このところ長雨が続き、山荘の作業が停滞している。雨合羽で伐採や草刈りをするほどのヤル気もなく、日がな午後はダラダラと過ごしている。時間を持て余し、結局このブログをモバイルフレンドリーに構築しなおした。つまり、スマホでも見やすく表示できるということ。画面の大きさによって表示の仕方を変える。これをスタイルシートの書き換えで実現。久々にパソコンに集中し楽しい時間を過ごした。
薪棚、何やら色が違う。通常、切り株の断面は白っぽいのが普通だが、オレンジ色。かなり水分を含んでいる。正体は、ケヤマハンノキ。白っぽく見えるのは、ニセアカシヤ(ハリエンジュ)とトドマツ。もともと風で倒れるのは、あまり樹形が広がらないトドマツやカラマツが多い。近間の風倒木は片付けてしまったので、あとは遠くまで遠征しなければならない。とてもじゃないが大変なので、近くの雑木を間伐目的で伐採している。といっても、この時期のトドマツはヤニが多く手袋や作業衣だけでなく、チェンソーやエンジン運搬機のハンドルなど触るものすべてがベタベタになるので敬遠。できるだけ広葉樹を伐っている。
そんな中、コシアブラだと思って伐り倒したのがオレンジ色の木。チェンソーで伐った瞬間の断面は白いが、みるみる酸化して赤くなっていく。あれぇ、コシアブラじゃないわ。春の三大珍味、ウド、タランボ、コシアブラ。コシアブラもこれほど大きくなってしまったら芽も摘めないからと切り倒したのだが、どうも違う木だったようだ。図鑑で調べたところ、葉の形からケヤマハンノキと判明。
ハンノキ(榛の木)には、沢山の種類があるらしくケヤマハンノキの樹皮は灰褐色か灰白色でなめらか。どおりでコシアブラと間違えるはずだわ。葉の形や付き方を確認すればわかるはずだが、こんな高い木の場合、樹上の葉っぱまで見通せない。切り倒してはじめて枝についてる葉で確認。何よりも、伐採後間もなく切り口がオレンジ色に変色するのがハンノキ類の特徴とのこと。樺の仲間で、殺菌力が強く鳥インフルエンザの消毒などに効能があるらしい。下の写真は、伐採3週間後の切り株。
ハンノキのアイヌ語の呼び名「ケネ」は血になる木という意味。アイヌはハンノキの枝を赤ん坊のおしゃぶりの材料にしたらしい。増血作用があって、しゃぶらせることで抵抗力を高めるという意味があったのだという。「♪この木なんの木、気になる木」が「♪この木ハンノキ、血になる木」というオチがついて解決。メデタシメデタシ。
はんの木の それでも花の つもりかな 一茶
「ハンノキの花」で画像検索してみると、小林一茶の想いが伝わるかも。