大雨警報が一夜明け、足元が濡れているので笹狩りや山仕事はお休み。キノコ狩りには最高のシチュエーション。雨上がりに見つかる確率の高いハナビラタケを求めて山荘内を散策。結果的にハナビラタケは見つからなかったが、名も知らぬ多くのキノコたちと巡り逢うことができた。
例のアレがスッポンタケなのかキヌガサタケなのか、わからぬまま1週間が過ぎた。そろそろ孵化するらしく、てっぺんの皮が破れ始めた。できれば「キノコの女王」と呼ばれるエレガントなキヌガサタケであってほしい。卵の頂上が裂け始めると、柄が伸びてレースのスカートをまとうまで数時間程度、柄は1分間に1〜4㎜、スカートは1〜3㎜伸びるという。ニョッキニョキ伸びる様子は、教育用動画の題材にも使われるらしい。私の場合、そのタイミングに立ち会うのは偶然しかないが、NHKスペシャルの動物カメラマンや昆虫カメラマンの「その瞬間」を待ち続ける忍耐力には改めて感心してしまう。
左は、林内の地表に生えたキノコ。シメジ系統で見た目旨そうに見えるが種類を特定できないので採らずにパス。右の写真は、絶対に食べてはいけない猛毒キノコ。1本でも死ぬらしい。ドクツルタケなのかシロタマゴテングタケなのか判別できないが、いずれにしても、どちらも猛毒御三家の一員。
昨日の大雨のせいか、ラクヨウが顔を出し始めた。これまでにも季節外れのラクヨウが、たった1本だけで生えている姿を見ることはあったが、本格的に顔を出したのは今年初めてのこと。あまりにも小さく、明日まで待てば大きくなりそうだが「採れるうちに採る」の信念に従ってカゴに入れてきた。今年最初のラクヨウの味噌汁、出始めはいつも濃厚さに欠けるけど、それでもひと口飲み込むたびに、あまりの旨味に「はあーっ」とタメ息が出てしまう。タメ息をつきながら食事をするのは行儀悪いが、ひと口ごとに生きててよかったぁと思えるほどの幸せを感じるのは、やはり私がキノコから生まれたせいかも?
散策していると、名を知らないキノコに出逢うことのほうが多い。なんとなくわかっても、似たキノコと鑑別できないものもある。「見つける喜び」と図鑑やインターネットで調べて「知る喜び」、スリルとサスペンスを乗り越え味わう「食べる喜び」。キノコ狩りの魅力はつきることなく毎回、新しい発見がある。左の写真はカワラタケ。蒸して乾燥して煎じると「キノコ茶」になる。副作用のない抗がん剤「クレスチン」の成分が抽出され、身体にイイらしく味も悪くないということなので、キノコ茶に挑戦してみようと採ってきた。右の写真はミヤマトンビマイ。マイタケの親戚のようなものだが、幼菌の柔らかいものは可食。まだ硬くなっていないものを見つけたので採ってきたが、果たしてどうやって食べようか検討中。それにしてもデカイ。