もう何年も前に植えた丹波栗。春の新芽が毎年、鹿に喰われ大きくなれずにいた。桃栗3年のはずが10年経っても成長しない。「桃栗3年、柿8年、梅は酸い酸い13年、柚子は大馬鹿18年、林檎ニコニコ25年、女房の不作は60年、亭主の不作はこれまた一生」からすると、結実しない我が家の丹波君は、私のように一生不作なのかと思っていたが、昨年から急にグングン伸びてきた。オクテな丹波君にも遅い春がやって来たようだ。これから栗の花の臭いをまき散らしながらブイブイいわせるに違いない。今のところは、ヘンな虫がつかぬよう見守るだけ。
一昨年、苗を取り寄せ植樹した初孫の記念樹「どんぐり」は、順調に育っている。春は、鹿に新芽を摘まれぬよう、しばらく冬囲いを外さずにいた。また、マーガレットの時期には鹿や狐の目につかぬよう周囲を刈らず、わざと雑草に埋もれるようにしていた。おかげで今も雑草だらけだが、青々と葉を茂らせて元気。このまま大きく育ってくれることを願っている。
私も一度だけ見かけたが、ときどき見知らぬ人が来て池の鯉を釣っていくらしい。いわゆる鯉泥棒。恋泥棒なら罪にならないが(ホントか?)、鯉を盗んだら立派な犯罪。ただ、普段誰も常駐してないので防ぎようがない。その上、山荘の鯉は地主に似ず愛想良く、人の姿を見ると寄ってくる。あれじゃ釣って下さいと云ってるようなもの。去年より激減したと思っていたが、あちこちで賑やかに泳ぎ回る姿に一安心。以前、野生のミンクにヤラれて全滅したことがあるが、釣人にも情けがあるようで根こそぎは捕られていない。
これからの季節、鯉泥棒だけじゃなくキノコ泥棒も出没する。これが問題なのだ。キノコに恋する私にとって山荘内のキノコを採ってく奴は、まさに恋泥棒以外の何者でもない。他人にキノコを採られると、私の心にポッカリと大きな穴が開く。これって、やっぱり恋?