秋の風物詩

野花南山荘の効用 雪虫

 暑い暑いと云っていた今年の夏だが、一気に秋が来て、もうすでに山荘では雪虫が飛ぶ季節。水彩絵の具を薄めるような季節の移り変わりというボカシ効果もなくストンと秋になり、いきなり冬を迎えるという慌ただしさを感じている。62才になると、時間は時速62キロという早いスピードで流れる。歳を重ねる度に時間の流れが速くなり、季節の微妙な変化を感じる間もなく歩き続けているのかもしれない。

大根干し 久々に晴れ渡り、気持ちの良い青空が広がる。ベランダに干した大根も雨よけのブルーシートを外し、おもいきり陽に当てる。このまま干し上がると、来週には漬けられそうな気配。今年も旨い玄米漬けが食べられる。毎年繰り返される秋の慣わしだが、こうして今年も続けられることに感謝。

 感謝と云えば、毎年、長野から送られてくるカリン。今年も信州の香りを乗せて我が家へやってきた。1年に1度味わう贅沢な秋の香り。玄関を開けるとウットリする芳香が私を迎えてくれる。香りを言葉で表現するのは難しいが、優しく甘く爽やかな桃のようなマンゴーのような。この季節にだけ届く花梨は、天高く澄み渡る秋の空のイメージと重なり、清々しい気持ちにさせてくれる自然のアロマテラピー。これから2~3ヶ月は、この贅沢な香りが我が家の家族を幸せにしてくれる。今夜から、枕元に置いて甘い香りの夢を見ようと思う。

 落葉松林でも冬が近いのを肌で感じるのか、焦るがごとくシメジ類が所狭しと群生している。アイシメジが終わりシモフリシメジの出番。これを採り始めるとカゴがイッパイで持ちきれなくなるので、次に持ち越し。今日の成果は、アイシメジとアカモミタケ、ラクヨウとムラサキシメジ、ジナメコ。今夜は早速、炊き込みご飯とキノコの味噌汁を頂いた。 香りで幸せを感じ、味で幸せを噛みしめる。北国の短い秋を満喫している。

カリン アイシメジ、アカモミタケ、ラクヨウ、ジナメコ、ムラサキシメジ

音色の違いを聴きわける

 Wes Montgomery がピックを使わず親指1本で奏でる「Gibson L5」。私の一番好きなジャズ・ギタリスト「ウェス・モンゴメリー」の愛器。あの音色に憧れて、いつの日か手にしてみたいと夢見てる。お気に入りのアルバムは、なんといっても「フルハウス」。何度聴いても血湧き肉躍る興奮のルツボ。レコードに針を落とした瞬間、もうそこはクラブ・ツボ。そこには熱気溢れるライブハウスの聴衆と化した自分が居る。マイレコードコレクション中、10本の指に数えられる名盤。同じウェスでもA&M移籍後の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のようなイージーリスニングも嫌いではないが、やはりウェスはハードバップが輝いている。

 「フルハウス」では、ギブソンの「L5」を弾いているが、もう1枚の名盤「インクレディブル・ジャズ・ギター」では「ES-175」が使われたらしい。柔らかくサスティーンがあり丸い音色がする。L5とES-175、どちらの音が好みか。というより「インクレディブル」のピアノはトミー・フラナガンで、「フルハウス」のピアノがウィントン・ケリー。ウィントン・フリークの私としては、フルハウスのほうに思い入れが強い。

 時代とともに素材が変わり、同じ型番でも音色が違うので比較は難しいが「L5」と「ES-175」を比較できるビデオを見つけた。左がL5で、右がES-175。どちらの音色が好みですか?曲は、Blue Bossa.

