松下製16cmフルレンジ用に製作した平面バッフルだが、コーラル8A-70のグラマラスなマグネットに魅了され、「よっぽどイイ音で鳴るんだべなあ」と、バッフルの穴径を20cm用に拡げて取り付けた。ところが、低域の厚さに比べ高域が伸びずバランスの欠いた音に不満を感じ結局、元の鞘に収まるべく20cm用に開けた穴を薄いサブバッフルで塞ぎ16cmに戻してみた。しかし最初のメリハリある音には程遠く、まるでラジカセ並みの音質。試行錯誤の末、18mm厚の集成材をもう1枚貼り合わせ36mmの厚さに。バッフルの振動が激減しクリアで、バランス良く心地良いサウンドで鳴っている。アルテックグレーに塗装し、今はお気に入りのスピーカー。ここまで長い道のりだったなあ。

▼第一世代:16cmフルレンジ(松下通信工業Hi-eff EAS-16P90SN)
平面バッフルスピーカー(1) 平面バッフルスピーカー(1)

平面バッフルスピーカー(1)

▼第二世代:20cmフルレンジ(コーラル8A-70)
平面バッフルスピーカー(2) 平面バッフルスピーカー(2)

平面バッフルスピーカー(2)

▼第三世代:20cm用の穴を薄いサブバッフル板で塞ぎ16cm用に改造。
平面バッフルスピーカー(3) 平面バッフルスピーカー(3)

平面バッフルスピーカー(3)

▼第四世代:18mm厚の集成材をバッフル板に貼り合わせ最終的に厚さ36mm。16cm用に穴を開け、アルテックグレーに塗装。
平面バッフルスピーカー(4) 平面バッフルスピーカー(4)

平面バッフルスピーカー(3)

関連:平面バッフルスピーカー(1)
関連:平面バッフルスピーカー(2)

木製オセロを自作する

 今から30年以上前、仕事も遊びも半端なく忙しかった頃。何かに追われるように日々を過ごし、自分のための自分だけの時間というものに飢えていた。そんなとき没頭したのが「大人のオモチャづくり」。深夜、帰宅してから黙々と木を削り研磨する。それだけで心落ち着く自分だけの時間を過ごし、結果として「コリントゲーム」「対戦型テトリス」「バックギャモン」が出来上がった。次の作品は「オセロ」と決めていたが当時、無敵だった私が小学生の三男にどうしても勝つことができずいつもボロ負け。あまりの悔しさに「オセロ」製作には至らなかった。

 ボードゲームには、まったく運に作用されず実力のみで戦うものと、ある程度の運が勝ち負けに影響するものがある。それまで作ってきたものは、サイコロの出目やルーレットの示す結果に左右されるものばかり。ツキが勝利の女神を連れてくるスタイルなので、スリリングで面白く興奮のルツボにハマる可能性も大なのである。ところが、オセロに関してはツキに左右されない。将棋や囲碁など実力を伴う勝負を好まない私は、どうも運のみで生きてきたようだと最近気がついた。

 5歳の孫とオセロで遊ぶようになった。3歳の孫も参戦するが、途中で盤面がグチャグチャ。案の定、駒を紛失。終盤が戦えない状態なので、丸く切り抜いた紙を黒く塗り代用している。マグネットの駒だけを探したが、バラ売りはないようなので一念発起。30年前を想い出し木工でオセロを製作することにした。丸棒を鋸で輪切りにしサンドペーパーで磨く。駒ができたら盤の製作。穴を開けたベニヤを同じサイズのベニヤに重ね貼り合わせ、細い角棒で縁取り。手作り感満載だが、ニスで塗装するとソレなりに格好よく見える。もし駒を失っても丸棒さえあれば、いつでも補給できる。

