盃よりグイ呑みが好きだ。長い間にたくさん集まった。普段使いにいくつか飾ってあり、そのときの気分で選んで使うのだが、しまい込んだものは、いつまでも陽の目を見ることがない。
磁器より陶器が好きだ。無骨な肌触り、脆さ、暖かさ、口当たり、なにより素朴な美しさを感じる。気に入るといつまでも使い続ける。使い込めば使うほど愛着がわいてくるがカタチあるものだから、いつかは割れる。そのときは、これも寿命といさぎよく諦める。
しかし、どうしても諦めきれないものもあり、多少の傷なら修復してでも使いたい。長く使っていた湯呑みの呑み口がが欠けた。全体的にはどうということもないが、どうにも口当りが悪い。そこで、得意の技工で修復した。金蝋で欠けた部分を溶着し研磨して出来上がり。こうしてみると、素人仕事ながらなかなか味わい深いものがあり、この状態で20年は使っている。
一度、粉引きの湯呑みが欠けたときコンポジットレジンで修復してみた。テクニック的には簡単だったし仕上がりもそれなりに良かったが、しばらくすると変色して見栄えが悪くなった。やはり、金のほうが味わいが長続きするようだ。
こうしてみると、私はモノに対する愛着心が強いようだ。人に対してはどうだろう。特に女性に関しては、「しつこい」と言われるくらい執着するらしい・・・
「往生際が悪い、負けぎわが汚い」要は諦めない。だから、必ず最後に愛は勝つぅ♪ なんてね。