ウッジョブ(WOOD JOB)

倒木

倒木 倒木

倒木 倒木

 今年も何度か台風や爆弾低気圧が吹き荒れた。背が低い細い木にはほとんど影響ないが、強い風が吹くと大木が倒れる。特に大きく育った背の高い木は、モロに風の影響を受け根こそぎ倒れることもある。倒れた木は放置しても、そこに新しい種が芽吹き古い木は朽ちて「倒木更新」が行われる。それには長い年月がかかるわけで、美林化計画進行中の野花南山荘では景観を損なわないよう倒木を伐採している。

 旧いチェンソーは、値段に比例して「かかりにくいわ、すぐにオイルが切れるわ、切れ味が悪いわ」などなど効率が悪すぎるので、大枚叩いてプロユースの新しいチェンソーを手に入れた。さすがに新品は全くの別物。エンジンの排気量が大きく格段に馬力がアップ。どんなに太い木でもラクラク伐れてしまう。倒木に限らず間伐のため、毎日そこらじゅう伐りまくっている。

 とはいえ、何でもかんでも伐り倒すわけではない。事前に伐るべき木を選定し幹に色付きのビニール紐を巻いて結んでおく。こうすることで効率よく間伐できるが、伐ったあとの材の始末が大変。長く重い材を人力で運び出すには無理があり、とりあえず、その場で薪の長さに玉切りしている。これを運び出すのが一苦労。来る日も来る日も、馬車馬のごとく力仕事に明け暮れている。重労働のあとの熱い風呂と冷えたビールに至福のときを感じる今日この頃。

一夜明けて冬景色

山荘の秋

山荘の秋

山荘の秋

 予報通りの雪。中途半端な積もり方なので、一面銀世界とはいえないが寒いことは寒い。これからチェンソーや鉈が活躍する季節だが、今日は雪の積り具合を確認するにとどめる。作業はしないが、暖を取りコーヒーを淹れるためだけにストーブを焚く。パチパチと薪のはぜる音を聴きストーブに手をかざしながら飲むコーヒーは、心もカラダも温めてくれる。

薪ストーブ

山荘の冬支度

 天気予報では明日が雪、平野部でも積もるらしい。午後4時半を過ぎると陽が落ちはじめ5時には真っ暗になる。ギリギリまで作業して雪囲いなどの冬支度を間に合わせた。孫の記念樹などをコモ巻きにする。雪解けの季節に鹿が新芽を喰いに来るのを防ぐため、その外側に防獣ネットを張り巡らす。

山荘の秋

山荘の秋

山荘の秋

山荘の秋 山荘の秋

山荘の秋 山荘の秋

人生の秋

人生の秋

 完全防寒対策で山荘へ行く。この時期、雑草の成長は遅く、ほとんど草刈りを必要としないが落ち葉が降り積もり散らかり放題。あまり美しい景色とはいえない。葉の落ちた木々を眺めていると、人生も秋を迎えたようで寂しい気分になる。

 ヤルべき仕事は沢山あるが急ぐわけでなし、ストーブにあたりながら休憩する時間のほうが長い。というか、一度ストーブにあたり始めるとなかなか離れがたくなる。ストーブ脇の自作ベンチに腰掛け、ただボーッとしている。ただそれだけが目的のように座り続け、来し方に思いを馳せる。最近のこと、少し前のこと、昔のこと。いろいろ想いは廻るが、行く末にまでは及ばない。

 こうして過ごす時間は、落ち着いて静かに流れていく。寂しいのかといえば、幸せな気分に満ち足りている。今、自分は人生の秋にいる。

ストーブが恋しい季節

桜の紅葉

 暑さ寒さも彼岸まで、文字通り秋分の日を過ぎると一気に秋が深まる。最低気温5℃前後、最高気温20℃以下にもなると、朝晩はポータブル石油ストーブで暖を取っている。いずれボイラーを焚いて全室温風暖房にするのだが、ハイオク仕様4,000ccトラックにガソリン代がかさむので、今のところ灯油の消費にはエコを心がけている。

