ハツタケには、多くの仲間がある。シロハツ、クサハツ、クロハツやモドキ、ニセクロハツなどなど、名前に「ハツ」がつくキノコは数多い。秋のキノコシーズン初めに採れることから初茸と名付けられたらしい。名前がハツタケに似ていても、可食のものも毒キノコもある。
ハツタケのカサは、淡い赤褐色・黄褐色で同心円状に模様がある。傷つけるとワイン色の乳液が出て、ゆっくり青緑色に変化するので古くなると全体に青緑色のシミがあるのが多い。このため「ロクショウ(緑青)」と呼ばれることも。カサの色が赤っぽく同心円状に模様があるアカハツも傷つくと青緑色に変色するのでわかりやすい。もっとわかりやすいのは、アカモミタケ。全体にオレンジ色で傷つくと赤い乳液を出すが、時間が経っても変色せず鮮やかな赤色のまま。柄には赤いクレーター状のアバタがある。キハツダケは全体に白っぽく、傷つくと白い乳液を出すが時間が経つと淡い青色に変色する。これらは、どれも美味なキノコだが人工栽培ができない。
それぞれによく似たキノコもあるが、観察して特徴を抑えると間違えることはない。とはいえ、アカモミタケとカラハツのように離れたところからでは勘違いしそうになるものもある。左の写真はアカモミタケ、右はカラハツ。色合いはよく似ているが言葉ではなく、ジッと見つめていると違いが見えてくる。キノコ狩りにはこの感性が大事。経験を積むと、一目見た瞬間に以前食べたことがある安全なキノコを見分けられるようになる。ちなみにアカモミタケは大好きなキノコだが、カラハツは名前の通り辛くて食べられないらしい。本当に辛いかどうか試したことはないが。