 まだ5歳なので教えながらワザと負けたりしているが、いつか敵わなくなる日がくるに違いない。その時、このオセロを作ったことを後悔するのだろうか。負けず嫌いのジイジ。

木製オセロ・木製リバーシ

木製オセロ・木製リバーシ

関連:他の木工作品

コーラル8A-70 バスレフスピーカーボックス開口径20cm

 20cmフルレンジスピーカーをヤフオクで手に入れた。16cmを「平面バッフル」で鳴らし満足しているが、そこは浮気なオーディオマニア。ついつい大柄でマグネットがグラマラスな20cmに色気を感じ手を出してしまった。お気に入りの本命16cmは、このままの状態で置いておきたい。そこで、古いスピーカーボックスに20cm開口バッフルをつけセッティングしてみた。

 アルテックはバックロードホーンで横に開口部があり広い音場を形成していたし、平面バッフルは音場の広がりこそが特筆すべき長所。ところが、バスレフ箱に入れたコーラル8A-70は、スピーカーボックスの存在を感じさせてしまう。フルレンジ一発であるにもかかわらず定位が悪い。

平面バッフルスピーカー自作 やむなく、16cmフルレンジを平面バッフルから外し、20cm用に穴を開け直しセッティング。やっぱり、これだ。一度平面バッフルを聴き慣れてしまった耳には、この音場の広がりと定位感は譲れない。ヴォーカルはセンターに定位するだけでなく奥行を感じるし、16cmに比べコーンが大きい分低音がしっかり再生される。若干高域に不満は残るが、もともと有毛細胞が減少し高域が聴こえにくいことを考えれば良しとしなければ。とはいえ、スピーカーとバッフル板を直付けにしたり、コルク板でガスケットを自作して挟んでみたり、袋ナットや軽トラ荷台用ゴムマットをインシュレーターにしてみたりの試行錯誤のチューニング。袋ナット3点置きでも前に1箇所後ろに2箇所の時と、その逆では音は違って聴こえる。細かな調整に明け暮れる日々だが、目標とするのは結局16cmフルレンジの中高域の音。

 であれば、サブバッフルを付けて16cmに戻せばイイだけの話なのだが、それができない。せっかく縁あって私のところへやって来た浮気相手の20cm、なんとか思い通りにしてみたいと願うのがオトコのロマン。と、もがきながら前に進もうとしている自分を愛おしく想う本末転倒なオーディオマニア。

平面バッフルスピーカー自作

平面バッフルスピーカー自作

袋ナットインシュレーター ゴムマットインシュレーター

関連:平面バッフルスピーカー

 昔ながらの水銀体温計、最低でも5分は脇に挟んでジーッとしているのはツライ。電子体温計の場合、ほぼ1分。しかも計測が終わると、ピピッという音で知らせてくれるスグレモノ。

 昨年11月に10日間ほど入院したが、その電子体温計のピピッとなる音が聞こえないことに気づいた。看護師さんに渡された体温計を脇に挟んでいると「はい、鳴りました」と言われるが、自分ではまったく気づかない。朝の検温を自分で記録しようと脇に挟むが、いつまで経ってもピピッといわず壊れてんじゃないのと思うがちゃんと計れている。

聴力検査 テレビの音量が以前より大きくなっているのはわかっていたが、まさか聞こえない音があるなんて思いもしなかった。退院後、体温計を使うこともなく不自由なく過ごしていたが、なんと「ためしてガッテン」で「難聴が認知症の原因」という番組を視てしまった。

 内耳にある蝸牛という器官に音の振動を感じる「有毛細胞」という毛が並んでいるらしい。この細胞は音を電気信号に変えて脳に伝える働きをするが、年齢と共に毛が減少し高齢になると高い音が聞こえづらくなると。

 まさに、これだあ。原因は、毛だったのかあ。

 じゃあ、どうしようもないじゃん。と開き直っていたが、耳鼻科で耳掃除をしてもらったら聞こえるようになるかもと家内が勧めるので、淡い期待を胸に受診。耳の中はキレイですと。ヘッドフォンをかけて聴力検査。低域に異常なし、中域がやや聞こえづらく高域はかなり聞こえてないという結果。「毛ですか?」と聞くと「毛です」。「対策は?」と聞くと「ありません」。低域が正常なので補聴器を使うと、その部分だけ大きくなって余計聞こえにくくなるらしい。