マクキヌガサタケ

エゾシカ 稚内に初雪が降り、中山峠は5センチの積雪。道内各地で氷点下となった昨日以来、寒い日が続いている。午後休診、雨ではあるが野花南へ出掛けた。山荘入り口にクルマを乗り入れると、鹿と目が合い急停車。フロントガラス越しの私を見つめるように、20メートル程先でジッと動かない。そっとクルマを降り、近づくも我関せずで草を食んでいる。人慣れしてるはずはなく、私に危険な雰囲気を感じないのかもしれない。カメラを構えながら、少しづつ近づく。5メートル程になると林の中へ逃げ、その場からジッとこちらの様子をうかがっている。あまり刺激してもカワイソウなので、私も無視して自分の仕事「キノコ狩り」に取りかかる。

 一回り後、カゴの中のボリボリ。ボリボリもアタリ年で群生状態。雨の中で小さなキノコを採るには手間が掛かり、だんだん面倒になるのが贅沢な悩み。ほぼイッパイになったカゴをかかえて山荘に戻ると、広場では先ほどの鹿が食事中。これだけ草を食べてくれるなら、草刈りなんてしなくてもいいのにと思いながら再度、カメラを構えて近づくが、やはり限度は5メートル。自分に危険が及ばない距離を見切っているのだろう。いつもは遠くから眺めるだけだが、こんなに近づいたのは初めて。ほとんど毎日、山をうろついている私の姿を鹿もどこかで眺めていて、私を山の中の一つの景色として捉えているのかもしれない。

ぼりぼり ボリボリ

マクキヌガサタケ お初のキノコ「マクキヌガサタケ」。キノコの女王と呼ばれる「キヌガサタケ」よりもレースのスカートが短い。どちらもスッポンタケ科に属し、先日見つけたスッポンタケの幼菌は「マクキヌガサタケ」である可能性が高い。この写真にはないが、先日のプヨプヨした幼菌の一部が根本を覆いツボになっていた。先っぽの黒いグレバは虫が舐め取って黄色になっている。どちらかと云えば古くなったキノコだが、悪臭のグレバが無くなった分、食べてみようかなという気にさせられる。傘を取り、スポンジ状の柄とレース状の網を食べる。

 先日の幼菌は、あまりにも見た目が気持ち悪く手が出なかったが、今回は歯触りを想像して旨そうに思える。塩水で虫出しのあと熱湯で茹でこぼし、中華スープで煮る。熱を加えると少し軟らかくなったが、だいたい想像どおりの味。これ自体に味はなく歯触りと味付けを楽しむもので不味くはない。本格中華料理に出てきたら、その味付けでコリコリした食感を楽しめそう。

マクキヌガサタケ マクキヌガサタケ

 それにしてもエライのは、このキノコの繁殖方法。たいていのキノコは、胞子を飛ばし風に乗せて子孫を増やすが、傘の表面の独特の臭いで虫や小動物をおびき寄せ、舐めさせて胞子を遠くへ運ばせ子孫を増やす。人間には、イヤな臭いも虫にとっては魅力的なのだろう。生き延びるためのシタタカな知恵は進化の証。

キノコダイエット

 昨夜の夕飯に頂いた「カラカサタケ」、間違いなく本物だったらしい。体調に変化なく過ごしている。フライは揚げたてが一番と云うが、油っぽくフワフワで味もなく旨くはなかった。結局、食べたのは一枚で残りは冷蔵庫。一夜明けて、今夜の夕食に冷めたフライを頂いたら結構イケた。もともと冷めた茄子のフライが大好物。というのも、ウチの隣がパン屋さん。このパン屋さんの自家製パン粉は、目が細かく粒が小さい。皮を剥いた茄子を薄くスライスし、このパン粉でフライにする。皮を剥くのがポイント。揚がった茄子はトロトロに火が通り、まるでフライの皮だけが残った状態になる。これが冷めると皮がシットリして余計旨くなる。と、ここまで書いたが、この茄子のフライは隣のパン屋さんが作るモノ。たまに、お裾分けに頂く。以前、これを商品として売り出したらと進言したが、その気はないらしい。ウチで作ってもこの味にならないのは、ドーナツなど大量に揚げた油を使うせいだろうか。

