パーラーについて考える

 タイトルが「小沢昭一的こころ」になってしまったぁ・・・

 札幌で生まれた私は、丸井さんの裏に住んでいた。今の丸井新館が建つ場所で、本館と新館の仲通りにあたる。その路地には蕎麦屋さん、映画館があり、大通公園には砂場があってテレビ塔はなかった。遊び場といえば砂場と丸井さんの地下売り場だったらしいが、小さい頃でほとんど記憶がない・・・

 この私が、どことなく自他共に認める?シティボーイの雰囲気を醸し出しているのは、「御幼少のみぎり」を大都会のド真ん中で過ごしたという生い立ちのせいなのかもしれない。(どこが?)

 小学校に上がる前、田舎へ越してきたこともあり、夏休みや冬休みに父親の出張に付いて札幌へ連れて行ってもらった。必ず、駅前の「パーラーにしりん」でポークカツランチを食べ、富貴堂(本屋)へ行くのが、お決まりのコース。このポークカツランチ、ご飯の上にザク切りのトンカツが乗りデミグラスソースがかかっていてフォークで頂く。分厚いマグカップに温かいコンソメスープが付いてくる。当時、トンカツなんて年に何回も食べられないご馳走だったし、ソースといえばウスターソースしか知らない子供にとって、デミグラスソースは、まさにここでしか口にすることの出来ない洋食の味。それがデミソースというものだったと知ったのも、大人になってからのこと。あの頃は世の中に、こんな旨いモノがあるのかと毎回感動しながら食べていた。洋食を口にして都会の本屋で時間を過ごすことが、田舎の子供に文化の香りをプレゼントできる良き時代だった。

 今、パーラーといえばパチンコ・パーラーを意味するようになってしまったが、昔懐かしい札幌駅前には、パーラー西林(にしりん)、雪印パーラー、パーラー石田屋、パーラーフジヰと都会の香りを醸し出すレストランや喫茶が軒を並べていた。辞書によると"Parlor"には、応接間とか客間の他に「茶の間」という意味もある。家族団らんで「くつろぐ場」としてのパーラーについて考えていたら、思い当たったことがある。名古屋の「コメダ珈琲」こそが、現代のパーラーなのかもしれない。以前、訪れたときに感じた「日常の中にあってナニかが普通じゃないけど、これが名古屋の文化なの?」という疑問が、今やっと理解できたような気がする。

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