たまに暑い日もあるが、姫リンゴが色づく秋本番の野花南山荘。この季節になると、私の心とアタマの中はキノコのことでイッパイになる。キノコには様々な魅力があるが、なんといっても見つけたときの喜びに勝るものはない。もちろん食べられて美味に越したことはないが、それが毒キノコであっても可憐な姿や毒々しい姿にも心惹かれる。
今日も午後から仕事を抜け出し、山荘内を散策。アカモミタケを大量に見つけた。キノコ狩りはタイミングである。キノコは日ごとに成長するので小さな個体の場合、今日より明日の方が多く収穫できるのだが、人生、明日のことなど分からないので「採れるうちに採る」が座右の銘。林先生でなくても、いつ採るの?今でしょ!
アカモミタケに似たキノコにアカハツやハツタケがある。アカハツやハツタケの場合、傷つけると初めに橙黄色や暗赤色の乳液が出て時間が経つと青緑色に変わってくる。アカモミタケは、傷つけると鮮やかな朱紅色の乳液が出るが時間が経っても変色しない。これらは間違えようもないし、もし間違えてもどちらも可食なので問題ないが、形が似ていて傷つけても乳液が出ない場合は気をつけた方がいい。ひょっとして、身体中の末端が赤く腫れて1ヶ月も激痛が続くという「ドクササコ」のことがある。下の写真はドクササコの菌輪とドクササコ。
アカモミタケは味が良いキノコなので、ゴマ油で炒め、酒、味醂、醤油で炒りつけ濃い味のキンピラにする。これを炊き上がった炊飯器に放り込み、蓋をして10分ほど蒸らし、かき混ぜて茶碗に盛るとアカモミタケ混ぜご飯の出来上がり。タマゴタケのホイル焼き、ラクヨウキノコの味噌汁、今夜の夕餉は秋の香りの大饗宴。これにサンマの塩焼きでも添えればヤラセのように秋らしさ過剰演出になるが、私の採ったキノコはラクヨウ以外、一切口にしないという家内が用意した今夜のメインディッシュは焼き鳥。とはいっても北海道では豚肉とタマネギを串に差し、焼いてタレ味に仕上げる「精肉タレ味」。どこが鳥なの?という焼き鳥。これがまた旨いんだよなあ。ついつい食べ過ぎてしまう。まさに天高く私も肥ゆる秋。