キノコ鍋 もうかれこれ20年以上も前の話になるが、このパン屋さんのヒット商品に「イカバーガー」というのがあった。肉を使わずイカだけで作ったハンバーグをバンズで挟んだもの。ソースはマヨネーズ系。ウチの家族も大好物で、一人2個づつ一度に10個のまとめ買い。今でもときどき想い出し懐かしく「イカバーガー」が話題になる。また、テレビの県民ショーで有名になる遥か昔、私が子供の頃から「ようかんパン」を作り続けている。毎朝焼き上がる食パンも絶品だが、なんといってもこの街を代表する銘菓「どりこの饅頭」が看板商品。普段意識することもなかったが、大正元年創業のパン屋さんが歴史を刻む背景には数々のヒット商品の存在があったようだ。

 冷めたフライの話から話題が逸れたが、今夜の夕飯。冷めたカラカサタケのフライ、キハツダケとアカモミタケのキンピラ、ボリボリとアイシメジとニセアブラシメジと豚肉とネギの鍋物。なによりも、100%混じりっけなしの魚沼産コシヒカリの新米。ご飯が旨すぎて食べ過ぎてしまう。これではキノコダイエットも効果半減。

巨大なきのこカラカサタケ

 週末から地元を留守にしていたため、野花南散策は久しぶり。少しずつ秋が進みラクヨウも終わりの時期を迎え、これから晩秋のキノコが森を賑わす。今日も多くの見知らぬキノコ達と出逢い、数少ない知識と図鑑を頼りに名前を探す迷走の旅へ出かけた。どんなことでも初体験は気持ちイイに決まってるが、見知らぬキノコを初めて口にする場合でも、そう云い切れるかどうか。充分な調査と慎重な覚悟と少しの勇気が必要。

カラカサタケ 今日一番の収穫は、地面にそびえ立つ巨大なキノコ。なんと傘の直径26センチ、高さ30センチ。「デカッ!」というのが第一印象。次にキタのが「喰いごたえある」というイメージ。カゴと比べると巨大さが一目瞭然。家に帰り図鑑で調べたが特定できず。「大きいキノコ、巨大キノコ」をキーワードに検索の結果、いくつかの候補に絞られた。「オオオニテングタケ?」「猛毒のフクロツルタケ?」「カラカサタケ?」「ドクカラカサタケ?」、インターネットの不確かな情報でも数多くの画像を見比べていくと、それなりに違いが見えてくる。決め手となったキーワードは「柄のまわりにあるツバが上下に可動する」。やってみると、実際にビラビラする膜状のツバが指輪のように上下に移動する。この段階で最も可能性が高いのは「カラカサタケ」。

 wikipediaによると「従来から食用とされる。天ぷら、炒め物、きのこ汁等加熱した上で利用されるが、生食は消化器系の中毒を起こす。蕁麻疹、下痢、アレルギーを起こすこともある。無味、無臭」。なあーんだ喰えるじゃん。ノミネートされた他のモノは、すべて毒キノコ。「よし、カラカサタケに決定!」。プラス思考というか、自分に都合のイイように話を持っていこうとする傾向がある私。「なんとしても喰ってみたい」という気持ちが無意識に働き、判断をミスリードしている可能性もあるが「ま、いいでしょ」。

カラカサタケ カラカサタケ

 ただ、ひとつ心配なのは「ドクカラカサタケ」。別名を「コカラカサタケ」といい、カラカサタケほど大きくはならないとあるが、「大きいコカラカサタケ」は「小さいカラカサタケ」より大きいはずで、あまり当てにならない。傘の裏ヒダは白く、見た目に区別できないが傷つけると赤変するので判別できると書いてある。この点はクリアしてるのでOKとは思うが、万一間違っても嘔吐や下痢の胃腸系中毒なので遺言を書くまでもないだろう。真夜中の下痢なら、野花南産ポルチーニの「単なる喰い過ぎ」で経験済み。

