ジャガーが壊れテラノが壊れ、エクストレイルに乗り換えて約1年。リッター13.4キロと燃費もそれなりで遠出に利用していた。ただ、普段の足となるのは車庫にも入れず横の空き地にコロがしてある軽トラ。自転車代わりで惜しげ無く、通勤に山仕事に重宝している。何より気に入っているのが、5速のマニュアルシフト。過去に所有したクルマでマニュアルシフトは初めてのこと。昔、教習所へ通ったとき以来。オートマに慣れきってしまった私にとって、この感覚は新鮮で楽しくトリコになってしまう。なんといっても自分が操ってるという自覚がある。ディーゼルのテラノはオートマだったが、アクセルを踏むとウルサイほどにエンジンが反応し、これまた自分の足の踏み具合に直結して動いているという感覚で楽しかった。
あまりにも便利なので、近間や街中は軽トラで走り回っている。そんなとき、誰かに会うと必ず聞かれるのが「あれ、どうしたの?そんなクルマに乗って」。その都度「山で仕事をするため」と説明するが「似合わない」という言葉が返ってくる。別に誰がナニを云おうと気にする訳ではないが、少々オモシロクナイ。
そんな折り、ネットで見つけたのがランクル70再販モデルのピックアップ。なんてったってトラックだし、マニュアルシフトだし、軽トラよりデカイし荷物も積めるしダブルキャブなので後部座席に2匹の娘達も乗れる。現代風の曲線を基調にしたデザインに逆らって角張っているところが格好イイ。これイイなと思いカタログを貰いに販売店に行ったのが3月初め。去年の8月から今年6月までの限定販売とのこと。今申し込まなければ手に入らないかもと、オドされスカされ心が動き清水の舞台から飛び降りた。
エクストレイルを下取りに出し、我が家にやってきたランクル70ピックアップ。第一印象、デッデカイ!あまりにもデカく車庫に入らない。長さ5.3メートルは車庫に入れてもアタマが出っ張ってシャッターを下ろせない。しょうがないので横の空き地にコロがしてある。最小回転半径7.2メートル。極端に細い路地は曲がり切れないので、道を選んで走ることに。4000ccのエンジンはディーゼルではなくガソリン、それもなんとハイオク仕様。ガソリンが安価なアラブで走るのならともかく、カタログでは燃費リッター6.6キロ。省エネの時代、こんな贅沢なクルマはない。その上、1ナンバーのトラックは高速道路の料金区分が普通車ではなく中型車。割高な高速料金と今までの倍以上かかるガソリン代に家族の評判はすこぶる悪い。
乗り心地は、当然トラック。路面の凹凸を拾いユッサユサ縦に揺れる。何よりも荷台の位置が高過ぎて、荷物が積みにくい。軽トラの場合、荷台のアオリは3方に開くがランクルは最後部だけというのも難あり。当初、このピックアップが来たら評判の悪い軽トラを手放すつもりでいたが、軽トラの便利さには叶わないので結局手元に置いてある。今や、私は2台のトラックオーナー。トラック野郎の仲間入り。
新しいクルマを手に入れたワクワク感の中でガソリン代を気にしながら、この重たいトラックをマニュアルシフトで動かしていると楽しくてしょうがない。と同時に運送業でもない私が贅沢にガソリンを消費しているのは、とっても反社会的な行為に思えてくる。