すぎもとまさとの紅い花

 普段あまり歌謡曲は聴かないが、「紅い花」でも書いたように、ちあきなおみの紅い花という曲が好き。遠い若すぎた恋に想いを馳せるも、今はもう消えた夢の一つ。呑むほどに込み上げる虚しさ切なさ。愛したという記憶だけを残し、また明日が訪れる。

 沁みるなぁー。日本人に生まれてよかったなー。と思える1曲。

 歌詞もいいが、何より曲が美しい。最近、杉本真人という作曲家を知った。youtubeで紅い花を検索したら「すぎもとまさと」が唄う紅い花がヒットした。

 多くの歌手に楽曲を提供している有名な作曲家らしい。Wikipediaによると、え!アノ人のアノ曲もそうなの?と、歌謡曲にウトい私でさえ知っている曲が沢山ある。作曲家としては「杉本真人」、歌手の時はサングラスをかけ「すぎもとまさと」と表記するらしい。

 決して上手ではないが旨い。味を伝える心がある。他人が作った曲に思いを込め、人を感動させるのが一流の歌手だとすれば、すぎもとは作曲者だからこそ自身の思いを込めることで感動が伝わるのかもしれない。と、同い年のよしみでエラそうに書いたが、ナニを隠そう一辺にファンになってしまったのだ。

すぎもとまさと BEST & BEST

 amazonで「BEST & BEST」を取り寄せ、ハマって聴いている。そうはいっても2枚組26曲も入っている。自ずと好きな曲とそうでもないのに分かれてくる。レコードと違って曲を簡単にスキップできるのがCDの便利なところだが、2枚組ともなればCDの入れ替えをしなければならない。その煩わしさから開放されるためにmy favorite numbers10曲を1枚のCDに焼いて楽しんでいる。この中でも絶対に外せないのが「紅い花」「冬隣」「黄昏シネマ」。聴いていて映像が目に浮かぶのは作詞家の才能もあるが、そのイメージを形にしたメロディメーカー杉本の力量。最近、セッティングした「平面バッフルスピーカー」。インストゥルメンタルより、人の声が沁みるように鳴る。そのせいなのか歳のせいなのか、私は今、沁みる唄に浸っている。

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