 一抹の不安を残しつつも喰えるとなれば早速、下準備。柄と傘を切り離し塩水につけて虫出し。それにしてもデカイ!開ききった傘は、トウキビを茹でる直径30センチの大きな鍋いっぱいを埋め尽くす。柄は細かく刻んで冷凍、ハンバーグなどに混ぜて使う予定。今夜のメインディッシュは「カラカサタケのフライ」。傘を8分の1にカットして豚カツの要領で揚げる。見た目は魚のフライそのもの。熱々のフライにトンカツソースをかけてナイフを入れる。サクッとした触感のあと、スッと切れるが切り口はつぶれてしまう。熱々の一切れを口に運ぶと、ん?何かに似てる。これは、まるで茄子のフライだ。中身がトロトロで、フライの衣だけの食感。キノコの味?よくわからない。ほとんど味がない。ソース味のフライの衣を食べてるようだ。期待したほどのモノじゃなかったが、とりあえず食べられるキノコを見つけたことに満足。たぶん、バターで炒めたりシチューで煮込んだ方が美味しいかも知れない。食後2時間経ったが、タップリ油を吸った衣のせいで胃が重く感じる以外、体調に変化なし。

カラカサタケ カラカサタケのフライ

 「旨いべぇ!食べてみれや」と函館タナベの社長のように声をかけても、例によって「まだ、死にたくないもん」と横目で眺める家内。体型が示すとおり、実は大の揚げ物好き。自分のためには豚肉の豚カツを用意してある。外食でもないのに家にいながら夫婦別々のメニューを頂くようになれば、人生もそろそろ秋。実り多い秋となればよいが...

初恋のライバル

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 訳のワカラン文字列を並べたが、直近1ヶ月間にこのブログが検索対象になった「キーワード」。ヒット数の多い順に並べてある。誰かがどこかで、何かを調べようとグーグルやヤフーにキーワードを入力し、ポチッとクリックした結果、野花南山荘のどこかのページがヒットしたと「グーグル・アナライザー」が教えてくれる。

 インターネットが便利である理由の一つに「検索」が挙げられる。何か不明なことがあると「google」や「yahoo」でキーワードを入力してクリックする。正しいか正しくないかは別にして世界中のあらゆる情報に接することができる。情報を求めた結果、私のブログ記事に辿り着いた人がいるのも何かの縁。まったく見知らぬ縁ある人が、どんな情報を探していたのか、入力された「キーワード」が語っている。

 どんな思いで検索したのかわからないが、そのキーワードから勝手に想像の世界が膨らんでくる。やはり、目立つのはキノコ関係。「ポルチーニ 下痢」というキーワード入力を見つけたが、ひょっとしたら誤ってドクヤマドリを食べたんじゃないかしら。なかには「ドクササコ食べてしまった」という恐るべきキーワードもある。本当にドクササコを食べてしまい、不安の果てにネットで検索をかけたのだろうか。そんなヒマがあるなら早く病院へ行け。と云いたくなるが、ここにあるのは、直近1ヶ月以内のもの。ドクササコの苦しみは1ヶ月は続くらしいから、今頃、手足の先だけじゃなくアソコまで焼け火箸を刺されたような激痛に耐えているのだろうか。いや、オトコかどうかわからないので、アソコは痛くないのかも知れない。などなど、想いは駆けめぐり縁ある人の人生まで垣間見えるような気がする。

 誰にも興味があるらしいのは、旭山動物園と円山動物園の白クマ塩ラーメンの味。同じ藤原製麺製だが、私の経験からすると微妙に旭山のほうが旨い。「円山シロクマラーメン 不味い」と云うキーワードで検索した人がいるということは、実食の結果に共感する仲間を求めたのだろうか。別に不味いわけではないが。

