさに感動モンだ。タネを流し入れ餡を落とし、その上にタネをかぶせ底が焼きあがると、ひっくり返し両面が焼けると焼き印まで押す。すべての工程を自動でやってしまう。傍についている人はといえば、ただ出来上がった饅頭を箱詰めするだけ。小さいころから、あの機械を眺めているのが好きだった。あの頃は焼き印が丸井のマークだったような気が。

 丸井さんの食品売り場にあったが、最近では見かけることがなくなった。もっとも、めったにデパ地下になんか行くこともないのだが。しかし、駅の売店では今でも土産として売られているのだから、どこかであの機械が動きつづけているはずだと何年もの間、気になっていた。ところがなんとエイプリルフールの今日、やっと巡り会えた。札幌駅に予定より早めに着いた私は、時間潰しにブラブラ散策していたのだが偶然、札駅アピアの一角で今でも現役で働いている饅頭ロボットに再会した。嬉しかったなあ。久々に出逢った「とうまんロボット」の前で、足を止めしばらく眺めてきた。人通りの多い地下街の一角でイイ大人が饅頭が出来上がってゆく様子を見つめつづけ、携帯で写真まで撮っているのだから、通り過ぎゆく人には、きっと私は「変な人」に思われたに違いない。そう考えると、私はシティボーイではなく「もの珍しそうに文明の利器を眺める田舎のオジサン」になってしまったようだ。

 ところで、秋田名物に「金萬」という名で「とうまん」そっくりのお菓子がある。きっと作り方は同じなのだろう。一度食べたことがある。味は「とうまん」をはるかに越えていた。私は饅頭自体が好きなのではなく、このオートメーション化されたロボットが好きなのだ。実は、いつかあの機械を手に入れたいと思っている。でも、実際に動かすとなると出来上がる饅頭の量が多すぎて、1時間に800個だそうだが自分だけで食べきる自信がないので迷っている。(迷うか?ふつう...)

含多湯(ガタタン)

 私の住んでる田舎には昔から、名物料理がある。子供のころ「幸楽」という中華料理屋さんがあり、その店のオリジナル「ガタタン」という食べ物があった。夜遅くなり、誰かが「ガタタン食べたいね」と言い出すと大きな鍋を持って「幸楽」さんへ買いに行き、家で熱々にして食べた。我が家では、いわば夜食という感覚だった。

 このガタタン、「含多湯」と書いていろいろな細かい具が入ったスープ見たいなモノ。この店のメニューにパイチータン「白鶏湯?」という料理もあったが食べたことはない。店に入るとカウンターと1室だけ小上がりがあり、どこを触っても油でギトギトしていそうな雰囲気だったのを覚えている。だから、ガタタンは店で食べるモノではなく、お持ち帰りで我が家で食べるモノだった。

 満州から引き上げてきた店のご主人が中国で食べた家庭料理をアレンジしたらしい。いろんな材料を細かくして、ごった煮にするのは中国の苦力(クーリー)が食べるモノらしいと聞いたことがある。

 村井さんというご主人が体調を崩し店を閉めてから(今は故人)、我が家で作るしかなかったが、近年、市内で多くの店がメニューにのせ、今ではこの街の名物料理として復活している。ただ、どの店で食べてもあの頃「幸楽」で食べた味ではなく、我が家では今だに家庭で作っている。

 それぞれの店には独自の作り方があるのだろうが、我が家のレシピを紹介すると、とにかく以下の材料を細かく切る(5mmくらい)。生のイカゲソ、豚肉、タケノコ、フキ、チクワ、ナルト、野菜は白菜、キャベツ、シイタケなどのキノコ類。要は何でもいいのだ。ただし、イカゲソだけは必須。これを大きな鍋に入れ、ごま油で炒める。そこへ鶏ガラスープをヒタヒタより少し多めにに入れ煮立てる。なければただの水でもいい(結構、ダシが出ている)。材料に火が通るまでに小麦粉を練って5mmくらいの太さに細長くしたものを包丁で5mmくらいの長さに切って用意しておく。鍋に塩コショウで味付けし、この細かい団子を入れて煮る。団子に火が通ったころに溶き卵をかき混ぜながら入れる。ラーメン丼に移して出来上がり。レンゲで食べる。

 トロミがついたスープということで、ほとんどの店では水溶き片栗粉を入れるようだが、団子を作るときに打ち粉をしているので、これだけでも多少トロミはつく。だから、我が家では水溶き片栗粉を入れずに仕上げる。

 寒い夜には、温まりますよ。実は昨日の夕食の献立でした。ブログ用に写真を撮るのももどかしく食べきってしまいました。旨かったなあ・・・

我が家自慢の玄米漬け

 昔、我が家では秋になると、いろんな種類の漬物を漬けていた。最近では、めっきり数が減ってきたが、それでも大好きな「玄米漬け」だけは欠かしたことがない。オフクロが逝ってから漬けるのは私の仕事。漬ける量も減ったのであまり長くは持たず、暖かくなる前には食べきってしまう。樽の底に残った最後の1本を食べきると、また冬が来るまでお預け。

