走る犬小屋

 昔、シボレーのアストロというデカい車に乗っていたとき、縁石に乗り上げマフラーを落としてしまった。「ブロォーブロォー」と重低音を響かせ暴走族になったような気分で運転したことがある。人の迷惑を気にしなければ、アレはアレでなかなか気分がイイものだ。

 そのあと変遷を重ねジャガーに乗っているが、とにかく音が静か。プリウスのように無音というわけにはいかないが、停車中のエンジン音はまったく気にならない。アクセルを踏み込んでも音もなく加速するだけ。これはこれでイイのだろうが、運転するという楽しさからするとナニか物足りなさを感じてしまう。

 我が家の「走る犬小屋」が古びてガタついてきたので入れ替えた。クルマの内燃機関としては最高の効率を誇る「直噴ディーゼルターボ」なのだが、なんたってディーゼルエンジンの宿命「ウルサイ」。

 「ブバリバリバリ」まるでトラックのようだが、踏み込んだアクセルに反応して響くディーゼル特有のエンジン音は心地よい。まさしく自分がこのクルマを制御しているんだと自覚させてくれる。贅沢とは高級志向だけではなく、程よい不便さを楽しむことでもあるようだ。

 

よい子はマネしない

 私は小市民なので、デジタルで同じ数字が並ぶと嬉しい。マイジャガーの走行メーターが、ついに10万キロに達してしまった。高速道路で運転しながら携帯でメーターを撮影するのは難しい。

 ていうか危ないじゃん・・・

 

豪雪地帯

 札幌での昼の会議に間に合わせるため、クルマで出かけた。家を出るときは落ち着いていた天候も滝川インターに近づくにつれ視界5メートルほどの大雪。さすがは豪雪地帯滝川。インターの表示を見ると「事故のため一部区間通行止め」となっている。やむなく駅にクルマを乗り捨てJRで出かけた。

 帰ってくるまでの5時間、どれだけ積もるのだろうと出発前と到着後の写真を撮った。ずっと降り続いていたらしい。降りしきる雪の中、クルマの雪下ろしに寒い思いをして帰ってきた。

 

 このシンドイ思いを札幌の連中に伝えようと思っても、今日の札幌は快晴。同じ北海道でも、これほど違う。明日の札幌は、最高気温0度らしいが沖縄では22度。まるで、アラスカとサウジアラビア。こう考えると同じ日本人でも民族性が、それぞれに違うのも納得できる・・・

久々の更新

 我が家では、2匹のボーダーコリーの他にジャガーを飼っている。といっても動物じゃないんジャガー。先日、横っ腹を大きく擦ってしまい修理のため工場に入院してしまった。そこでレンタカーを代車にしているがマークXという小さなクルマなので慣れずに苦労している。

 木曜に最終便で上京し、翌日千歳に戻りマイナス1度の気温の中、高速を飛ばして帰宅した。妖しく黒く光る路面のため緊張して運転したせいもあるが、慣れないシートに背中やお尻が痛く、なによりもクルマの中の操作がわからない。ラジオのスイッチが消せないくらいだから、温度調節もままならず暑くなると窓を開けて走る。ウインカーを操作するとワイパーが動くし、タイヤの音がうるさい。新しいクルマは刺激的だが、やはり慣れたノリモノが一番というのは、なんでも同じかしら?

 ここのところ寒い日が続いている。「遭難したら、きっと死ぬべな」という極寒の中、チェンソーをふるって山仕事。野花南山荘は、すでに根雪。「寒かったなあ!」。カラダの節々が痛くヘトヘト。持ち手がエンジンに近い分、振動が伝わり白蝋病になるのもウナズケル。それよりもなにより足が冷たい。厚手の靴下にゴム長を履いているが、指先が凍傷になるほど痛くなり、そのうち感覚がなくなってくる。やはり下刈り・枝払いには時期が遅すぎたようだ。明日は「ホッカイロ」を全身?に貼って完全防寒対策で行くぞお。それにしても、この二人には寒さなんて気にならないんだろうか。

 

 山仕事のあとの冷えた身体を温めるには、晩酌が一番。今夜の肴は、頂き物の「ニシン漬け」。これさえあれば何もいらない。そうかあ、ニシン漬けの時期だもの寒いわけだよなあ。昔、ニシン漬けといえばシャリシャリに凍っていたモンなあ。疲れていたせいか、たった1本のビールで酔ってしまい7時には眠ってしまった。今頃ごそごそ起きてブログを書いている。今日は体力勝負だというのに・・・

 マイジャガーのCDチェンジャーが壊れてしまった。修理のため取り外してもらったら、すべての音がまったく出ない。チェンジャー本体にアンプが組み込まれていたらしい。CDもMDもラジオもテレビもすべて・・・

 この状態で札幌を往復した。片道約2時間のドライブの間、車内に響くのはタイヤが道路を擦る音とわずかなエンジン音のみ。ただひたすらハンドルを握り路面を走る。まったく音がないわけではないが、意識の中では無音。不思議な世界だ・・・

 いつもは、何らかの音が流れている。例えば、枝雀であったり、マイルスであったり、ビーチ・ボーイズであったり、ゼナであったり。心はどこか音が流れる世界を彷徨いながら運転している。余談だがドライブ中、踏み切りに差し掛かり遮断機が下りていると、一時停止後、決まって運転席側の窓を少し開ける。そうすると、踏み切りのカンカンカンという電子音とガタンガタンとレールを鳴らしながら通り過ぎる列車の音がサラウンドで車内に流れ込む。車内の音楽とイイ感じで重なり、私も何処かへ旅をしている気分になる。

 という訳で、私にとってクルマの中でのBGMは必須アイテム。しかし、いまだチェンジャーは入院中。しばらくは「耳寂しい」無音の世界に浸らなければならないようだ。私なりに勝手に解釈してみると、人間は、「無音の世界」では孤独を感じ、安心感を得るために心地よい音楽を求めるのかもしれない。

 話は変わるが、BOSEに「ノイズキャンセリング・ヘッドホン」というのがあるらしい。イヤーカップ内部に超小型集音マイクが付いていて外からの騒音をキャッチ、収集したノイズデータと逆位相の信号を発生して、イヤーカップ内のノイズをキャンセルする。クリアに音楽が聴けるらしい。ということは、音楽を聴かずとも周囲の雑音をカットするのに役立つということ。荒川静香が本番前に集中力を高めるために使っているそうだ。

 音を聞くのみならず、音をカットするためのヘッドホン。世の中、雑音だらけとはいえ、何か腑に落ちないよなあ・・・

 私は、静寂は好むが無音は苦手だ。


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