 「パーラー石田屋」「坂 英字フライビスケット」「乾宣夫」など、私にとって懐かしい記憶に関するものも検索されていて、同じ世代の人が私と同じ気持ちでいると知るだけでも嬉しい。この中で一番気になるのが「ベラスケス マルガリータ 恋」というキーワード。いったいどんな野郎が入力したのだろう。なんたって、マルガリータは私の初恋の人。ベラスケス「ラス・メニーナス」の王女マルガリータ。子供の頃、図工か美術の教科書の巻末に載っていた絵を観た瞬間、恋に落ちた。ひょっとして同じ感情でキーワードを入力したのだろうか。こんなところで私の初恋の少女に想いを寄せるライバルに出逢うとは、複雑な気持ち。

 世の中、便利になって誰でも溢れる情報を簡単に手にすることができるようになった。しかし、私のブログのように不正確な情報満載のページまで検索され、何かの参考にされているとしたら「誤った情報の伝達ゲーム」が網の目のように張り巡らされているに違いない。何が正しくて何が正しくないかを判断するのは自己責任。誤った情報に右往左往しない肥えた目を養うには結局のところ、たくさんの本を読み知識を積み上げていくというアナログな手法でしか得られないような気がする。

 せっかくの連休最後の月曜日、ゆっくり朝寝をしようとタクラんだが「休日は早起き」の習慣には逆らえず。外を見ると、天高くイイ天気。こんな日に家でキノコ図鑑を眺めて過ごすのはアホらしいということで結局、本日もキノコ狩り。愛用のデイパックを背負ってブーニーハットをかぶり、長靴を履いて手にはキノコカゴ。今の季節、森の中を歩くのは気持ちイイ。ただ歩くだけでも気持ちがイイのに「発見する喜び、知る喜び、食べる喜び」というキノコ狩りの三つの楽しみまで満喫できる。とりあえず、見つけたラクヨウをカゴに入れながら探索していると珍しいキノコに出逢った。

ノボリリュウタケ 写真を撮って、家に戻り図鑑で調べると「ノボリリュウタケ」というらしい。「鞍の形をした脳のようなキノコ」と書いてある。クラのカタチの脳って、そんな脳があるのか?「優れた食菌で、味には癖がなく加熱すると歯切れが良くなる。西洋料理におすすめのキノコ」ともあり、食べられるのに採ってこなかったことを後悔。きっと、ハナビラタケのような食感だろうなと想像してヨダレを垂らしている。

 もう一つの珍しいキノコ。地面にジャガイモが埋まっているような状態で見つけた。触ってみるとプニョプニョしている。根元から掘ってみると、まるでジャガイモそっくり。そういえばジャガイモタケというのを図鑑で見たことがあるので持ち帰った。調べるとジャガイモタケなのか、ニカワショウロタケなのか、シラタマタケなのか、だんだんわからなくなる。

スッポンタケ幼菌 スッポンタケ幼菌

 インターネットで画像を検索。ジャガ・・・、ニカワ・・・、シラタマ・・・、それぞれの断面が載っているが、いずれの中身も気持ち悪そうなものがグニャグニャ詰まっている。これを見てしまうと切ってみたいとは思わないが、切り口を確認しないことには特定できないのも確かなわけで、結構、勇気がいる。だんだん想像は膨らみ、切った瞬間、中に詰まったグレバと呼ばれる胞子が飛び散り家の中が大変なことになるんじゃないだろうかなどとタメライつつ恐る恐るプニョプニョの物体を真っ二つに切ってみた。

スッポンタケ うん?ネット画像とは大違い。ナンダアこれは。恐竜のタマゴ?そこで、もう一度ネットで検索すると「スッポンタケ」の幼菌と判明。その上、スッポンタケは食べられるらしく「中華料理の材料として使われるキノコ」だそうだ。ただ、成長したスッポンタケの頭の黒い部分には、グレバという悪臭を放つ物質がついているので、これを洗い流さないと料理できないとのこと。また、幼菌は悪臭がないので茹でて皮を剥いてドレッシングで頂くと書いてある。

