ウナギンの効用

 地元で5本の指に入るという名店「いさみ」。昨夜、業界の集まりに期待を膨らませて出かけた。というのも、焼き鳥、鰻の旨い店として愛され続けて、ん十年。地元の鰻好きには垂涎の憧れの店。特にこの時期、タケノコを皮ごと炭火で焼いて、熱々の皮を剥きながら味噌マヨネーズをつけて頂く。今が旬の最高の美味。タケノコと云っても根曲がりタケという細いものだが、新鮮なものはトウキビのように甘い。

 我が業界のシキタリどおり予算が決まっていて、それに合わせて料理が運ばれてくる。刺身に始まり、殻付き生ウニ、タモギの卵とじ、焼き鳥、焼き牡蠣、焼き魚、タケノコの炭火炙りなどなど豪勢に食卓を飾る。ビールも焼酎も進み、残すはシメの鰻のみになった。お腹と相談すると小さな茶碗の「まぶし」が、ちょうどイイな。と、酔ったアタマで考えている宴もタケナワ。運ばれてきたのは、蒲焼き色の小さな物体。よく見ると焼きオニギリ。「まぶし」を小さく握ったのかしらと頂いてみると、正真正銘の焼きオニギリ蒲焼きタレ味...

 「うーん、敵もさる者。少ない予算と鰻高騰の狭間を埋める秘策、アッパレじゃ!」とは、ならんて。ウソでもカケラでも鰻を入れんかい。と、旨いものをタラフク食べて呑んできたにもかかわらず、ほんのちょっとの欲求不満を抱えたまま一夜が明けた。

 いつものように午前の仕事を終え、昼食に戻ると「わあ、ビックリ!」。浜松から浜名湖産の鰻の蒲焼きが冷蔵便で届いてるという。なんたって国産だぜぇ。ワイルドだぜぇ。早速、お昼に頂いた。焼き網に乗せ、尻尾の先に焦げ目がつくくらい魚焼き器で炙る。こうして頂くと、まさにお店の味。はあ、幸せだなあ!平日の昼間に、こんな贅沢してるのは我が家くらいなんじゃないのとリッチな気分で頂くと余計に美味しい。

 結局、昼食に「鰻蒲焼きご飯」、夕食には「うな重」を頂いた。1日に2度も鰻を頂ける日が来るなんて人生初の出来事、生きててヨカッタあ。まるで盆と正月とクリスマスと誕生日が一辺に来たみたい。もともと、鰻を頂くと精神的に落ち着く私。鰻に含まれるウナギンZの効果だと思い込んでいるのだが、今日はダブルで頂いたので、より効果の高いウナギンW が私の身体の中を駆け巡っている。

蒲焼き うな重

 でも、この展開はナゼ?とハタと気づいた。そういえば、浜松の親戚もときどきこのブログを読むらしい。こないだから「ウナギ、ウナギ」と書き続けてきたもんなあ。「アナタが、ウナギウナギって騒ぐからよ」と、家内にタシナメられた。そうか、そういうことか。ここで騒ぐと全国から旨いものが届くらしい。シメシメ、今度は何を騒ごうかしら...

野生化したコンフリー

 私が仕事をしているブースの隣で、患者さんが「アレ食べたことあるかい?」と、窓の外を指さし歯科衛生士に聞いてる様子。「どれですか?」「あのピンクの花の、あの葉っぱ」「いえ、ないです」の答えに「天ぷらにすると美味しいよ」という会話が耳に届いた。「ん? 天ぷら? 美味しい?」。そんな旨い話は、聞き捨てならないと即、隣へ行き「どれどれ? アレ? アレ食べれるの?」

 

 そうして教えてもらったのがコンフリー。そういえば昔、身体にイイと健康ブームになってたような気が。そのピンクの花の雑草は、裏の空き地にイッパイ生えている。そんなに身体に良くて旨いモノがこんなに沢山あるなんてと、早速、裏口から採りに出た。自分の分だけじゃ悪いなと、衛生士の分も袋イッパイ採ってきた。聞いた話では天ぷらだったが、他に旨い食べ方はないかしら。インターネットで調べてみると、

コンフリー 「葉にはビタミンB12やタンパク質を多く含み、1970年代には健康食品として扱われていた時期もあるが、肝障害をおこす健康被害のため、2004年厚労省が食品としての販売を禁止した」と書いてある。ピロリチジンアルカロイドが含まれていて、長期間、過剰に摂ると肝障害をおこすらしい。健康食品として一時期、大ブームになり家庭で栽培されたモノが野生化して増えているらしく、今では毒物扱いで見向きもされない。

 ということは、長期間でなくて過剰でなくて、少しだけなら食べてもイイってことね?このアルカロイドはフキノトウにも含まれてるというから、別に気にしなくてもイイんじゃないのと持って帰ってきた。

 ところが、今夜の献立は餃子だと云う。皮を包むのに忙しそうで天ぷらが割り込む隙間はないらしい。ということで、コンフリーの天ぷらはオアズケ。結果的に私の肝臓の寿命が少しだけ延びたみたい。

早起きは三文の得

 我が家の玄関アプローチには、ラティスが設置されていて季節の花やバジルなど鉢植え植物が掛けられている。このラティス、手すりにワイヤーで固定されたもの。取り外すことなく長年放置されているため、水やりのせいで手すりが錆びて塗装が朽ちてきた。「どげんかせんといかん」と、ずうっと気になっていた。

 昨日土曜の午後、好天に恵まれたのでラティスを外し、塗装をはがし錆を落とし凸凹を削りサンドペーパーで磨き、ペンキ塗りの下準備まで終えた。天気予報では明けて日曜日「曇りのち雨」らしくペンキ塗りは、オアズケの予定でベッドに入った。

