晩秋のカラマツ林

 落葉松(カラマツ)は文字通り、葉を落とす針葉樹。秋には葉をコガネ色に染め、晩秋には葉を落として冬を迎える。広葉樹の落ち葉は、油分が少なく発酵しやすいので微生物やミミズに分解されやすいが、松の葉は油分が多く腐葉土になりにくい。このため、毎年降り積もるカラマツの葉は、幾重にも重なって地面を覆いつくす。

 カラマツ林の中に居て一番好きな季節は、迷わず晩秋だといえる。葉を落とした裸の木々が、寒々と雪の中に立ちつくす冬の姿は、もの悲しく。新緑・深緑の葉が生い茂る頃は、林の中が暗く湿っぽい気持ちにさせられる。

 葉を落とした晩秋のカラマツ林は、サエギるものがなく地面まで陽が差し込む。それも陽気に明るいわけではなく、木立が陽をサエギり「木洩れ日」を演出し、気温に関係なく温かく優しい気持ちにしてくれる。なによりも降り積もった落ち葉がフカフカで、広葉樹の落ち葉のようにガサガサと音を立てることなく、細かい松葉が織りなす絨毯は、裸足で歩きたくなるほど気持ちイイ。

 

 カラマツの林は寂しいと謳う北原白秋の有名な「落葉松」という詩は、夏の信州で創られたらしい。これが晩秋であったなら、白秋は、はたしてどんな詩を詠んだのかなと考えるだけでも楽しい・・・

 落葉松(北原白秋)


 からまつの林を過ぎて、
 からまつをしみじみと見き。
 からまつはさびしかりけり。
 たびゆくはさびしかりけり。


 からまつの林を出でて、
 からまつの林に入りぬ。
 からまつの林に入りて、
 また細く道はつづけり。


 からまつの林の奥も
 わが通る道はありけり。
 霧雨のかかる道なり。
 山風のかよふ道なり。


 からまつの林の道は
 われのみか、ひともかよひぬ。
 ほそぼそと通ふ道なり。
 さびさびといそぐ道なり。


 からまつの林を過ぎて、
 ゆゑしらず歩みひそめつ。
 からまつはさびしかりけり、
 からまつとささやきにけり。

 からまつの林を出でて、
 浅間嶺にけぶり立つ見つ。
 浅間嶺にけぶり立つ見つ。
 からまつのまたそのうへに。


 からまつの林の雨は
 さびしけどいよよしづけし。
 かんこ鳥鳴けるのみなる。
 からまつの濡るるのみなる。


 世の中よ、あはれなりけり。
 常なけどうれしかりけり。
 山川に山がはの音、
 からまつにからまつのかぜ。

シナモンとカシア

 JR北海道の車内誌に赤平駅前にある米田商店の記事が載っていた。石川商店製造の「塊炭飴」を売っているお菓子屋さん。炭鉱の街ということもあり、石炭そっくりの色カタチでニッキ味が特徴の塊炭飴。

 

 ハッカをミント、ニッキをシナモンなんて、シャレた言い方をするようになったのは最近のこと。案の定、昔からある塊炭飴の缶の裏に原材料「ニッキ油」と書いてある。

 ところが、厳密にいうとニッキとシナモンは別のもので、原料になる植物が違うらしい。同じ味で、カシアと呼ばれるものもある。

全部ひっくるめてシナモンとして売られているが、シナモン、カシア、ニッキに分けられる。いずれもクスノキ科の植物。産地によって香りが微妙に異なるとのこと。スリランカで採れるものをセイロンシナモン、中国のものはカシア、日本のものがニッキ。樹皮をはがして乾燥させて巻いたものが、いわゆるシナモンスティックと呼ばれ、粉末にしたものがシナモンパウダー。