 なんたって「発見する喜び、知る喜び、食べる喜び」の三つがキノコ狩りの楽しみと吹聴している手前、喰わないわけにはいかない。ナマの状態では、まわりのプルプルゼリーが果肉のようで旨そう。まるでフルーツだ。かぶりついてみたいが、そこはやはりキノコなので、どんな目に遭うかわからない。早速、茹でてみた。鍋の中で引っ繰り返したら、見た目は完全に皮付きジャガイモ。

 

スッポンタケ 茹でたあと水で冷やし、適当な大きさに切り分け皿に並べニオイを嗅ぐ。悪臭ではないが、ジャガイモの皮のような、焼き茄子のような、土臭いような、今までの経験にはない。このニオイは、ポン酢かドレッシングでごまかせると思うが、見た目がどうもなあ。箸で持ち上げると、まわりのヌルヌルゼリーから黒い目玉のような部分がポニョーンと垂れ落ちてくるように思える。結局、私の好奇心は見た目の気持ち悪さに打ち勝つことができずギブアップ。いつか、本格中華料理でスッポンタケを味わってみたいなあ。どんな味がするんだろう。

キノコの山はラクヨウ天国

 日曜日は、朝早く目が覚める。夕べは雨で今朝は晴れ。私同様にラクヨウ好きの弟が、息子を連れて札幌からやってくる。ウチの息子夫婦も揃って、団体でのラクヨウ狩り。いつもは一人寂しくだが、これだけ大勢になれば熊が出たって心強い。とは云っても太刀打ちできるはずもないのだが。そういえば、熊に襲われたときの保険に入ってたかな。あちこちに「熊出没注意」の看板がある北海道では、熊保険「GKベア」は道民の常識?

 野花南山荘には、低いマンジュウ山が二つ連なっている。普段、手入れをしている手前の山が、私のテリトリー。奥の山の麓には、熊捕獲用のワナが仕掛けられているので、なかなか一人では入りにくい。ただ、キノコの量はかなり多く、ウチでは「キノコの山」と呼んでいる。

ラクヨウ ラクヨウ

 本日めでたくラクヨウ探索探検隊が結成されたので、当然、奥の山に入る。気温が一気に下がり、今まで出たくても出れなかったラクヨウ達が、ここに来て一斉に顔を出したようだ。こんなに沢山のラクヨウの群生は見たことがない。たぶん、生まれて初めての出来事。ひょっとしたら、もう死ぬまで見ることはできないかも知れない。それほど多くのラクヨウを目の前にして、探検隊員全員興奮のルツボ。採っても採っても、あるわあるわ。なんかさあ「今日が人生最高の日」なんて云ったら、「たかが、キノコで?」と怒られそうなんだけど、これは、きっと森が私にかけた「キノコマジック?」。森の中に飛び交う幻覚作用を及ぼす毒キノコの胞子を大量に吸い込んだせいかも。

 奥の山へ入る手前で見つけたオトコキノコをカゴに入れて持ち歩いていたが、あまりのラクヨウの多さに即、捨ててしまった。「味は変わらないので不人気のままでいてくれ」と云っていた私だが、やはり汚いより美しいキノコの方がイイ。ゴメンナサイ、オトコキノコさん。

ラクヨウ 結局、カゴや袋イッパイに採ったラクヨウは、重さ約12kg。近くのスーパーでは、100グラム500円くらいらしいが、弟の話では札幌のデパートでは800円で売っていたとのこと。ということは、1キロ8千円だから12キロで9万6千円。たった3時間で約10万円分も拾ってきたことになる。とはいうものの、お金には換算できない収穫の喜びにこそ価値がある。今日も山の神様に感謝の楽しい秋の一日を過ごした。

