疑わしきは食せず

 先週は、慶事に続き歯塚供養。忙しくも楽しい日々を過ごし、可愛い孫にメロメロにトロケてしまっていた。「可愛い」という言葉だけでは言い尽くせないほどの愛の対象に感じるのは、竹内久美子の本に書いてあるセルフィッシュ・ジーン(利己的遺伝子)のなせる業なのだろうか。とにかく理屈抜きにメンコイ。どんなことでも云うことを聞いてあげたくなってしまうのは、ジジババが甘すぎるせいかしら。そんな愛すべき孫も東京へ帰り、ジイジとバアバは寂しい日々を送っている。

 彼岸を境に涼しくなりラクヨウキノコが出そうな気配だが、雑事に追われ出掛けられずストレスが溜まるばかり。やっと、この土曜日、札幌へ出掛ける前のほんの少しの時間にキノコを探しに山荘へ出掛けた。暑さは過ぎてしまったというのに、まだラクヨウの姿は確認できない。今年は気候のせいか、キノコ界にも変動が起きているのかもしれない。そんな中での本日の収穫、巨大なタマゴタケとアカモミタケ。どちらも旨いキノコだが、ラクヨウの味噌汁にはかなわない。ひょっとして、今年はラクヨウを口にできずに冬を迎えてしまうのだろうか。ラクヨウの味噌汁を飲んだ瞬間、自分はキノコから生まれてきたんじゃないかしらと勘違いするほどの幸せを感じることができないなんて、そんなの寂し過ぎる。

 先日見つけたゴルフボールのようなキノコの正体が判明。同じカタチの幼菌と、その横で大きく育ったキノコを見つけて「おー、これだ!」。おもわず声が出た。つくづく、あの時食べなくてヨカッタあ。なんと、テングタケ。あのベニテングタケと同じ旨味成分のイボテン酸を持つが、毒はかなり強い。下痢や嘔吐、幻覚にとどまらず、最悪の場合は意識不明に陥るらしい。あの旨そうな香りの誘惑に負けていたら、今頃私はブログを書けるような状態ではなかったと思う。やはり「疑わしきは食せず」がキノコ狩りの鉄則。それにしても「ジス・イズ・ザ・キノコ」という惚れ惚れする姿形には見とれてしまう。

テングタケ テングタケ

デス・エンジェル?

焼き肉ハウス野花南山荘 9月も半ばというのに観測史上、もっとも遅い真夏日だったらしい。炎天下の土曜日昼過ぎ、山荘へ出かけてはみたが、あまりの暑さに草を刈る気にもなれない。そこで、「カフェ野花南山荘」を「焼き肉ハウス野花南山荘」に劇的ビフォーアフター。

 というのも今週末、毎年恒例の「抜歯塚供養」。供養の後は、精進落としにバーベキュー。もちろん野外でのBBQだが、雨天の場合の準備も必要なので屋内会場を設営。貨車の中は狭いとはいえ、久々の大掃除。身体を動かすだけで汗が噴き出す暑さの中、用意した2リットルの冷水ステンボトルはすぐに飲み干してしまった。汗だくでの重労働の結果、なんとか焼き肉ハウスがオープン。奥の座卓を入れると、総勢15人くらいは余裕でOKの状態。

 明けて日曜は雨模様の湿った日、一気に草刈り始動。刈った草と跳ね返った泥で全身ドロドロになり、クタクタで帰宅。結局、土日2日間はキノコを探す暇もなかった。連休の今日月曜日、今年最初のラクヨウをゲットしようと出かけたが全く見当たらず。やはり気温が高すぎるせいか、いつもより遅れているみたい。来週あたりに出始めてくれると、BBQと一緒にラクヨウの味噌汁が味わえるのを期待。

 林の中を散策していると奇妙なキノコを見つけた。まるでゴルフボールそのもの。地表に真っ白な頭を出しているので、掘り起こしてみた。なんとそれは、まるで「無いよりマシな白ナントカ」そっくりのカタチ。臭いを嗅いでみたが、なんとなくマツタケの香りがするようなしないような。