アルテック 淡い期待を裏切られ、結構ショック。何よりもイイ音で聴きたいと長年連れ添ってきたオーディオ機器。ジャズでシンバルの響きを如何に生音に近づけるか、自然で伸びやかなベースの響き、つばきが飛んでくるようなサックスの音色の臨場感etc.いろいろと無理難題をシステムに求めてきたが、期待に応えてくれても自分が聴こえてないんじゃ意味がない。実に寂しく悲しい。ということは必要ないじゃん。結局、ヤケになってMcIntoshのパワーアンプとコントロールアンプ、Altecのスピーカーを手放すことに。

 手元に残ったのは、レコードとCD、レコードプレーヤー、CDプレーヤー、サブ機のAccuphaseのプリメイン。スピーカーがないので、しばらく音のない生活が続いていたが、今は倉庫となっている1階の旧診療室、待合室、院長室、医局員室それぞれの天井にBGM用スピーカーが埋めてあることに気づいた。

 開業以来30数年間、休診日以外毎日鳴っていたスピーカーだが、移転後8年ほどは全く音出しなし。脚立に登り天井に固定されたナショナルのマークがついたカバーを外すと、薄いバッフルに固定されたスピーカーが出てきた。スピーカー本体はサランネットを兼ねた薄く黒い紙で包まれているため埃をかぶることもなく意外とキレイ。松下製の六半いわゆる16cmのフルレンジ、Hi-eff EAS-16P90SNと書いてある。マグネットが小さいのでオーディオ用というより、壁や天井に埋めて使用する館内放送用のものらしい。

 1階の天井から回収したのは全部で5個。とりあえず音が出りゃイイ訳で一番簡単に平面バッフルに組み込むことに。平面バッフルというのは、穴を開けた板にスピーカーを取り付けただけのもの。板のサイズは大きければ大きいほどよく、いろいろと面倒な計算式があるのだが、いっさい無視。今や木工所と化した技工室にストックしてある端材を加工して自立できるように工作。チャチャチャと半日仕事で完成。

平面バッフルスピーカー自作

 40年前の放送用スピーカー、小ぶりの板の平面バッフル、期待するほうが無理。わかっていても一発めの音出しは常にワクワク。

 ベニー・ゴルソンのスターダストというアルバム。ウーン、ぜーんぜんイイわ。フレディ・ハバードのフューゲルホーンが前に躍り出てくる。たしかにロン・カーターのベースに迫力はないが、なんたって16cm。もともと高域が聴こえにくいせいか、逆に全体としてはバランスが取れている。館内放送用ということでレンジが狭くアナウンスやボーカルの帯域が明瞭に聴こえるよう特化しているのかも。また平面バッフルでボックスがないため、今風のスピーカーのように低音に負荷をかけて強調せず素直で自然な響きが広がる。これはこれでアリ。結構、音楽が楽しめるスピーカー。40年経ってもこの音質を維持できる松下通信工業、恐るべし。

平面バッフルスピーカー自作

 レンガで転倒防止、ターミナルなしのケーブル直付け。洗濯バサミでケーブル固定。

平面バッフルスピーカー自作

 耳のイイ若い人が聴くには物足りないかもしれないが、歳で毛が薄くなった耳にはちょうどイイ。音楽が心地イイ。レコードやCDまで手放さなくてヨカッタなあ。

関連:平面バッフルスピーカー(2)
関連:歳をとるのは寂しい

素人の護岸工事

 小さな田んぼくらいの池が棚田のように3段連なっている。それぞれの境界は幅広い畦道のようで、ハンマーナイフモアやエンジン運搬車の通り道になっている。時の流れとともに岸が侵食され、どんどん道幅が狭くなってくる。昨年、1番上と2段目の池の境界が決壊しそうになり護岸工事。今年は2段目と3段目の境が大きく侵食され、放置すると決壊の危険性大。落差が2メートルくらいあり決壊すると、ちょっとした滝の様相になるが放ってもおけないため護岸対策。

