20cmフルレンジスピーカーをヤフオクで手に入れた。16cmを「平面バッフル」で鳴らし満足しているが、そこは浮気なオーディオマニア。ついつい大柄でマグネットがグラマラスな20cmに色気を感じ手を出してしまった。お気に入りの本命16cmは、このままの状態で置いておきたい。そこで、古いスピーカーボックスに20cm開口バッフルをつけセッティングしてみた。
アルテックはバックロードホーンで横に開口部があり広い音場を形成していたし、平面バッフルは音場の広がりこそが特筆すべき長所。ところが、バスレフ箱に入れたコーラル8A-70は、スピーカーボックスの存在を感じさせてしまう。フルレンジ一発であるにもかかわらず定位が悪い。
やむなく、16cmフルレンジを平面バッフルから外し、20cm用に穴を開け直しセッティング。やっぱり、これだ。一度平面バッフルを聴き慣れてしまった耳には、この音場の広がりと定位感は譲れない。ヴォーカルはセンターに定位するだけでなく奥行を感じるし、16cmに比べコーンが大きい分低音がしっかり再生される。若干高域に不満は残るが、もともと有毛細胞が減少し高域が聴こえにくいことを考えれば良しとしなければ。とはいえ、スピーカーとバッフル板を直付けにしたり、コルク板でガスケットを自作して挟んでみたり、袋ナットや軽トラ荷台用ゴムマットをインシュレーターにしてみたりの試行錯誤のチューニング。袋ナット3点置きでも前に1箇所後ろに2箇所の時と、その逆では音は違って聴こえる。細かな調整に明け暮れる日々だが、目標とするのは結局16cmフルレンジの中高域の音。
であれば、サブバッフルを付けて16cmに戻せばイイだけの話なのだが、それができない。せっかく縁あって私のところへやって来た浮気相手の20cm、なんとか思い通りにしてみたいと願うのがオトコのロマン。と、もがきながら前に進もうとしている自分を愛おしく想う本末転倒なオーディオマニア。
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