 まだまだ採り残しがある。一人で熊に出逢うのはイヤなので、明日はどうしようっかなあ。

不人気なオトコキノコ

 ラクヨウが出はじめたタイミングで連休とは超ラッキー。午後休診の土曜日、早速山荘へ。どんより曇った空、適当に湿り気もあり気温17度。絶好のキノコ狩り日和り。今日はタップリ時間もあるので、ジックリ写真を撮ろうとタマゴタケとアカモミタケをローアングルで撮影。
タマゴタケ アカモミタケ

ヌメリイグチ いつもの探索ルートを歩いていると、ラクヨウの群生。正式にはラクヨウとは「ハナイグチ」のことだが、この辺りでは「ヌメリイグチ」もラクヨウと呼ぶ。ハナイグチはカラマツの外生菌根なので、カラマツ以外の林には出ないが、ヌメリイグチは他の松林でも発生する。ともに子実体(キノコ)発生の適温は、10~18℃で今の季節が盛り。今年は、暑かった夏のせいで半月ほどズレてしまったようだ。

 正真正銘のラクヨウ、ハナイグチの傘の色は濃い茶色だが、ヌメリイグチの傘は写真のように明るい茶色。傘の裏は、どちらも黄色のスポンジ状で誰が見ても間違えようがなく、キノコ狩り初心者でも安心して採ることができる。この2つを総称してラクヨウと呼ぶが、ハナイグチは別名「オンナキノコ」とも呼ばれる。対して「オトコキノコ」とは、同じくカラマツ林にだけ出る「シロヌメリイグチ」のこと。ラクヨウとは呼ばれず、人気のないキノコである。傘の色はハナイグチやヌメリイグチのように鮮やかではなく、くすんだ灰色がかった茶色。裏側はスポンジ状だが、黄色くなく灰褐色。ラクヨウに比べ見た目が汚いので、ほとんど見向きもされず採り残されている。味に関しては、私の経験から云うとハナイグチもヌメリイグチもシロヌメリイグチも全く変わらない。どちらかというと「オトコキノコ」のほうが出る量が多く、これが旨いキノコだというのは皆にナイショにしておきたい。

 本日の戦利品。左(シロヌメリイグチ・キハツダケ) / 右(ハナイグチ・ヌメリイグチ・タマゴタケ)
オトコキノコ オンナキノコ

キハツダケ 保存用に下ごしらえした状態。上の真ん中と右は「シロヌメリイグチ」、右下が「ハナイグチ」、下の真ん中が「ヌメリイグチ」、左下が「キハツダケ」。

 なかでも、直径20cm程もあるキハツダケ、その姿は遠くからでも目立つが近づかないと、よく似ている「シロハツ」なのか「ケシロハツ」なのか「ツチカブリ」なのか「キハツダケ」なのかわからない。キハツダケ以外のどれも有毒だが、見分け方は意外に簡単。ヒダを傷つけると白い乳液が出て、しばらくすると淡い青色に変色する。他のものは、乳液が出るのもあるが変色しない。普通の「ハツタケ」が傷つくと紅い乳液が出て緑色に変色するのに似ている。

 この青い色素は、熱を加えると消えてしまう。キハツダケは歯触りがよく、炒めるのに適している。今夜は、細く切ったキハツダケとアカモミタケをゴマ油で炒め、醤油とミリンと酒で味付けし、温かいご飯に混ぜて「キノコの混ぜご飯」を頂いた。これは、なかなかイケル。もちろん、オトコキノコの味噌汁もドンブリでタップリ。色の汚いシロヌメリイグチは、熱を加えると傘の色がキレイな茶色に変わる。これも知らない人には教えたくないナイショの話。あとは、豚もやしキムチ炒めと漬け物で今夜も幸せな夕食。ご馳走様でした。願わくは、このままいつまでも「オトコキノコ」が不人気のままでいて欲しい。

 

