日曜日は、朝早く目が覚める。夕べは雨で今朝は晴れ。私同様にラクヨウ好きの弟が、息子を連れて札幌からやってくる。ウチの息子夫婦も揃って、団体でのラクヨウ狩り。いつもは一人寂しくだが、これだけ大勢になれば熊が出たって心強い。とは云っても太刀打ちできるはずもないのだが。そういえば、熊に襲われたときの保険に入ってたかな。あちこちに「熊出没注意」の看板がある北海道では、熊保険「GKベア」は道民の常識?
野花南山荘には、低いマンジュウ山が二つ連なっている。普段、手入れをしている手前の山が、私のテリトリー。奥の山の麓には、熊捕獲用のワナが仕掛けられているので、なかなか一人では入りにくい。ただ、キノコの量はかなり多く、ウチでは「キノコの山」と呼んでいる。
本日めでたくラクヨウ探索探検隊が結成されたので、当然、奥の山に入る。気温が一気に下がり、今まで出たくても出れなかったラクヨウ達が、ここに来て一斉に顔を出したようだ。こんなに沢山のラクヨウの群生は見たことがない。たぶん、生まれて初めての出来事。ひょっとしたら、もう死ぬまで見ることはできないかも知れない。それほど多くのラクヨウを目の前にして、探検隊員全員興奮のルツボ。採っても採っても、あるわあるわ。なんかさあ「今日が人生最高の日」なんて云ったら、「たかが、キノコで?」と怒られそうなんだけど、これは、きっと森が私にかけた「キノコマジック?」。森の中に飛び交う幻覚作用を及ぼす毒キノコの胞子を大量に吸い込んだせいかも。
奥の山へ入る手前で見つけたオトコキノコをカゴに入れて持ち歩いていたが、あまりのラクヨウの多さに即、捨ててしまった。「味は変わらないので不人気のままでいてくれ」と云っていた私だが、やはり汚いより美しいキノコの方がイイ。ゴメンナサイ、オトコキノコさん。
結局、カゴや袋イッパイに採ったラクヨウは、重さ約12kg。近くのスーパーでは、100グラム500円くらいらしいが、弟の話では札幌のデパートでは800円で売っていたとのこと。ということは、1キロ8千円だから12キロで9万6千円。たった3時間で約10万円分も拾ってきたことになる。とはいうものの、お金には換算できない収穫の喜びにこそ価値がある。今日も山の神様に感謝の楽しい秋の一日を過ごした。
まだまだ採り残しがある。一人で熊に出逢うのはイヤなので、明日はどうしようっかなあ。