Planar T* 50mm F1.4

 30年前に購入したオールドレンズ「カール・ツァイス Planar T* 50mm F1.4」を使うため手に入れたレンズ交換式デジタルカメラ。できるだけ小さなボディを選んだが、レンズをつけるとそれなりに大きく、持ち慣れているSONY TX10のようにポケットには入らない。カメラバッグを持ち歩くのは大げさなので、通勤カバンの片隅に押し込んでいる。

 いつ何処でシャッターチャンスに巡り会うかわからないとはいえ、マニュアルなので準備に時間がかかり突発的なチャンスには対応できない。心惹かれるモノや染みる景色に出逢うと、構図を決め感度と露出とピントを合わせシャッターを切る。モノや景色のメモではなく、漂う空気感まで写し取りたいと思うのだが。

 Planar T* 50mm F1.4 + OLYMPUS E-PL3

(※クリックで現れる画像を再度クリックすると、等倍のオリジナル画像を表示します)

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世界一の朝食 bills

 先週木金を東京、土日を名古屋で過ごした。金曜の会議が終わると完全なオフ。夜は、日本で一番旨いと思う「銀座アスターの陳麻婆豆腐」の辛さに痺れ、丸の内COTTON CLUBでJAZZを堪能。明けて土曜の朝、世界一の朝食を頂くために早起き。お台場海浜公園そばのデックス東京ビーチ、シーサイドモール3Fにある「bills」。オーストラリア発のレストランで、日本では他に鎌倉・横浜・表参道にあるらしい。「オーガニックスクランブルエッグ」が、ニューヨークタイムズで世界一の卵料理と評されたことで有名だという。

 銀座アスターで食事中、同席していた友人の娘さんに勧められた。「せっかくだから名古屋へ発つ前に、世界一の朝食を食べていったら」ん?世界一?朝食?なんだそれは?

お台場bills 初めて聞く世界一の朝食。ディカプリオがオーストラリアでの撮影期間中、通い詰めて体重が増えてしまい禁止令が出たとか。ハリウッドセレブに愛される独創的なメニューの数々だとか。田舎者のオジサンには、まったく縁のない別世界の話だが、せっかくなので同級生の友人と連れ立って、つまりはオジサンのカップルで出掛けた。朝食だから早朝にというわけではない。開店9時を過ぎると、行列が出来て待ち時間が長くなると聞いたため。いくら世界一の朝食でも、並んでまで喰いたいとは思わないというのがオジサン二人の意見。幸い、オジサンたちは朝早く目が覚める。朝7時半にホテルをチェックアウト、8時半過ぎにはデックス東京で開店を待つ行列の中にいた。若い家族連れ、若いカップル、若くないオバサン同士、若い女の子たちの行列に並ぶ異色のオジサン二人は奇異に映るだろうと思うが、ここまで来たら引き返せない。9時開店と同時に店内の窓際席に着いた。

お台場bills お台場bills

リコッタパンケーキ 友人の娘さんイチオシは「リコッタパンケーキ」。それはそれで注文するとして、別のものを頼んでシェアして食べようということになったが、「メニュー」を見ても良く理解できない。フリッターって何?スクランブルエッグって気分じゃないし、アボガドにローストトマト?結局、二人ともリコッタパンケーキとコーヒーに落ち着いた。まわりのテーブルに運ばれてくる皿を眺めていると、ほとんどがパンケーキ。やはりイチオシらしい。なかにはスクランブルエッグとトーストらしきものを食べる人もいて、なぜか通い慣れた粋な都会の人に見えてくる。

 いよいよ運ばれてきた「リコッタパンケーキ」。フワッフワのホットケーキ3枚にバターが乗って、バナナが添えてある。ピッチャーにメープルシロップらしきものが入っている。ナイフを入れると、想像以上にヤワラカな食感とともに重ねたパンケーキの間から溶けたバターが流れ出す。口に運ぶと、フワンフワンの口ざわり。なんでこんなにヤワラカイ?初めての食感!甘くない。少し感じる塩味がリコッタチーズなの?だいたいリコッタチーズって何?「スゴイな、この柔らかさは」と感激しながら食べていると少し飽きてくる。なんたって3枚もあるんだから。そこでシロップをかけて甘くして、ときどきバナナを口にするのは箸休めのようなもの。途中でシロップをオカワリして、甘~い最後の一切れを食べきって満足満腹。とっても美味しかったけれど、毎朝食べたいかと聞かれたら、ときどきでイイかも。そういう意味で私にとっては世界で2番目。やはり、世界一の朝食といえば「卵かけご飯(醤油は本膳)に焼き海苔」だよな。