誰にでも伝わる幸せの味

 午後から2時間ほど空き時間ができたので、仕事を抜け出し山荘へ。ここ何年かキノコを探しているが、毎年決まって同じ場所に同じキノコが出る確率が高い。必然的にラクヨウを探すときも、まず最初は「ここ」という場所がある。いわば、私の秘密のラクヨウ畑。一昨日見たときは、全く気配なし。こんなに寒くなっても出ないなんて、今年は凶作と諦めていた。

ラクヨウキノコ ところが、なんと!キノコの神様は私を見捨ててはいなかった。例の秘密の畑、2日前とは大違い。今まで出れなかった分、一気に大放出。ココにもアソコにもラクヨウだらけ。舞茸ではないけれど、踊り出したくなるほどの大感激。待ちに待ったラクヨウちゃんとのご対面。まるでフィーリングカップル5対5の赤い糸で結ばれた時のような天にも昇る想い。

 早速今夜は、ラクヨウの味噌汁を頂いた。やっぱり「はあー、旨いなあ!」という声が出てしまう。なんで、こんなに旨いんだろう。世の中、いろんな旨いものがあるけれど、幸せを感じる旨さというのは、これしかないと思う。キノコの出汁の味噌汁に大根おろしを入れただけのシンプルなもの。今年も味わうことができたので、寿命が5年ほど延びたような気がする。

 左下の写真が、本日の授かり物。ラクヨウにシロヌメリイグチ、ニセアブラシメジにタマゴタケ。今夜の夕飯は、ハナビラタケの炊き込みご飯とタマゴタケ入りの卵焼き、ラクヨウの味噌汁に塩鮭と漬け物。味噌汁をドンブリ2杯も頂いた。ほとんど山の恵みで生かされている。山の神とキノコの神様に感謝。

ラクヨウキノコ ラクヨウキノコ

 いつものことだが、家内は私の採ってきたキノコは一切口にしない。だから、炊き込みご飯も卵焼きも私だけのメニュー。ところが、ラクヨウだけは大好物。今夜もドンブリにタップリの味噌汁を飲んでは「はあー、美味しいねぇ!」と声に出していた。やはり、幸せの味は誰でも感じるようだ。

キノコから生まれた私

 例年であれば、野花南山荘ではラクヨウが終わってから秋のシメジ類が出はじめるのだが、今年はラクヨウの姿を一度も見ることもなく、ニセアブラシメジやアイシメジが顔を出し始めた。異常な気候は、夏グミの不作だけにとどまらずキノコ界にも影響を及ぼしているようだ。キノコフリークの私は、そういう自然をありのままに受け入れるしかなく、与えられた恵みに感謝しつつ昼休みにイソイソとキノコ狩りに出掛ける。

ニセアブラシメジ もうすでに気温が下がり始めた影響で、そこら中にキノコが生えている。私の数少ない知識と経験では、名前がわかるのは100分の1にも満たない。食べられるのか食べられないのか不明のキノコを横目で眺めながら、愛しのラクヨウを探しまわるが、結局、途中で出逢った顔見知りのキノコ達だけを連れて帰ってくる。それでも、キノコ狩りは楽しい。街中で落ちてるお金を探して下を向いて歩くと変な人だが、山の中で地面を見つめて歩いても誰も何とも思わない。お金を拾うよりも価値のあるキノコに巡り会う可能性だってある。これから雪が積もるまでの2ヶ月半は、毎日ワクワクの楽しい日々。本日の収穫、ニセアブラシメジとアイシメジ。

 先日、友人と「今年は、ラクヨウ出ないねぇ。ラクヨウの味噌汁呑んだとき、"はあー"と、思わず声が出るほど幸せな気持ちになるよな」と話していたら、「やっぱり、ウナギ食べたときのように幸せですか?」と聞かれた。うーん、同じ幸せなんだが、これは、ちょっと違うんだよな。ラクヨウの時は、「私は、キノコから生まれたんじゃないかしら」と思えるが、ウナギの時は「ウナギから生まれた」なんて思いたくもないもの。


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