ゴルフボールのようなキノコ ゴルフボールのようなキノコ

 家に持ち帰り、図鑑で調べたがよくわからない。あまりにも幼菌過ぎて、この先どのように成長していくのかが予想できない。スライスしてみたが、これがシロマツタケなのかナガエノスギタケなのか、はたまたドクツルタケなのか全く不明。ただ、香りはマツタケのような気がするので薄くスライスして干してみた。これがドクツルタケであれば、食べるとほとんど死ぬらしい。デス・エンジェル「死の天使」と呼ばれ、猛毒キノコ御三家の一つだそうだ。

 今週末、我が家の慶事で両家の謝辞を述べる手前、もしものことがあるとマズいので、今はただ眺めて鑑賞するだけ。とりあえずは、微かなマツタケの香りを楽しんでいる。

不注意の代償

 先々週頂いた美味なる野花南産ポルチーニ、食後5時間経っても体調に変化なく、もしやと危ぶんでいたドクヤマドリではなかったらしい。美味しいものを頂いて幸せな気分でベッドに入ったのだが、朝の4時頃、お腹が痛くて目が覚めた。トイレに行くとクダっていたが、用を済ますとスッキリと治まった。キノコの毒のせいかしら?と思ったが、どうも症状が違うようで、ただの食べ過ぎだということに思い当たった。というのも、レシピ通りに作ったクリームペンネは2人前。私を信用してない家内は全く口にしないので、一人で2人前を平らげてしまったのがマズかった。もともと硬めに茹でたペンネを、旨い旨いとあまり噛まずに呑み込んでしまったことに原因があるようだ。結局、毒がなくても食べ過ぎは身体に毒ということ。

sony DSC-TX10 翌々日、暑い日差しの中で山荘の草刈り。あまりの暑さに耐えきれず作業を中止して帰ってきた。作業用のツナギは汗でビッショリ。即、洗濯機に放り込まれた。その夜、カメラを探したが見つからず。ひょっとしてツナギのポケット?と家内に聞いてみると「そういえば、洗濯機でゴトゴト音がしてた」と云う。確かめてみると、1時間近く全自動洗濯機で洗われ脱水されたデジカメが出てきた。幸いに私のデジカメは完全防水。水深5メートルの水中撮影もOKというスグレモノ。耐衝撃性も1.5メートルの高さから落としても大丈夫という「イナバの物置」みたいに頑丈なヤツ。とはいえ、洗濯機の中でガツンガツンとアチコチにぶつかっていたようでレンズカバーがめくれてグンニャリひん曲がっている。しかし、機能的には全く問題なく、撮るのも観るのもOK。さすが、サイバーショットTX10。ただ、レンズカバーを取り替えなければ、レンズはカバーされないわけで、やむなく修理に出した。買って1年にも満たないが、原因が原因なだけに保証の対象外。修理代11,760円、実にもったいない。これだけあれば、何回うな重が食べられたことか。誠に悔しい限りだが、不注意の代償にしては高過ぎね?写真は交換済みレンズカバーの部品。

 1週間が過ぎ、暑い日差しもかげり週末にかけて久々の雨に恵まれた。この季節、雨が降るとキノコが顔を出すんじゃないかと心ここにあらずの心境になってしまう。今日も夕方、山荘へ出かけた。秋の夕暮れは早くあたりはすでに薄暗いせいで、なかなかキノコは見つけにくい。特に、ラクヨウを探しに行ったのだが、まだ時期的に早いようだ。そんな中で本日一番の収穫、ハナビラタケ。「幻のキノコ」「免疫キノコの王者」。ヨーロッパでは「カリフラワーマッシュルーム」、特にフランスでは「モリーユ・デ・パン」と呼ばれる。アガリスク以上に癌に効くというキノコ。最近、栽培可能になったそうだが、やはり天然物の価値は高い。いつもは、バターで炒めたり乾燥してから炊き込みご飯にするのだが、今年は冷凍してみた。なんたって、スゴク身体にイイと云うことなので「ファイト・イッパーツ!」というときに喰ってやる。

ハナビラタケ ハナビラタケ


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