 厳密な意味でのシナモン(セイロンシナモン:スリランカ産)は、最も爽やかな香りで辛味がほとんどない。カシア(支那肉桂)は日本で一番多く売られていて、シナモンに比べると香りが強い。ニッキ(日本肉桂)は、和歌山、高知、九州の一部でわずかに栽培されているだけ。香り・辛味ともに強い。似て非なるこの3種類、当然、成分にも違いがある。東京都の食品安全情報サイト「食品衛生の窓」によると、シナモンの香り成分の一つであるクマリンという物質を過剰に摂取すると肝障害をおこすらしい。クマリンは、セイロンシナモンよりカシアに多く含まれるため、体重50Kgの成人の場合、1日に摂ってもいい許容量はセイロンシナモンでは364.6グラムに対して、カシアでは僅か1.5グラム(小さじ1.5杯)でしかない。この量が「塊炭飴」何個分、「八つ橋」何枚分に相当するのかワカラナイが、普通に食べている分には問題がないようだ。それ以前に、使われているのがシナモンなのかカシアなのかがワカラナイ。ましてや「塊炭飴」の場合、ニッキ油と書いてある。ホンマモンの日本産の肉桂なのかしら。

 以前、「シナモンは万能薬!」という記事に書いてから、今のところ毎日シナモンを摂り続けている。意外と長く続けられているのは、シナモンを甘いものと一緒に摂っているせいかもしれない。健康のためと云うより美味しいからというだけのこと。リンゴを食べるときにシナモンを振りかけたり、シナモンココアにしたりするのだが、半端ない量をタップリ摂っている。気になって、今使っているシナモンがホンマモンなのかカシアなのか調べてみたがマレーシア産と書いてあり結果不明。よくよく調べると、ホンマモンのスリランカ産は、今の値段の3倍以上はするらしく、どうもカシアをタップリと1日許容量を超えて摂っていた可能性がある。

 ああ、肝臓が・・・・

ヒグマ救出大作戦

 今年は、札幌や千歳でも人里にヒグマが出没し、ニュースになることが多かった。冬眠前のヒグマが脂肪を蓄えるのに必要なドングリが凶作のためらしい。彼らにとっては厳しい冬を越せるかどうかの死活問題。エサを求めて山を下りてくるのは止む得ない。また、人間にとって危険だから、農作物に被害を与えるからといって捕獲して殺処分するのはカワイソウだとはいえ止む得ない。もともと山にドングリが大量に実りさえすれば、こういう問題が起きずに済んだはず。

 そうであるなら、熊にはドングリを増やす知恵はないのだから、人間が考えてやればイイだけのこと。このドングリ不足「ナラ枯れ」によるものらしい。ナラ枯れとは、ドングリを実らせるコナラ、ミズナラ、シイ、カシ、クリなどが集団で枯れることで、カシノナガキクイムシという虫が原因。この5ミリくらいの小さな虫のメスがナラ菌(ラファエレア菌)というナラにとっての病原菌を運ぶ。木を枯らした翌年、羽化した成虫が枯れたナラから飛び出して付近の健全な木に穿入して枯らす。これを繰り返し順に山の環境を壊してゆく。

 この被害は、ここ数年で過去に例を見ないほど拡大している。カシノナガキクイムシは昔から日本にいる昆虫で、ナラ枯れも古くから知られていたが、過去の被害は散発的で、これほど激しい被害を出すことはなかった。この虫が好む樹齢50年以上の大木は、昔は薪や炭として使われていたが、60年代以降、石油中心の生活になると伐採されなくなり、虫の繁殖に適した老木に成長した。また、公園整備が進み太い木が多くなった。地球温暖化の影響で、虫の活動範囲が広がったことなどが激甚被害の発生に関係あるようだ。

 この被害により、国立公園や森林公園などの景観が損なわれる。また、ドングリが実らなくなりクマや昆虫の食料が激減するため、人里の農作物を荒らす被害が出る。樹の根まで枯れると傾斜地の土壌の安定や保水力が低下し土砂崩れや土石流をおこす。山間地の収入源であるマイタケなどのキノコの収穫量が減り、原木ナメコや原木シイタケのホダ木も供給できなくなる。

 このような事態に対処するのは、国や行政の仕事だが、国土を守るために森林の生態系を保全するという理念を持たない政治家にこそ、一番の問題があるのかもしれない・・・

 とはいえ、今の政治家にナニを云っても無駄なので、少しでもドングリが沢山実るように、林の中で日陰に生える小さなミズナラを掘り起こしては陽の当たる場所に移植している。

 今は、山荘を囲む電気柵の中で畑を耕し、作物を作っては鹿に喰われ、結果、鹿を飼っていることになっているが、いつか、ドングリが沢山実って北海道中のヒグマが野花南山荘に集まってきて、我が家ではヒグマを飼ってるんだと自慢できる日が来るかもしれない・・・