 昔、花壇の仕切りに埋めてあったブロックを掘り起こし池の岸辺に沈めてゆく計画。重機があるわけでなく、何十年も土中に埋まっていたブロックをスコップで掘り起こすのは重労働。こうして集めたブロックや石ころをエンジン運搬車で岸まで運び、沈めるの繰り返し。とはいえ古いブロックにも限りがあり、200個くらいで底をついてしまった。結局、新品のブロック100個と砕石砂利600kgを購入したが、まだまだ材料が足りないため工事中断。それでも、なんとか決壊が免れそうなところまで進んでいる。

 今日は、雪が積もるという予報なので休工。というより軽トラのタイヤ交換がまだなので出掛けられない。

池の侵食 護岸工事

護岸工事

 この時期、山荘ではヤルベキ事が多すぎる。平日の午後と土日は時間の許す限り、山荘で過ごす。草刈りや笹刈りはもちろんのこと、林内の下刈り。雑木を切って地面に陽が当たるようにする。伐採した木は太さによって選別。薪にならない細い木や枝は一カ所に積んであるが、半端ない量のため処分に困っている。廃棄物処理法や消防法のため焼却炉であっても野外で燃やすと警察に連れて行かれるらしい。野外でなければイイということなので、休憩室に薪ストーブを設置して燃やすことに。ついでに作業の合間に温かい料理もできるので一石二鳥。

 

 ストーブと云えば煙突だが、窓を半分潰し珪藻土のメガネ石を取り付けた。このメガネ石、重さ2.7kgで軽量だが価格は高め。最初知らずに安価なコンクリート製のモノを買ってきたところ、ナント重さ17kg。持ち上げるのも大変だが、これを乗せたら窓枠が壊れてしまうかもしれないので急遽買い直し。よくやるパターンの安物買いの銭失い。壁内部は発泡スチロールで断熱したが、注文したステンレスのメガネ石カバーが届いてないため煙突工事はいったん中止。壁を張るのは日を改めて。このところ安定しない天気のため、雨に濡れないよう外側からビニールシートで防滴している。

 窓枠の上にあるのは、貨物列車独特の形状をした換気口。雨は降り込まないが虫が自由に出入りできる。ずっと気になっていたので、大工仕事のついでに塞いでしまうことに。形に合わせて材を切り、アールの部分はカンナで調整してゆく。山荘には電気がきてないので電動工具は使えず、すべて手作業。根気のいる作業だが、なんとか満足出来るレベルで完成。

 

 

日曜左官屋

 昨年11月のこと、仕事を終えて家に帰ると何やら家の前が騒々しい。パトカーが停まり、大勢の人が集まり作業をしている。近づいてビックリ。今は使用してない診療所の玄関にクルマが突っ込んだらしい。幸いケガ人はなかった。家に入り、家内に聞くと「ドーンと音がして家が揺れた。地震かと思った」とのこと。ということは玄関脇の階段の壁に衝突してクルマが停まったようだ。警官立ち会いのもと被害状況を確認したが、車の当たった壁はカスリ傷程度。薄暗いこともあり、他の部分は明朝に確認することにしたが、朝起きたら一面の雪。見えないし寒いし、そのまま一冬越してしまった。その玄関は使ってないので雪かきもせず、冬の間は雪に埋もれたまま。

 雪が融けて、よく見ると衝突した壁ではなく反対側のタイルがボロボロ剥がれて落ちている。たぶん衝撃で応力が働いたのかもしれないが、直接ぶつかった壁ではないので今となっては事故との因果関係は分からない。いずれにしても格好が悪いだけでじゃなく崩れた壁から水が染みると、一層タイルが剥がれる恐れがある。久々に暖かな天気に恵まれた日曜日。早速、ホームセンターでセメントを仕入れ日曜大工ならぬ日曜左官屋さん。インスタントセメントといって20分で固まるらしい。剥がれたタイルの裏面にはモルタルがこびり付いていて、パズルのように元の位置にはめ込みながらでは時間がかかりすぎる。そんなことしてると固まってしまうので、ただ穴を埋めるだけにした。セメントで穴をふさぐのは、仕事柄得意なんです私。