 山荘では、紅葉のあと木々の葉が落ちはじめ、枝を払うには格好の季節。ナタを片手に手の届く範囲の背丈まで枝を払う。カラマツやトドマツがほとんど。広葉樹の雑木は太いのを除いて根元で切り倒す。こうして林の中に陽が入り明るくなるのだが、払った枝を片付けるのが一仕事。チッパー(粉々に粉砕する機械)があると便利だが先立つものが。しょうがなく拾って、まとめて積んである。薪割りが必要なほどの太い樹を伐採することはないが、伐った細い木はチェンソーで切りそろえ薪棚に。眺めているだけで温もりを感じてしまう。

薪

雪虫@大荒れ前日

雪虫

 デジカメのセンサーが壊れ、ホワイトスポットが見えているわけではない。白くポツポツ見えるのが雪虫。

 雪虫は冬の季語。北海道では雪虫が飛ぶと、平均して22日後には初雪が降る。ただし、「雪虫が飛ぶと雪が降る」というのは、人間から見た現象。雪虫には冬の訪れを感じる能力があって、まさに「虫の知らせ」で本能のままに飛び始めているのかも。今日の午後、山荘でも大量に飛び始めた。

 体を綿に覆われている雪虫は、風の強い日には飛ぶことができない。移動性高気圧に覆われ風が弱くなった時を見計らって飛び始めるらしい。高気圧が通り過ぎると強い冬型の気圧配置になり、雪が降りやすくなる。「雪虫が飛ぶと雪が降る」というのは、この自然のサイクルによるもの。それにしても、どのようにして微妙な季節の変化を嗅ぎ分けるのだろう。不思議がいっぱい。

 今夜から急速に発達する爆弾低気圧や前線の影響で北海道は大荒れ。明日は屋外にいるのが危険なほどの猛烈な風が吹くらしい。果たして、どれだけ生き延びられるのだろう。

オオカミよ再び

 何日か続いた雨が上がり、気温も下がり絶好のキノコ狩り日和。今年の山荘はアカヤマドリタケの当り年らしくアチコチに顔を出している。旨いキノコなので虫も好んで喰う。大きな傘は割ると真っ白でふわふわのパンのようだが、大きなものにはたいてい虫がいる。先日のポルチーニは陽に干して乾燥してあるので、アカヤマドリは無視。

 キノコ狩りの魅力の一つは、見つける楽しさ。目を凝らしながら散策していると、いままさに殻を破って顔を出そうとしているタマゴタケの幼菌を見つけた。あまりにも可愛らしく食べるにはまだ早いので写真撮影のみ。その側に見つけたのは、ゴルフボールのように小さく真っ白なテングタケの幼菌。もちろん食べられない毒キノコなので写真撮影のみ。

タマゴタケ幼菌 テングタケ幼菌

 今年2度めの遭遇、ハナビラタケ。このキノコは、白くて大きいため遠くからでもよく目立つ。まるでウサギがうずくまっているように見える。美味もさることながら、免疫力を高める天然の薬効キノコ。見つけるタイミングによって、朽ちてボロボロ状態だったり出始めで小さ過ぎたり収穫には運が作用する。

ハナビラタケ

 枝豆の実が充実する前に何者かに葉を喰われてしまった。ミカドフキバッタやコガネムシの被害にしては極端すぎる。鹿かキタキツネかアライグマによるものと思うが、今ひとつ足跡がハッキリしない。ジャガイモ畑と違ってキチッと防獣ネットで囲ったはずだが、キツネやアライグマならネットの下を潜って侵入できるし、鹿であれば、上を飛び越えることも可能。

ミカドフキバッタ コガネムシ

枝豆獣害 やはり、山の中での畑作はナメたら泣きをみる。とはいえ、これ以上の獣害対策といえば電気柵や完全ハウス栽培。ただ、キツネやアライグマは電気柵の下を通り抜けるらしく、ビニールハウスを建設するには営農を目的としない私にはコストパフォーマンスが悪すぎる。昔、同じ場所にブドウ畑が広がっていた頃には、電気柵など見たこともなかった。獣害の心配もなく人は人、獣は獣という棲み分けがなされノンビリした世の中だったが、いつの頃からか人里にかぎらず山の中まで住みにくくなってしまったようだ。