 天気がイイので、山仕事のあとは漬け物用の大根干し。昨年、欲張って二つの樽に漬けたが、食べきる頃には漬かりすぎてしまったので、今年は2斗樽1個で済ませようと、細めの大根36本を用意した。

ニョキニョキ

 仕事場が変わって初めの頃は、歩いて出勤していた。それが自転車でのツーキングへと変わり、今では信号待ちのタイミングによっては2分で着いてしまう距離をクルマで通っている。人間、一度楽をしてしまうとなかなか戻れないという見本のような私・・・<

 その通勤の途中、信号で止まると必ず「エンキンホー」に見とれてしまう場所がある。特に今時期の紅葉した街路樹は、遠近法の典型のようなモノ。赤信号で停止中にカメラを構えたら、急に青に変わってしまい慌ててシャッターを押した。

 こちらは、家の中での遠近法。美味しそうなケーキが並んでいるように見えるが、キノコの菌床。手前からエリンギ、ナメコ、シイタケ。注文していたキノコ3兄弟が届いた。本当は、今は使用してない1階の古い仕事場跡で管理すればイイのだろうが、成長ぶりを目にして楽しみたい私にとっては、傍に置いて見守りたいところ。これから毎日、朝晩霧吹きで湿らせていると、1週間から2週間でキノコが生えてくるらしい。山荘でのキノコ狩りが終わってしまった私の寂しさを紛らわせてくれるカワイイ奴ら。一度収穫しても春までは、何度も生えるらしい。しばらく我が家ではキノコを買わなくても済みそうだが、自分で育てたキノコって、特別な愛情を感じるモノなのかしら。収穫してもカワイソウで食べられなかったらどうしよう・・・

 エリンギとナメコは菌床の上から生えてくるが、シイタケは上からも横からもニョッキニョキ生えてくるらしい。楽しみだなあ・・・

極上の秋の香り

 嬉しいことに毎年この時期になると、長野の知人からカリンが届く。一度、生で囓ったことがあるが果肉は固く渋くて酸っぱくて食べられなかった。蜂蜜に漬けたりカリン酒にすると、甘い香りが移って美味。風邪の薬にもなるようだ。だが、なによりもカリンの価値は、その芳香にある。言葉で表現するのは難しいがフルーティで甘く優しく清楚で品のある香りにウットリする。

 この香りは、玄関ではお客さんをモテなし、茶の間では2匹のボーダーコリーの様々な臭いを覆い隠して余りあり、枕元では気持ちよく夢の中へイザナってくれる。まさに、この時期にしか味わえない極上の秋の香りを楽しんでいる。特に狭い空間の中では一層、香りが引き立つのでクルマに1個乗せてある。以前、人工的な香りの芳香剤を使って、その甘ったるいイヤな香りに辟易して捨てて以来、クルマに香りを乗せたことはなかったが、自然そのもののカリンの香りでα波出っぱなし状態。

パーラーについて考える

 タイトルが「小沢昭一的こころ」になってしまったぁ・・・

 札幌で生まれた私は、丸井さんの裏に住んでいた。今の丸井新館が建つ場所で、本館と新館の仲通りにあたる。その路地には蕎麦屋さん、映画館があり、大通公園には砂場があってテレビ塔はなかった。遊び場といえば砂場と丸井さんの地下売り場だったらしいが、小さい頃でほとんど記憶がない・・・

 この私が、どことなく自他共に認める?シティボーイの雰囲気を醸し出しているのは、「御幼少のみぎり」を大都会のド真ん中で過ごしたという生い立ちのせいなのかもしれない。(どこが?)

 小学校に上がる前、田舎へ越してきたこともあり、夏休みや冬休みに父親の出張に付いて札幌へ連れて行ってもらった。必ず、駅前の「パーラーにしりん」でポークカツランチを食べ、富貴堂(本屋)へ行くのが、お決まりのコース。このポークカツランチ、ご飯の上にザク切りのトンカツが乗りデミグラスソースがかかっていてフォークで頂く。分厚いマグカップに温かいコンソメスープが付いてくる。当時、トンカツなんて年に何回も食べられないご馳走だったし、ソースといえばウスターソースしか知らない子供にとって、デミグラスソースは、まさにここでしか口にすることの出来ない洋食の味。それがデミソースというものだったと知ったのも、大人になってからのこと。あの頃は世の中に、こんな旨いモノがあるのかと毎回感動しながら食べていた。洋食を口にして都会の本屋で時間を過ごすことが、田舎の子供に文化の香りをプレゼントできる良き時代だった。