自己満足の世界

CONTAX 139Q 初めて自分で買ったカメラが「コンタックス139クォーツ」。仕事で使うことを理由に「リングストロボ付のマクロレンズ」まで用意した。当時、周囲の同業者では「メディカル・ニッコール」が主流。ボディもニコンというパターンが多かったが、私の場合、仕事用というのは口実で本音は「カール・ツァイス Planar T* 50mm F1.4」というレンズが欲しかっただけのこと。このためにコンタックスのボディは必需品。50mmは標準レンズ。当然、広角や望遠も欲しくなるのは人情だが、仕事ではマクロと標準以外必要としないため、高価なレンズを買うのも気が引け結局、標準以外は「カール・ツァイス」でなく「ヤシカ」で揃えた。カメラバッグを持ち歩き、子供たちを撮るのに充分活躍していたが、コンパクトなキャノンIXYのAPS機をポケットに入れて歩くようになってから、しばらくバッグの中に眠っていた。

CONTAX 139Q Planar T* 50mm F1.4

 小振りでシンプルな形の「コンタックス139」は、数ある一眼レフの中でも一番スタイルがイイと思う。欠点は純正の張り皮が脆く、手汗の湿り気程度でもボロボロに剥がれてくること。最近、カメラに詳しい友人がライカのような皮に張り替えてくれたおかげで、まるで新品のように蘇り今は触っているだけで楽しい時間が過ぎてゆく。もう一度フィルムで撮影してみようかなとも思うが、フィルム代・現像代、加えて出来上がるまでの時間などを考えるとデジタルの方が断然便利。人間、楽を覚えると不便な時代に戻りたくないのは性(サガ)。PL3+50mm F1.4というわけで、両方のイイとこ取りを模索。なんとか、銘玉 Planar T* 50mm F1.4をデジカメに利用できないだろうかと思っていたところ、なんと、オールドレンズをデジカメで使うためのマウントアダプターという便利なものがあるではないか。早速手に入れようと思ったが、肝心のレンズ交換式デジカメがない。カメラの重要な要素として写りもさることながら軽快さにも重きを置く私としては、より小さなモノがイイのだが、昔のレンズとの相性もわからず買って後悔もしたくない。ということで、とりあえず捨てても惜しくない程度の中古品を手に入れた。オリンパスPEN Lite E-PL3は、フィルムの役割を担う撮像センサーの大きさが35mmフィルムの半分。ちょうど昔のオリンパスペンがハーフサイズだったのと同じ感覚なので、焦点距離50mmのレンズは、35mm版に換算すると2倍の100mmになる。これは、写る範囲が狭くなり対象物がより大きく写るということ。同様に広角24mmのレンズは標準48mmになり、望遠70mm-210mmのズームレンズは140mm-420mmの超望遠になる。ここまで超望遠になると、いくらカメラに手ぶれ補正が付いているとしても三脚なしでの撮影は無理。もちろん、オールドレンズはオートフォーカスに対応している訳もなく、ピント合わせはマニュアル。露出も自動でなく結果的に、不便で操作性の悪い状況に自分を追い込んでいることになる。結局は自己満足の世界なのだが、カメラまかせのオート撮影では得られないナニかという幻を求めて、自由な心の中で遊んでいるだけなのかも。

PL3+24mm F2.8 PL3+70mm-210mm F4.5-22

想い出のカメラ

フジペット 私のファーストカメラ、今はもう手元にないが子供の頃に買って貰った「フジペット」。子供向け入門カメラ。露出は天気マークで合わせ、シャッタースピードは1/50秒とバルブの2つだけ。レンズ左横の①というボタンを押してシャッターをチャージ、右横の②というボタンでシャッターを開放する。もちろんフィルムは手動で巻き上げ、ボディ背面の赤窓でフイルム番号を合わせる。ピントはパンフォーカスだが、絞りを間違えると距離によってはボケる。ブローニー判白黒フィルムは子供が小遣いで買うには高すぎて、親戚が集まったり墓参りに出掛けるなど特別なときにだけ買って貰えた。だから普段はフィルムを入れずに持ち歩き、ファインダーを覗き①→②とボタンを押しシャッターを切り仮想の写真を撮っていた。それでも嬉しかったなあ。今、ネットで検索するとボディは5色あったらしいが、私のは青色だった。当時の値段で1,950円というから昭和30年代のこと、子供のオモチャにしては結構高い物だったに違いない。

オリンパスペンEE 30代半ばを過ぎて初めて自分でカメラを買うまで、家にあるカメラで間に合っていた。一番記憶に残るのは「オリンパスペンEE」。ハーフサイズなので36枚撮りフィルムで72枚も撮れてしまう。縦横逆になるが「固定焦点」「シャッタースピード1/60秒」「自動露出」で何も考えずボタンを押すだけ。暗いとファインダーに赤マークが現れ、シャッターが落ちない。つまり、すべてカメラまかせ。使いやすいカメラだった。

