キノコを探して歩いていると、足元にいろんな発見がある。幼木というより、今年芽吹いたであろう高さ20cmほどのヤマモミジの赤ちゃん。パッと見、異様な姿に目を引きつけられる。小黒紋病というらしい。斑点ができた周囲は紅葉しない。黒紋病にかかった葉は全て回収して地中深くに埋めるか焼却処分するのがいいとあるが、庭木や盆栽にしている訳じゃないので放置。あくまでヤマの中の自然の営み。
山荘の紅葉は、桜の木から訪れる。遅い春を花で彩り、葉桜の時期を過ぎ早い秋の訪れを紅葉で彩る。今は、桜もみじと呼ばれる季節の少し手前。この時期、我が家の一大イベント抜歯塚供養のため念入りに草を刈る。
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テレビによると、旭岳の紅葉見頃は9月15日から。毎年恒例の年に1度の登山、日本一早く訪れる紅葉を眺めに旭岳ロープウェイまでドライブ。ロープウェイの眼下に広がる紅葉。真っ盛りとはいえないが、平地に比べるとかなり進んでいる。いつもの散策コースを登り、気に入った場所で景色や花畑を撮影しながらのダラダラ歩き。スマホの温度計によると気温12℃だが、岩場の遊歩道を歩いていると汗が出てくる。登り始めてすぐに膝が痛いからと途中で引き返した家内は、ロープウェイ乗り場で寒くて震えていたらしい。
散策コースに広がる赤い絨毯は、チングルマの紅葉。紅く染まった葉に囲まれる枯れた花は、まるで羽毛のような姿。もっとフワフワで綿の実のように見えるのは、ミヤマアキノキリンソウの花が枯れたもの。この時期唯一碧色を主張しているのは、エゾオヤマリンドウの花。
文字通り旭岳の雄々しい姿を映し出す姿見の池。噴気孔に近づくと、活火山であることを念押すように激しい勢いで蒸気を噴き上げている。
遊歩道の岩場で「カムイミンタラで恋するバッタ」を見つけた。調べたところ、小さくて脇腹に黒い線があるのがオス、メスには線がないダイセツタカネフキバッタ。近年、大雪山で発見された氷河期の生き残りで成虫になっても羽を持たないらしい。大雪山と斜里岳、知床連山にのみ生息するとのこと。どうせなら、硬く冷たい岩の上でなく、真っ赤なチングルマの柔らかなシーツの上でなさったほうがイイのではと思うのだが、余計なお世話か。
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急に涼しくなってきた。日中は暖かだが夜は寒い。最低気温が6℃台の日もあり、9月下旬から10月上旬並みの気候らしい。今週に入り、すでに3回もストーブを焚いた。夜6時頃、火をつけると寝るまで暖かい。というか暑すぎるので、家中の部屋のドアを開けっ放しにする。本格的にストーブを焚くのは、もう少し先になるが、はたしてストックしている薪で足りるのだろうか。昨シーズンの終わりに燃焼効率のいいストーブに取り替えたので、薪の消費量が減るといいのだが。
もともと倒れていた木の上に、先日の台風で新たに倒れた木が重なっている。これを玉切りにして片付けなきゃいけないのだが、キノコの季節が終わるまでチェンソーはお預け。とはいえ、倒れた木は地上のキノコたちによって分解され、いずれ土に還る。そこがキノコの偉いところ。地球上の生態系を維持するのに貢献している。動物・植物の遺体から有機物を分解し無機物に還元。土へ戻った有限の無機物を動植物が合成し菌類が分解、これを繰り返し循環利用するので動物も植物も菌類も無限に命を繋いでゆくことができる。
1億年前の白亜紀以前、地球上にキノコがいなかったせいで動植物の遺体は分解されず長い時間をかけて地下で石炭や石油に変わった。キノコが出現すると有機物が分解されてしまうため新たな化石燃料は作られず、いずれ化石燃料が消滅するという未来が待っている。
現在、化石燃料からプラスティックが作られ、燃やすとダイオキシンや環境ホルモンという物質を発生するが、キノコには、その有毒物質を分解する能力があるらしい。キノコの働きは、化石燃料を作らせないばかりか化石燃料がもたらす有毒物質をも分解し地球上の環境保全の役割を担っている。まるで「風の谷のナウシカ」の腐海に生きる王蟲(オーム)のような存在。
そんな貴重なキノコを食べてしまうなんて。と、ご批判もあろうかと思うが、ソレとコレは話が別。今日も山荘内を散策して秋のキノコをゲット。
本日の収穫、巨大なタマゴタケ、アミタケ、ラクヨウのオトコキノコとオンナキノコ、アカモミタケ。タマゴタケはバター焼き、その他は味噌汁で頂く。いつものように家内は口にしないので、私だけの特別メニュー。
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午前3時、今まで経験したこともない揺れに目が覚め飛び起き、テレビで情報収集。道南震度6、札幌近辺震度5、この辺りは震度4、道東道北震度3。震度4でもこれほどヒドイ揺れとは、普段地震に縁のない地域で暮らす者にとっては未体験の驚き。外へ出て、ベランダに積んだ薪が崩れてないのを確認、家の中に被害がないのを確認し再度就寝。朝、目が覚め停電であることに気づいたが、どうしようもなく本日休診。幸い午後1時半に電気が復旧。断水もなく平常の生活に戻った。
台風のため、しばらく出掛けなかった山荘。8月末に一度顔を出したラクヨウの様子を見に行った。涼しい気候のせいか例年より早く顔を出している。暑さが続き急に涼しくなる年は、一度に大量にでてくるが、今年は、まばらに少しづつの様子。それでも1回分の味噌汁の具には充分の量。今夜も「はあーっ」とタメ息が出るほど旨い幸せの味「ラクヨウの味噌汁」に舌づつみ。