 今、パーラーといえばパチンコ・パーラーを意味するようになってしまったが、昔懐かしい札幌駅前には、パーラー西林(にしりん)、雪印パーラー、パーラー石田屋、パーラーフジヰと都会の香りを醸し出すレストランや喫茶が軒を並べていた。辞書によると"Parlor"には、応接間とか客間の他に「茶の間」という意味もある。家族団らんで「くつろぐ場」としてのパーラーについて考えていたら、思い当たったことがある。名古屋の「コメダ珈琲」こそが、現代のパーラーなのかもしれない。以前、訪れたときに感じた「日常の中にあってナニかが普通じゃないけど、これが名古屋の文化なの?」という疑問が、今やっと理解できたような気がする。

ツケメン

 美形な男をイケメンと呼ぶ。「イケてる面(つら)」という意味でイケメンはOKだが「イケてる男」を指すのであればイケマンのはず。X-メンのメンバーだって、個人になると単数形でX-マン。

 そんなこたぁどうでもイイが、顔立ちに関するスラングは数多い。ビミョメン、フツメン、カッコメン、キモメン、ブサメン、グロメン、ジミメン、オタメン、シケメン、ダサメン、ショボメン、ザコメン、カユメン、ブタメン、ガチャメン、オガメン、ゲロメン、ゲリメン、カスメン、ゴミメン、グチャメン、ボロメンなどなど。

 これじゃぁ、まるでラーメン屋のメニューのようだ。もっとも、ゲロメンとかゲリメンなんてのは喰いたくもないが・・・

 そういえば昔、札幌にザーメンという食べ物があった。札幌駅近くにあったパーラーだが、1階が喫茶、2階が食堂で階段を上がる途中にショーウィンドがある。ラーメンらしきモノが並んでいる傍に品書きがあり「ザーメン(雑麺)」と書いてあった。きっといろんなモノが雑然と入ってる麺なのだろうが、口に出して注文するのも恥ずかしく、一度も食べたことがない。今なら平気で若くてキレイなウェイトレスさんに向かって「オネエさーん、ザーメン大盛り1丁!」と大声で注文できそうな気がするが、もうすでにその店はない。

 話が逸れたが、最近は、ナニかをする男を○○メンと呼ぶらしい。女性における「○○美人」「美しすぎる○○」と同じようにモテハヤされている。イクメンというのは育児に積極的な男だそうで、高齢者介護を積極的に行なう男はケアメン。

 なんでもかんでもメンをつけりゃイイってもんじゃないが、私のようにキノコに魅了された男は、キノコメンと呼ぶのだろうか。ラーメンが好きな奴はラーメン、感じやすく早く漏れちゃう奴はソーメン、痔に苦しんでる奴はGメン、謝ってばかりの奴はゴメン・・・

 これから、私は大根を干して漬け物の準備をはじめるが、さしずめツケメンと呼んでくれ。

紫色のキノコ

 久しぶりのキノコの畑は、大豊作でムラサキシメジが真っ盛り。固まって生えていたり、列をなして生えている。寒い時期に出るので虫食いが少なく、収穫量が多い。

 ムラサキシメジは土臭く、好みの分かれるところだが、どちらかといえば嫌われるタイプのキノコ。食べるにしても必ず茹でこぼさないと、かなり土臭く感じる。これをホコリ臭いと表現する人もいる。私が思うに味噌汁には合わないが、炊き込みご飯にすると「私はキノコ」という味を強く主張するので本領を発揮する。また、薄くスライスして吸い物の実にしたり、甘辛く煮しめたり、茶碗蒸しの具にすると旨い。基本的に醤油味が馴染むような気がする。加熱しても紫の色は変わらないので、パスタなんかに使うと美しい食材になる。幼菌は濃い紫色で、成菌になると薄くなってくる。

 

山の恵みに感謝

 我が家の冷凍庫に眠るオールスターキャストによるキノコ鍋。山荘で採れたアイシメジ、シモフリシメジ、アカモミタケ、ボリボリ、キヌメリガサにムラサキシメジ、冷蔵庫に眠っていたスーパーのブナシメジにシイタケ。豚しゃぶ肉と長ネギを入れたら醤油と日本酒で味をつけるだけ。キノコのヌメリでトロトロになったスープは、滋味・旨味が洪水のように押し寄せてくる。

