春の記憶が残らないまま、いっぺんに暑い夏がやってきた。先週は、ほとんど毎日のように午後は山荘通い。30℃はあろうかという炎天下、汗だくで草刈りに精を出しクタクタに疲れて帰宅。夜は早寝という健康的な生活を送っている。刈らなければいけない範囲が決まっているわけではないが、刈ろうと思えば際限ない。アッチもコッチもと気になるところを順に刈っていると、すでに最初に刈ったところが伸びてくる。刈っても刈っても草は生える。そのまま放っておくと、あとが大変なので、あまり伸びないうちに刈ってしまおうと、「いつ刈るか?今でしょ!」というノリで休む間もなく延々と草払い機を使っていると結構体力を消耗する。休憩のためエンジンを切った途端、どっと山の音が押し寄せてくる。なかでもひときわ甲高いのはセミの大合唱。ミンミンゼミやツクツクボウシ、ジージー鳴くのはアブラゼミ。いろんなセミが勝手気ままに大声を張り上げるので「1/fのゆらぎ」で心が休まるどころではない。
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特にウルサイのがコイツ「エゾハルゼミ」。図鑑によると「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ」という鳴き声が特徴的だということだが、私には、どうしても「あっぢー、あっついー、ひぃひぃひぃ」としか聞こえない。よほど暑い日だったせいかしら。それにしても、最初にミョーキン・ミョーキン・ケケケケと表現した人は誰だろう。よほど耳がイイ人だったに違いない。また、鳴き声から「カナカナ」と呼ばれるヒグラシだが、どこをどうするとカナカナと聞こえるのかが分からない。だから私は、昆虫学者にも音楽家にもなれなかったんだな。
桜が散ったあとのこの季節、今が盛りと咲くエゾノコリンゴの花。
紅いエゾヤマツツジとライラックの花が満開。ライラックと呼ぶよりフランス語で「リラ」と言うほうが雰囲気ある。5月下旬は、日中でも10℃前後という「リラ冷え」の寒い日々だった。
黄色のエゾヤマツツジも満開だが、枝に蜂の巣がぶら下がっている。
何本もの樹が重なり合って大きな手毬潅木の樹形を形作っている。初めは薄緑色の花がだんだん白く大きく育つ。花序すべてが装飾花になったもので結実しない。真っ白な紫陽花のような花が樹一面を覆う様はみごとだ。
今年も大活躍のガッツ君。山荘内では、何を植えても実る前に鹿に食べられる。唯一食べられない作物はジャガイモなので、キタアカリとインカのめざめを植えた。