雨のタイミングと気温の関係が合わず、今年はラクヨウ(ハナイグチ・ヌメリイグチ)不作の年。いつものように、ラクヨウの味噌汁を飲んで「ハアー、幸せだなあ。私は、きっとキノコから生まれてきたに違いない」と幻覚的タメ息をついたのは、たったの2回。保存食として冷凍するほどの量もなく今年は寂しい限り。今、思い返しても「4年前の大豊作」が夢のように思えてくる。「ま、こんな年もあるさ」と諦めながらも、しつこく山荘内を探しまわっているが、オンナキノコ(ハナイグチ)だけでなくオトコキノコ(シロヌメリイグチ)まで不作だから、しょうがない。
昨夜、弱々しい雨が降っていたので淡い期待を胸に早起き。案の定、見つけたラクヨウはたった2個でガッカリ。それに引き換えアカモミタケは結構見つかる。ただ先日大量に採ってキンピラで頂いたばかりなのでパス。そんな時見つけたのが、ラクヨウの仲間キノボリイグチ。普通イグチは地面に生えるが、キノボリイグチは朽ちた木や倒れた木に生える。苔むした倒木に生えても、ほとんど地面に生えているようにしか見えない。今まで「木に登らないキノボリイグチ」にしか出会ったことがない。朽ちてない立木に生える典型的な姿は、まさに名は体を表す。カタチはラクヨウに似ているが、傘の表面にササクレがある。味は、ほとんどラクヨウと同じで幸せを感じる極上の旨さとか。ものの本によるとラクヨウより野性味あふれる味と書いてあるが、「味を言葉で表現できない私」にとって野性的な味というのがワカラナイ。
図鑑によっては胃腸系中毒を起こすとも書いてあるので、あくまで自己責任で。
※2016/10/8「キノボリイグチ」として投稿しましたが、その後、「ヌメリスギタケモドキ」と判明しましたので訂正します。