 

ミズナラ なまらフェーン現象だべさ。全道各地で熱中症のニュースが流れる炎天下、道北では32℃を記録。ハンパなく今日も暑かったあ。このところ暑い戸外での作業を快感に感じる私、汗グッショリになることで生きてることを実感している。今日の作業は、鹿の食害を防ぐ柵づくり。

 初孫誕生を記念して植樹したミズナラ。雪囲いをはずし鹿に新芽を食べられないように大きめのネットに変えたのだが、いつまでも日陰の中にいるようで気になっていた。陽の光をイッパイに浴びて元気に育って欲しいと「防鹿柵」を作ることにした。幼木の時期だけ鹿から守れればいいわけで、鹿が乗り越えられない高さを想定して材料を揃えた。大きな杭打ちハンマーがないので、ショベルで穴を掘り水を入れて乾いた土を軟らかくして、また掘るを繰り返す。ある程度深くなったところで杭を刺しハンマーで叩く。6本の杭を打ち終える頃にはヘトヘト。

防鹿柵 防鹿柵

防鹿柵 柵に竹の棒を縛り、ネットを張ると完成。これで鹿に襲われず、陽がサンサンと降り注ぐようになり成長が早くなると思う。樹高が柵の高さを超える頃には鹿の食害を心配しなくて良くなるが、あと何年かかるのだろう。それまで、この樹を守るために元気でいなければと思うのだが。

 秋には、目出度い記念樹を2本植えることになっている。どこに何の樹を植えようか思案中。もちろん長寿の樹が大前提。桜でもソメイヨシノは40~60年、生まれた子が40代~還暦の頃に枯れてしまうのでは困ってしまう。生涯ともに過ごせる記念樹を考えると、桜なら山桜(ベニオオヤマザクラ・エゾヤマザクラ)数百年は生きるという。

 薄緑色から徐々に白く変化し始めた手まり潅木の花。この暑さのせいで真っ白に咲き誇るのも早そうな気配。

手まり潅木

 屋外アンテナの設置により、画期的に受信状態が改善された我が家のFMラジオだが、最初の調整時に聴いた音が最高にクリアで分厚い音だったような気がする。その後、民放局の受信状態を改善しようとアンテナを水平から垂直に変えたり、場所を移動したりするうちに音が薄っぺらになってきた。設置してすぐは、高音が伸びやかで低音は重厚、一音ずつ粒だちが良く無音の静けさが素晴らしくCD以上のレベルに感じたのだが。

 この地域のFMが垂直偏波だと知らずに水平偏波用にアンテナを設置したのだが、結果的にそれが最高にイイ音だったことになる。正しい知識のないままインターネットの情報に流され、余計なことをやっちまったせいに違いない。「垂直偏波の電波を水平偏波のアンテナで受信すると、垂直偏波のアンテナで受信する場合に比べて20dB(100倍)以上減衰すると言われています。でも実際には伝搬経路によって偏波面が回転したり乱れたりすることから、それほど激しい減衰はありません。」という記事を目にしたことに始まる。こんな風に書かれると、アンテナを垂直にしたら「もっと音が良くなるんじゃないか」と思わない方がどうかしている。素直な私は、少しでも音が良くなるのなら多少の手間は惜しまずと、一度組み立てたアンテナをバラし垂直偏波用に立て直した。結果、良くなるどころか音に不満を感じるようになってしまった。

FMラジオ水平偏波用アンテナに またまたインターネットで「垂直偏波の電波は、水平に立てたアンテナでは全然ダメか?の問題ですが、もちろん受信できます。室内アンテナなどよりはるかに良好なはずです。垂直は垂直で受けた方がより良いというだけの話です」という記事を見つけた。