晩秋は、もの悲しく

 街中の紅葉も盛りを過ぎ、雪虫が飛びかう季節。景色の中に雪虫を撮影するのは至難の業。

 

 ユキノシタとムラサキシメジは、晩秋を告げるキノコ。

 実が割れ、顔を出したコブシの種。割れる前は、なんとも卑猥な色カタチをしている。ピンク色でゴツゴツした棒状。コブシの実は下向きに垂れ下がっているので、まだイイが、同様の白木蓮の実は上向きで大きいので、より卑猥な感じが・・・

 

ああ、衝動買い

 

 使用不能になったデジカメの後継機選び、とにかく丈夫なのがイイ。「防水・耐久性」がキーワード。が、エヴェレストへ持って行くわけでも、マリンスポーツをやるわけでもないので、機能性オンリーの無骨なのはヤダ。結果、左上のサイバーショットTX10に照準。

 防水といっても「雨に濡れてもOKよ」というレベルじゃなく、水深5メートルまで潜って写真が撮れるらしい。カナヅチの私が持つにはモッタイナイが、お風呂で写真を撮ったら楽しいかも(イヤーン)。そのうえ、防塵、耐衝撃、耐低温。1.5メートルの高さから落としても壊れない。-10度の中でもシャッターが降りるらしい。しょせん、芸術作品を狙うわけじゃなし、そこそこキレイな写真が簡単に撮れて丈夫であればイイというレベルの私にはピッタリ。

 そこで、ネットで注文すべく最安値のショップを探していると、なんとあのソニーのバイオが破格の値段で・・・

▼ ソニー VAIO Zシリーズ ▼ 液晶 13.1型ワイド
▼ Core i5-560M(2.66GHz) ▼ SSD 128GB ▼ メモリ 4GB
▼ Office Home&Business 2010 ▼ DVDマルチドライブ
▼ Windows7 Home Premium 64ビット ▼ ¥114,900

 去年の型落ちらしいが、このスペックで、この値段には驚いた。「在庫わずか・売り切れゴメンの在庫処分品」と書かれていた日にゃ、アータ、思わずポチッと注文しちゃったよぉ・・・

 あれ、え、いや、あの、その、私はカメラを買いに来たはずなんだけど・・・

カメラ型電動・・

 カメラの調子が悪い。レンズカバーをスライドすると、電源"on"でカメラ本体がブルブル震え出す。それも生半可な振動じゃなく、かなり強力。まるでバイブレーター。言い換えると、カメラ型電動コケシに生まれ変わってしまった。

 内蔵のモーターが原因らしく、接触が悪いと暴れ出す。その頻度が高くなり、今では10回のうち9回はカメラとしての用を為さない。振動する以外は、液晶パネルも生きているのでモニターできるが画像が揺れてナニがナンだかワカラナイ。とりあえず写してみると・・・

 これじゃあカメラとして役に立たず、あとはマッサージ器として生きてゆくしかないようだ。もともと息子のお古を譲り受け、塗装が剥げるほどタフな使い方をしてきたのだからショウガナイ。おシャカになったサイバーショットT9の遺影を携帯のカメラで撮ってみた。

 

 だからといって、携帯電話をカメラ代わりにしようとは思わない。やはり、カメラはカメラ。単なる道具だが、それだけではないコダワリがあってもイイ。長年、連れ添ってきたT9だけに愛着はあるが、ここが替え時。次は、ナニにしようかなあと考えるだけで楽しくなる。

The Look Of Love - Diana Krall

 イアン・フレミングの小説「007シリーズ」最初の作品は、カジノ・ロワイヤル。過去に2度映画化されているが、1967年版はドタバタ喜劇のため、映画としての「007シリーズ」には含まれていない。当然、ショーン・コネリーもロジャー・ムーアも出てないが、オーソン・ウェルズ、デボラ・カー、ピーター・セラーズなど名優が並ぶ。なんといっても、バート・バカラックの音楽がイイ。なかでも珠玉の名曲は、"The Look of Love"(愛の面影)。ダスティ・スプリングフィールドが歌ってアカデミー賞にノミネート。翌年にはセルジオ・メンデスの歌がヒットした。