 長男が生まれて、よく使ったのが「マミヤフレックス2」という二眼レフ。完全マニュアルだが、絞りとシャッタースピードを合わせるのは「フジペット」で慣れているので、お手の物。大きな磨りガラスのファインダーには見やすいピントルーペが付いていて焦点も合わせやすい。操作は簡単で写りも良い。ブローニー6×6版なので正方形のプリント。1950年代製のカメラなので60年は経過しているが、今でも現役。下のバラの写真は、このカメラで撮ったもの。(※クリックすると拡大表示されます)

マミヤフレックス2 マミヤフレックス2

マミヤフレックス2 マミヤフレックス2

 もう一つ古くから家にある「ウェスター・クローム6」。西田光学の6×6判蛇腹カメラ。通称「三角お屋根」と呼ばれる1951年製初代ウエスタークロームのようである。ファインダーはあるがピントに連動していない。距離がフィート表示であり、ピントは目測で合わせるタイプなので難しく使ったことはない。

ウェスター・クローム6 ウェスター・クローム6

ウェスター・クローム6 ウェスター・クローム6

ピッカリコニカ 亡くなった父の晩年のメイン機「ピッカリコニカ」。1968年発売のコニカC35は「ジャーニーコニカ」。1975年発売のコニカC35EFは、世界初のストロボ内蔵コンパクトカメラ「ピッカリコニカ」。1977年発売のコニカC35AFは、世界初のオートフォーカスカメラ「ジャスピンコニカ」。

 世界に誇る高い技術を持つ小西六写真工業は、1987年コニカ株式会社と改め、2003年ミノルタと合併しコニカミノルタとなった。2006年にはカメラ部門をソニーに譲渡しコニカの名前は消えたが、私が今一番憧れている35mmフルサイズセンサー、ローパスフィルターレス仕様「DSC-RX1R」の技術の礎になっている。

天高く私も肥ゆる

ヒメリンゴ

アカモミタケ たまに暑い日もあるが、姫リンゴが色づく秋本番の野花南山荘。この季節になると、私の心とアタマの中はキノコのことでイッパイになる。キノコには様々な魅力があるが、なんといっても見つけたときの喜びに勝るものはない。もちろん食べられて美味に越したことはないが、それが毒キノコであっても可憐な姿や毒々しい姿にも心惹かれる。

 今日も午後から仕事を抜け出し、山荘内を散策。アカモミタケを大量に見つけた。キノコ狩りはタイミングである。キノコは日ごとに成長するので小さな個体の場合、今日より明日の方が多く収穫できるのだが、人生、明日のことなど分からないので「採れるうちに採る」が座右の銘。林先生でなくても、いつ採るの?今でしょ!

 アカモミタケに似たキノコにアカハツやハツタケがある。アカハツやハツタケの場合、傷つけると初めに橙黄色や暗赤色の乳液が出て時間が経つと青緑色に変わってくる。アカモミタケは、傷つけると鮮やかな朱紅色の乳液が出るが時間が経っても変色しない。これらは間違えようもないし、もし間違えてもどちらも可食なので問題ないが、形が似ていて傷つけても乳液が出ない場合は気をつけた方がいい。ひょっとして、身体中の末端が赤く腫れて1ヶ月も激痛が続くという「ドクササコ」のことがある。下の写真はドクササコの菌輪とドクササコ。

ドクササコの菌輪 ドクササコ

アカモミタケ混ぜご飯 アカモミタケは味が良いキノコなので、ゴマ油で炒め、酒、味醂、醤油で炒りつけ濃い味のキンピラにする。これを炊き上がった炊飯器に放り込み、蓋をして10分ほど蒸らし、かき混ぜて茶碗に盛るとアカモミタケ混ぜご飯の出来上がり。タマゴタケのホイル焼き、ラクヨウキノコの味噌汁、今夜の夕餉は秋の香りの大饗宴。これにサンマの塩焼きでも添えればヤラセのように秋らしさ過剰演出になるが、私の採ったキノコはラクヨウ以外、一切口にしないという家内が用意した今夜のメインディッシュは焼き鳥。とはいっても北海道では豚肉とタマネギを串に差し、焼いてタレ味に仕上げる「精肉タレ味」。どこが鳥なの?という焼き鳥。これがまた旨いんだよなあ。ついつい食べ過ぎてしまう。まさに天高く私も肥ゆる秋。

ラクヨウキノコ

ラクヨウ

ラクヨウ ラクヨウ

 今年も暑い夏だったが、お盆が過ぎると朝晩めっきり涼しい。気温が下がると秋のキノコたちの出番。 今年もラクヨウは豊作の予感。初物を味噌汁で頂いた。五官すべてで味わう秋の味覚、まさに幸せを感じる至福の時。


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