「大人のオモチャ」といえば、すぐにアレを連想してしまうエッチなアナタ。違いますって。私が言うのは気品溢れるイイ大人が優雅な時間を過ごすための温もりあるオモチャのこと。今から2~30年ほど前、まだ大人になりきれてない私は肌触りの優しい木製玩具に憧れていた。アチコチで探したが見つからず、結局、自分で工作するしかなかった。
JCで忙しかった頃だが、イベントや飲み会や会議が終わり、深夜、家に帰ると一人黙々と木を削る。使う道具は鋸とサンドペーパーと木工ボンドのみ。ただひたすらに木を削りペーパーをかける。アタマの中はカラッポ状態。このときだけは自分の世界に浸れる。こうして出来上がったのがコリントゲーム。図面もなく、ただ思うがままに作ったオリジナル。ビー玉を指ではじいてコロコロ転がるとキンコンカンカラと釘をはじく音に癒される。しかし、1点100円で勝負をするときは癒されるどころか、かなりヒートアップする。1回戦持ち玉10個で5回対戦し、点差の分だけ支払われる。中には点数が2倍になる緑玉、3倍になる黄玉が1個づつあり、酒を飲みながら友人達とゲームに熱中して盛り上がることしばし。
ボールの転がりをよくするためにトップにはアールがつけてある。この部分の制作だけで1ヶ月も要した。色違いの木材を1個づつ削り、互い違いに組み合わせてボンドで貼り合わせていく。
出来上がってから何百回と玉を流し、入る場所の統計を取りそれぞれに点数を書き込んだ。だから低い点数に玉が集まるようになっている。
次に作ったのが、テトリス。テレビゲームにもあるが、これは対戦型テトリス。ロシアの数学者が考案したゲームらしいが、自分たちのルールはオリジナル。これは結構、金が動く。勝負のつきかたによっては掛け金が最低100円から200円・400円・800円とが倍々にふくらんでゆく。今だに記憶に残っているが、ビギナーズラックの初心者に1度の勝負で51,200円も負けたことがある。悔しかったなあ。
そして、世界大会まであるバックギャモン。よく鞄型になった既製品が売られているが、それでは満足できず、これもすべて木工工作。ただ、チップを初めは木製にしたが軽すぎて手になじまず、ピンクのレジンと透明レジンを重合して作った。手触りもよくイイ感じ。
このあとオセロの製作に取りかかろうと思っていた。しかしオセロでは無敵と自負していた私が、どうしても一番下の息子に勝てず、癪なので作らずじまいになってしまった。
今でもときどき、この「大人のオモチャ」を引っ張り出しては家族と勝負する。実は今夜、コリントゲームで家内に5,900円も大負け。家族であっても勝負事は、いつもニコニコ現金払い。クヤシーィ・・・