 この曲のマイ・ベストは、なんといっても "ダイアナ・クラール"。

 2006年版カジノ・ロワイヤルは、映画「007シリーズ」21番目の作品。ボンド役にはダニエル・クレイグ。主題曲にクリス・コーネルが起用され、"You Know My Name"を歌った。映画は面白かったが、この曲は、あまり流行らなかったなあ。

キノコに恋して

 キノコ狩りは、タイミング。そのときの天候・気温により出る種類も違えば成長度も変わる。小さな幼菌を見つけ、1週間後に採りに行くと、もう朽ちかけていたりする。

 キノコ狩りの魅力は、「姿形を愛でること・発見する喜び・食感と旨味」の三つである。少し格好つけて言わせて貰えば、キノコ初心者の私にとって一番は好奇心・探求心が満たされることにある。もともとが、ラクヨウキノコしか知らずに育った私は、毎年、ラクヨウの時期が終わると、あとは寂しく無名のキノコを横目で眺めているばかりだった。それでもここ何年かで、ハナビラタケやキヌメリガサ、ムラサキシメジを覚えたが、それも偶然見つけたモノを採ってきて調べた結果、わかったに過ぎない。まだまだ沢山の種類のキノコが山荘の周りに生えている。

 今年、これほどキノコ狩りに目覚めたのは、ラクヨウを探していて、たまたま見つけた別の小さな可愛いキノコを目にしてから。見た目に旨そうなそのキノコは、たしか図鑑に載っていたような記憶があり、持ち帰って調べてみたところニセアブラシメジという食べられるキノコであったことに始まる。自信もなく、不確かな状況で口にしたキノコの味もさることながら、毒じゃなく「食べられるキノコを発見した喜び」そして「そのキノコの名前を知った喜び」に感動した。言ってみれば、昨日まで知らなかった事実を自らの手で勝ち取った喜びと言い換えてもよい。

 以来、積極的に図鑑で調べながら、未知のキノコを採り続けている。中にはもちろん毒キノコもあるが、それが毒であるということがワカルだけでも楽しいし、食べられるモノならなおさら嬉しい。

 寝ても覚めても、明けても暮れてもキノコのことばかり考えている。まるで私は、キノコに恋をしているようだ・・・

 そんな楽しいキノコの季節も終わりに近づいている。今日、シモフリシメジを見つけた。名前の通り、霜が降りるほど寒くなると出てくるらしい。これから、ムラサキシメジ、キヌメリガサと続き、山荘は雪に埋もれ、私の恋の季節は幕を下ろす・・・

 左がアイシメジ、右がシモフリシメジ。

勘違いの思い込み

 シャツやアウターは「Eddie Bauer」、チノパンは「Dockers(2007日本撤退)」のクラシック。というのが私の定番だったが、ついに上から下まで「Uniqlo」に染まってしまった。

 孫の冬物を探しに行ったついでにユニクロで、買うアテもなくウロウロ。目につく値札の安さにビックリ。だからといって何が欲しいわけでもなくブラブラしていると、壁一面といっていいほどに大きくレイアウトされた何枚ものポスターが目に映る。これがまた「黒木メイサ」や「高良健吾」ら素敵なモデルさんが決めのポーズで写っているのだから、とにかくカッコイイ。体型がスリムで脚は長く、現実離れした美しすぎるスタイルは見ているだけで惚れ惚れしてしまう。その上、黒木メイサの目線が常に私をとらえて放さない。(そう見えるんだからショウガナイ)

 こうして黒木メイサに見つめられながら店内を一周していると、彼女と同じモノを着たり高良健吾と同じパンツを履いたら自分も脚が長くカッコ良く見えるような気がしてくるから不思議だ。

 思い込みとは恐ろしいモノで一度そんな気が芽生えると、それはスグに信念へと生まれ変わり、そのことに何の疑問も持たなくなる。都合よくというか偶然というか、たまたまそこに陳列されている同じパンツを手に取るとタグに【すっきり見えるシルエットにこだわったパンツ。[脚長効果]:(中略)~脚が長く見えます。[立体設計]:(中略)~ヒップ周りがすっきり見えます。】と書いてある。