 夜に強いが朝に弱い。普段、布団の中でいつまでもグズグズしてるのに、日曜に限って早く目覚めるというのは子供の頃からのクセ。6時に目が覚めると外は快晴。これなら「曇りのち雨」の雨が来るのは夕方かしらと、ブルーシートでマスキングをしてペンキを塗り始めたのが午前7時。なんたって2時間もあれば乾いてしまうという速乾性水性塗料。朝のうちに済ませてしまえば、山荘の草刈りにも出掛けられる。やっぱり「早起きは三文の得」だなあと、私らしくもなく健全な精神状態でペンキ塗り。もともと、ペンキを塗るのは大好き。以前、連休中に診療室の壁を自分で塗り替え、その達成感に満足したこともある。

 鼻歌まじりに調子よく塗っていると、あたりが暗く・・・。ん? 日食かしらと、見上げると黒い雲が・・・。エー、まだ乾いてないよお! とりあえず降り出す前に塗るだけ塗っちゃえと、ヤッツケ仕事を済ませて一服していると雨音が。時計を見ると午前8時。速乾でも2時間かかるのに・・・

 誰だあ?「早起きは三文の得」だなんていった奴あ? だいたい三文って、今の60円くらいの価値らしい。「二束三文」て言葉もあるくらいだから、やっぱり寝てた方がマシなのかなあ。

紅い花 - ちあき なおみ

 長年連れ添ってきたマイジャガーのエアサスペンションが壊れ、車高短(シャコタン)になってしまった。これ幸いにグラサンにツナギでブイブイ乗り回そうと思ったが、ほんのちょっとの路面の起伏でも底を擦って自走できないほど。整備工場へ運んだところ、部品交換で直るらしいが、他も傷んでいて4本全部のエアサス交換が必要かもと云う。聞くと、軽自動車が買えるほどの値段なので、この際引き取ってもらうことにした。

 死ぬまでに一度でイイからジャガーに乗りたい! 夢が叶った8年前、諸経費含めて千ん百万もの大枚をはたいたのだが、買い取り業者の提示金額、なんと20万円。高価買い取りというCMの割には、シミッタレた金額だが、壊れてるんだからシャーナイとアキラメて手放した。

 そんなわけで、今まで「走る犬小屋」だった日産テラノが、現在の私のアシになっている。今週すでに3回も札幌往復と大活躍。今や私の「走る応接間」にまで格上げされた。しかし、如何せん「走るオーディオルーム・ジャガー」の静寂さとは比較にならないくらいウルサイ。なんたってディーゼルエンジン。ブリブリバリバリ、音がスゴイ。そこで、街中ではやらないが、高速道路ではヘッドフォンで音楽を楽しんでいる。

 私のiphone musicフォルダには数百曲。ほとんどJazzとcountry。そんな中、2曲だけ歌謡曲が入っている。そのうちの1曲が「ちあきなおみ」の「紅い花」。これほどヘッドフォンが似合う曲はないと思う。

ワイルドだぜぇ

アメリカオニアザミ 私の仕事場の裏と隣接地には広大な空き地が広がっていて、大きな窓から景色を眺めながら働いている。全く手を加えていないにもかかわらず春にはスイセン、この時期にはルピナスやマーガレットの花で季節を楽しませてくれる。

 ただ眺める分にはイイのだが、雑草が生い茂るなかに、毎年増え続けるアメリカオニアザミが人の進入を阻んでいる。ヨーロッパ原産なのに何故かアメリカと名付けられた1メートル以上に育つこの草には、薄紫色の花の根元にある球状の苞(ほう)や葉っぱや茎に危険としか云いようのないトゲがイッパイ。分厚い手袋でも防ぎきれないこのトゲの姿は、まさに凶器そのもの。

 山荘では草を刈るのが趣味の私だが、ここの草を刈りたいと思わないのは、自然のままの景観を楽しむためもあるが、人の手を加えなければ、どこまで強い品種が増え続けるのかを見届けたいというのもある。ひょっとしてアメリカオニアザミだらけになったら、かなりワイルドだぜぇ。

 

 通用口の階段で羽化を待つミノムシ。自然がイッパイなのは、わかるけどイッタイどんなところで働いてるのかって? ここは、決して野戦病院じゃないから...

みのむし

寝る子は育つ

つつじ 久々におてんと様のご機嫌と私の都合があったので、山荘で草刈り。この時期、雑草の生長は著しい。満開のツツジも草に埋もれている。

 アプローチと広場と池の周りを刈るのに、ほぼ1日。アタマと首にタオルを巻き、マスクで口元を覆い防護フェイスマスクで完全装備。上下のツナギに草刈り用エプロン、ゴム長靴という出で立ちは、さながら原発に向かうスタイルに見えなくもない。この格好で炎天下、草を刈るとかなり体力が消耗する。休憩して食べた握り飯3個分のエネルギーなんて、すぐに尽きてしまう。用意した2本の水筒も空になりヘトヘトになって帰宅した。

 風呂を浴び夕食が終わった午後6時半過ぎ、どうにも眠くてベッドに入ったら即爆睡。夜中の2時に目覚めたが、まさかそんな時間に起きるわけにもいかず、そのまま目をつむったら朝8時まで熟睡。なんと13時間も眠ってしまったあ。はあー、寝疲れたあ...

 睡眠中、脳の中では2~3時間おきに成長ホルモンが分泌されているらしい。ということは眠れば眠るほど分泌量が増えることになり「寝る子は育つ」と云われるのも頷ける。どおりで、朝起きたらデッカクなったような気がした。

 


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