 それでも何年か前まで、ジャガイモだけは鹿の害を受けなかったこともあり、防獣ネット外で育てたのだが、結果的に、ほとんどの葉を喰われ茎だけという悲惨な状態。この状況から察するに、鹿ではなく最近全道に勢いを増しているアライグマの可能性が高い。あらいぐまラスカルの人気でペットとして飼われ、逃げたのか捨てられたのか野生化し自然繁殖しているらしい。一時期、このあたりでも野生化したミンクが増え、山荘の池に棲む鯉が全滅する被害にあったことがある。最近、見なくなったのは、何らかの天敵に駆除されたのかもしれない。いずれアライグマも同じ運命をたどるのだろうか。ラジオで聴いたが、増えすぎた鹿対策やヒグマ対策には、オオカミを山に放すことが一番の解決法らしい。ただ、北海道では絶滅してしまったのでヨーロッパから連れてくるという具体的内容。いつか実現して、獣害から開放されることを願っている。

そろそろ収穫の秋

 暑い日が続いている。岐阜県多治見市では40度近くにもなるらしい。それに比べれば、ここ北海道は大したことはないとはいえ笹を刈ったり草を刈ったりすると汗が吹き出す。アブやハチ対策に長袖オールインワンの作業衣で完全防備の私が山仕事を始めるのは、日中で一番暑い昼過ぎからなので余計に暑い。とはいえ、暑さ寒さも彼岸までの例えの通り、あと2週間もしてお盆が過ぎると涼しくなる。

 今年の夏グミは、開花時期が寒かったせいか雨が多かったのか不作の年。恒例のグミジャム・グミ酒の仕込みができなかった。今、採れるのはブルーベリー。熟すと、ほとんど酸味のない甘い実になり私にとっては少々物足りない。

ブルーベリー ブルーベリー

 今年初めてのキノコの収穫、ハナビラタケ。この何日かの雨のせいか、今年は少々早め。「幻のキノコ・次世代のキノコ・免疫キノコの王者」。β1-3Dグルカンが多く含まれ、末期ガン患者にも効くらしい。今のところ、私は大丈夫なので大切な人にあげようと冷凍保存した。

ハナビラタケ

 そして、ジャガイモ。まだ、実のなりは小さいが茎が倒れ始めたので何箇所か試しに掘ってみた。大きなものは茹でて食べるが、親指の先ほどの小粒な新ジャがをそのままじっくり揚げてフライドポテトにする。ほとんど商品では手に入らない大きさなので、まさに収穫した時だけ頂く贅沢な山の味。

メークイン新ジャガ

権兵衛が種まきゃ

 山荘の境界線に沿って、何キロにもわたって延々と鹿害対策防獣用電気柵が張られている。山荘内から鹿が外に出て近隣の農家に迷惑をかけないようにするため。ということは、山荘の境界内には鹿が住んでいて、まるで鹿を飼っている状態。

 過去にトマトやトウキビなど植えてみたが、すべて生育途中で鹿のエサになってしまうので、畑作は諦めていたが、どういう訳かジャガイモだけは荒らされることなく収穫することが出来た。イモは連作はダメらしく植える年と休耕する年を繰り返していたが、今年は笹刈りで開けた土地が出来たので広い面積で種芋を植え付けた。これだけの広さに旨く実ると、とんでもない量のジャガイモが収穫できる予定だが、あくまで獲らぬ狸のナントカ。

 

 どれだけ大量に採れてもジャガイモだけではツマラナイ。どうしてもトウキビや枝豆を植えてみたいので、50メートルの防獣用ネットを買ってきて畑の周りに貼ってみた。この畑にはジャガイモ以外の作物を植え、ジャガイモは露地でネット無し。結局、ネットに囲まれた2面の畑にトウキビ、枝豆、インゲン、白菜、キャベツ、レタスを植えた。すべて種からなのでどれだけ発芽するかわからないが、宝くじよりは確率が高いだろうと踏んでいる。

 しかし、電気が流れないネットで果たして鹿に対抗できるのかどうか、権兵衛さんは毎日心配している。

山荘の新しい仲間たち

 

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