 そうなんだ。脚が長く見えてヒップ周りがすっきり見えるらしい。この際、着る人の体型に関係なく、そう見えるんだろうと思い込んだまま試着室へ向かい、結局、同じ型のパンツの色違いを3本も買ってしまった。カッコエエぞぉ。

シナモンは万能薬

 世の中、身体にイイと云われるモノが溢れている。テレビのCMや雑誌の広告にノセられて、いろいろと試した経験も豊富だが、いまだに続いているモノは一つとしてない。茶の間の棚には、シジミのナントカや休息アミノ酸のナントカ、ブルーベリーのナンタラが、開封後、期限切れのまま放置されている。高価なモノもあり、なんともモッタイナイかぎり・・・

 そんな中、またまた家内がテレビ番組から知識を得てきた。今までと同じパターン「○○にイイらしいよ」のごとく「高血糖に効果があるんだって」と云われて、試しているのが "シナモン"。シナモンは、血糖値を下げるらしく、毛細血管の老化を防止するとのこと。そこで、インターネットで調べてみた。

 「シナモンパウダーの効能」

 ↑上のサイトを読んでみると、シナモンの効能は絶大だ。循環器・消化器・神経・内分泌・代謝系・泌尿器・関節・アレルギー・感染症・生殖器から癌にまで、なんにでも効くらしい。これを読んでいるかぎり、シナモンで治らない病気はないようだ。

 これは、これはイイことを聞いた・・・

 日頃から血糖値が高く食生活にヤイノヤイノ言われている私は、それ以来、堂々と家内の目の前で「シナモンたっぷりのアップルパイ」や「甘ーいシナモンロール」に「甘ーいシナモンミルクティー」を堪能している。今夜も「シナモンケーキ」が焼き上がったところ。シナモンレシピは、まだまだありそうで、アップルパイ、シナモンドーナツ、シナモントースト、シナモンロール、シナモンクッキー、シナモンプリン、チャイ、カプチーノ、シナモンケーキ、シナモンミルクティー、八橋、ニッキ飴などなど。こんなに食べても、血糖値が上がらないとは夢のようだ。恐るべしシナモンの効果。

キノコたっぷり麺

 たいてい、昼は麺類を頂く。冷たい蕎麦がほとんどだが、めっきり涼しくなったこの頃は、キノコたっぷりの「にゅうめん」が旨い。

 鶏肉、アイシメジ、アカモミタケ、ボリボリを煮込んだ出汁に三ツ葉を散らして。なんかこう、ホッとするね・・・

 この幸せを誰かと分かち合えたらイイなあと思うのだが「知らないキノコは、採らない・食べない・人にあげない」というのが、キノコ食中毒予防の3原則だそうだ。もちろん、知らないキノコを食べることはないが、間違ってヤバイのが混じってる可能性もあるわけで、自分が採って食べるのは自己責任だが、私の善意のせいでアソコに激痛が走ったと言われても責任取れないしなあ。

Sea Side Woman Blues

 昨日、ラジオで前川清が唄うこの曲を聴いた。サザンの曲をカバーする前川清に違和感がなかったのは、この曲の演歌っぽい雰囲気のせいかもしれない。

 演歌に限らず、日本語の唄の歌詞には惚れ惚れするモノがある。「わがままはオトコの罪、それを許さないのはオンナの罪♪」なんてのを聴くと「そうだ、そうだ!」と声援を送りたくなってくるし、「後ろから前からどうぞ♪」なんてのを聴くと「そうかい、それじゃお言葉に甘えて」と、一歩前へ出たくなってしまうモノまである。

 そして、この曲にもアルアル。2番の歌詞のアタマ。

 ♪ "愛"という字は真心(まごころ)で
 ♪ "恋"という字にゃ下心(したごころ)

 たしかに「愛」という字を分解すると、相手の「心」を「受」け入れると書き、「恋」という字は「亦(また)」の下に「心」と書く。恋というのは、相手を欲しいと求め合う気持ちなのだから下心なくして語れないが、文字でいうこの「亦」は「股」ではなく「亦とない」という使われ方をするので「亦とない心=二つとない心」という美しくも正しい純粋な下心になるようだ。(そんなモノぁ見たことがない)

 マタも含めて相手のスベテを欲しいと願う下心。なんたって、純粋であろうがなかろうが、下心は「トキメキ」エネルギーのミナモト。いつまでも持ち続けていたいと思っている。で、今は、何にトキメイているかといえば、やっぱりキノコかなあ。