 寒い季節には、近所からの頂き物で漬物オンパレードという食卓を囲むこともある。幸せを感じるひと時である。なんて贅沢なんだろ。

カブの粕味噌・キャベツの粕味噌・べったら

米をかしてちょうだい

 私はミーハー。結構、感化されやすい。ある時、「最近の米が旨くないのは、機械で精米するからだ。昔は臼や水車でゆっくり米を搗いていたので米ぬかに含まれる油の成分が米に浸透して美味しさを増していた」という文章を見つけた。そして以下のように続いている。「だから美味しいご飯を炊こうと思ったら、といで水加減したところに少量の塩とクセのない植物油を2~3滴落としなさい」

 早速、やってみた。うーん、たしかに旨く感じる。ところが、冷えたご飯でお茶漬けにしたところ、なんと油が浮いてきた。それ以来、やっていない。

 ところで、米を「とぐ」という言葉の方言で困ったことがある。学生時代、名古屋のスナックでバイトをしたことがある。開店前にママから「カワハラ君。米かしてちょうだい」と言われた。「えーっ、ウチに米なんかないよなあ・・・」と思い「ないです」と答えたら、「そこにあるでしょう」と指さす。よく見ると米袋が置いてあるので「はい、どうぞ」と手渡したら、「ちがう、米をかすの!」

 「・・・・・・・・・?」

 そうなんです。その時、初めて知りました。名古屋では「米をとぐ」ことを「米をかす」というのです。きっと「うるかす」の変形なんでしょうね。ん?「うるかす」は北海道弁かな?

「勘違いの男達」で書いたことだが、

 「違いがわかる男」のリストに名前のなかった「田村正和」が最近、「ビールと間違いましたー」と叫ぶ「麦とホップ」。発泡酒か第3のビールか知らんけど、それはナイッテ。ゼッタイ間違いませんって。

 書いてしまってから、妙に気になりはじめ、買ってきました「麦とホップ」。昨夜の晩酌の1杯目、グラスに移し口をつけ味わってみた。初体験の第3のビール。ん?「気の抜けた居酒屋のビールみたい」というのが第一印象。ま、飲めなくはないけど。「気の抜けたビール」でも、ビールには違いなく「間違いましたー」と叫ぶ田村正和は正しい事を言ってるのかしらと思いながら、アサヒのスーパードライの栓を抜く。いやーゼンゼン違うって! 間違えるわけナイッテ! やっぱり、田村正和は大ウソツキだあ! ひょっとすると、かなり酔ったあとに飲んだのかも。酔ってしまえば、ナニを飲んでも同じってか。

 それにしても最近、お気に入りだった「アサヒのプレミアム熟選」、どこにも売ってませんねえ。あまりの旨さに誰かが買い占めてしまったのだろうか。それとも不人気で製造中止になってしまったのだろうか。今となっては私にとって「幻のビール」になってしまった。ま、酔ってしまえば、「違いのわからない男」になってしまうのだが。

勘違いの男達

♪ダバダ~

 「違いがわかる男」がインスタント・コーヒーなんか飲むわけねぇだろ。と、あのCMが始まった頃、テレビに向かって毒づいていた。その「違いがわからない勘違い男」が、こんなに沢山いるとは思わなかった。というのも例のCM、毎年一人か二人づつ出演していて今年で40年も放映されている。世にいう有名人。それも皆、一芸に秀でる人達ばかりだ。

松山善三(映画監督)、黛敏郎(音楽家)、中村吉右衛門(歌舞伎役者)、遠藤周作(小説家)、池坊専永(華道家)、北杜夫(小説家)、岩城宏之(音楽家)、清家清(建築家)、野村万作(狂言師)、二谷英明(俳優)、江藤俊哉(音楽家)、曾田雄亮(陶芸家)、後藤純男(日本画家)、石丸寛(音楽家)、阿川弘之(作家)、やまもと寛斎(ファッションデザイナー)、観世栄夫(能楽師)、由良拓也(レーシングカーデザイナー)、沢井忠夫(箏曲奏者)、高倉健(俳優)、靃見芳浩(経済学者)、小田和正(シンガーソングライター)、宮本輝(小説家)、坂東八十助(歌舞伎役者)、宮本亜門(演出家)、錦織健(オペラ歌手)、川瀬敏郎(花人)、石丸幹二(劇団四季俳優)、熊川哲也(バレエダンサー)、和泉元彌(狂言師)、山本容子(銅版画家)、松本幸四郎(歌舞伎役者)・市川染五郎(歌舞伎役者)・松たか子(女優)、野口健(登山家)、外尾悦郎(彫刻家)、緒形拳(俳優)、唐沢寿明(俳優)・三谷幸喜(劇作家、脚本家、俳優、映画監督)、大平貴之(プラネタリウムクリエーター)、小林崇(ツリーハウスクリエーター)

 CMが開始されたのは、昭和45年。「違いがわかる男」から「上質を知る人の」にキャッチコピーが変わったのは、平成3年のこと。「やっぱり気づいたかよ。遅いんだよ」と、またまたテレビに向かって毒づいた。その後、平成12年からは「違いを楽しむ人の」と、どちらかというとマトモな解釈になった。

 普通のネスカフェとゴールドブレンドでは、味が違うのかもしれないが、私にはよくわからない。つまり私は「違いのわからない男」ということになる。でも、ビールの味の違いならキキワケる自信はある。昔「クリープを入れないコーヒーなんて」とカッコつけてた「田村正和」が、最近「ビールと間違いましたあ」と叫ぶ「麦とホップ」。発泡酒か第3のビールか知らんけど、それはナイッテ。「ゼッタイ間違いませんって」

 そういえば「違いがわかる男」のリストに「田村正和」の名前はなかったよなあ。

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