 要は「回りにまったく何にもない空間では、理論的に垂直偏波は水平偏波用のアンテナでは受信できないが、街中などいろいろ反射する空間では関係ない」ということらしい。なあーんだ、最初のままでヨカッタじゃん!ということで、またまたバラして再度立て直し。結局、音質も最初の状態に復帰。おかげで今、最高の音質で「由紀さおりが唄うスタンダードナンバー」を聴きながらブログを書いている。強電波地域に住む都会人には理解できないかもしれないが、電波の谷間の住人は少しでもイイ電波を捕らえて離さないために血のにじむような努力?を惜しまず試行錯誤を楽しんでいる。

電波の谷間のFMラジオ

 私の田舎は、周囲を山で囲まれ盆地になっている。いわゆる電波の谷間だが、「au」も「docomo」も繋がるし地デジも映る。問題はラジオ、マトモに聴けるのはAM・FMともにNHKのみ。特に鉄筋コンクリートの我が家では余計に聴きづらい。それでもオーディオラックには、昔、札幌で使っていたTrioのチューナーが収まっている。T型フィーダーという室内の壁に貼るアンテナで雑音だらけのNHKFMを聴いている。いつか、屋上にFMアンテナを立て「AIR-G'」や「NORTH WAVE」が聴こえるようにしたいなあと思っていた。旨くいけば10年ほど前、私がDJをやっていた隣の隣の街のコミニュティFMも聴こえるかもしれない。と、期待しつつ冬の間に材料を仕入れていた。

 屋上の雪もすっかり融け、絶好のアンテナ工事日和。
八木アンテナ部材 八木アンテナ部材

 魚の骨みたいな形の八木アンテナ。組み立ててみると、意外に大きく長さは3メートルもある。
FMアンテナ工事 FMアンテナ工事

 設置のあとの調整だが、横の長い棒を中継局の方向へ向ける。この状態でラジオを聴いてみる。今までと違って、全く雑音無くクリアに聞こえる。ただ、これはNHKFMだけ。他のFM局は、なんとか電波を拾うもののステレオにはならない。雑音も多く、聴きたくなるような状態ではない。きっと調整が悪いせいかしらと調整方法をネットで検索していると、重大な事実に気づいた。

FMアンテナ 今回、私が買った日本アンテナAF-7というのは、水平偏波用のアンテナとして売られていた。初めて知ったが、FM電波には水平偏波と垂直偏波という2種類があるらしい。水平偏波は、水泳のバタフライのような動きで水平に波打って進む電波。この電波を受信するアンテナは、よく見かける屋根の上のテレビアンテナのように地面と水平にアンテナ棒が並んでいる。対して垂直偏波は、へびのように左右に蛇行しながら進む電波。これを受信するアンテナは、地面と垂直にアンテナの棒が並んでいなければならないという。この水平偏波と垂直偏波、それぞれ送信中継局によって異なり一般的には水平偏波が多いらしい。私の田舎には四つの中継局がある。そのうちの一つ、たまたま私のエリアの中継局だけが、テレビ、FMいずれも垂直偏波。これは北海道内の中継局の中でもかなり珍しいケースであると書いてある。

トリオFMチューナーKT1000 なあーんだ、違うじゃん。アンテナを選ぶときから間違ってたじゃん。よもや、アンテナ買い換えかと思ったが、要は横向きのアンテナを縦向きにすればイイと云うことらしく、それ専用の金具は付いてないので、あり合わせの材料で修理して付け替え。アンテナ設置が終わり最終調整。NHKFMはクリアなステレオだが、他の放送局は「聴こえるけど」というレベルでFM本来の音ではない。それでも室内アンテナのときは、全く聴こえなかったのだからヨシとしよう。

 地形的に完全盆地のこの辺りは結局、電波の谷間にあって「ラジオ放送」は趣味の域を出ずユニバーサルサービスではない。需要の多い「テレビ」や「通信」だけがユニバーサルサービスであるのは、地理的な谷間のせいだけじゃなく政治力の谷間にあるような気がしてきた。


  ラジオ録音盤

  すべての記事概要

  リンク

CLUB ZENA

Powered by Movable Type 5.14-ja

  SSL証明書



  |  全記事一覧