 キノコの魅力に取り憑かれてしまった私は、暇さえあればキノコ図鑑を眺めて暮らしている。

アソコの激痛

 雨の中のキノコ狩り。図鑑を開けないので、旨そうに見えるモノは手当たりしだい籠に入れる。結局、ほとんど捨てるのだが・・・

 というか、毒キノコのことも知らなければ命に関わるので、詳しく調べようとワザと持ち帰ったモノもある。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」、相手の何たるかを熟知して克服しようという糖尿病のハウツー本に刺激されて、キノコ毒の害を調べてみた。

 イヤー、恐ろしいわあ。知れば知るほどキノコの毒が怖くなる。もし間違って食べて「アソコ」に激痛が走ったらなんて考えると、チャレンジどころかキノコ自体が食べられなくなってしまう・・・

 とは言いながら、まだ「アソコ」に激痛が走らないのをイイことに今夜もキノコ三昧の幸せな食生活を送っている。

●ドクササコ(毒):別名・ヤブシメジ、ヤケドタケ
 

 成長すると漏斗状になりカヤタケなどに似ているので、間違いやすい。これを食べると「地獄の苦しみ」を味わうらしい。

 食後3~4日すると手足の先に焼火箸を刺されたような痛みが広がり、火傷のように火ぶくれする。身体の末端部分全てに激痛が走るというから、オトコの場合は当然アソコも・・・(オー、痛そ!)

 その上、この症状は昼夜休むことなく1ヶ月以上も続くんだそうだ。成人では、死に至ることは稀だというが、それなら、いっそ死んだ方が楽かもしれない。コイツだけは、絶対口にしないぞ!

●ウスタケ(毒):特徴的なラッパ型

 持った手触りが堅めなので、歯ごたえが良さそうに思える。食べて7~8時間ほどすると、ムカつき・吐き気・下痢をもよおす。毒は茹でこぼすと消えるという説もあるが、試してみようとは思わない。「疑わしきは食せず」がキノコ狩りの鉄則・・・

●ドクベニタケ(毒)

 傘は鮮やかな赤色、ヒダと柄は白い。サークル状に輪になって生えることもあるが、この輪のことをヨーロッパでは、「フェアリー・リング(妖精の輪)」と呼ぶらしい。この輪の中に入ると妖精の世界から二度と帰ってこれなくなると言い伝えられている。ひょっとしたら毒にやられて、妖精の幻覚を見た人がいたのかも・・・

●下の二つは、図鑑で調べてもワカリマセン。
 

●ホテイシメジ(注意):別名、チョコタケ

 傘は漏斗状。このキノコを食べると、身体の中でアルコール分解酵素を一時的に壊してしまうので、アルコールを飲みながら一緒に食べると中毒を起こす。

▼ホコリタケ(幼菌は可食):別名、キツネノチャブクロ

 若いキノコは、中が真っ白でフワフワしていてハンペンのようだ。頭の部分の皮を剥きスライスしてバターで炒めて食べたことがある。旨くも不味くもない。かといって歯触りを楽しめるかといえば、そうでもない。特に食べたくなるような代物ではない。

 古くなると、褐色を帯びた茶色になり、踏んづけると頭のてっぺんの穴から煙のような胞子を吹き出す。これがホコリのように見える。完熟したモノを乾燥して漢方薬に用いるらしい。

▼タマゴタケ(食菌)
 

 また今日も見つけた貴重な1本。早速、炙って噛みしめて頂いた。上品な味わいなのだが、たった1本だと、ナンかモノ足りない。出来ればまとめて10本くらい口に入れて噛みしめてみたい・・・

▼ノボリリュウタケ(食菌)

 先日も1本見つけた。ヨーロッパでは食用にされるらしいが、まとめて採れるわけでもなく、たった1本を調理するのも面倒で、いつも捨てている。味を想像すると、癖がなくて歯切れが良さそう・・・

▼食生活を豊かにし、我が家の家計を助ける本日の収穫

 奥左からボリボリ、アイシメジ、ラクヨウ。その手前左から猫の舌、チョコタケ、ニカワハナビラタケ、アカモミタケ。一番手前左タマゴタケ、右オオツガタケ。

 今夜の食卓には、焼きタマゴタケ、ボリボリとオオツガタケの味噌汁、旨かったなあ・・・


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