路(みち)に草かんむりを書いて、蕗(ふき)。読んで字のごとく路端はもちろん、空き地や雑草地どこにでも自生している。山荘周辺でも蕗がイッパイだが、そのどれもが美味しい訳ではない。
一番の美味は、北海道では珍しい京ブキだが、山荘内でもほんの一部の限られた場所にしか生えない。その他大勢のフキは、秋田フキと呼ばれる。青ブキと赤ブキに分けられるが、茎が赤いモノは不味いので採らない。
赤くないフキ=青ブキではあるが、なかでも上物のフキは、茎の色が薄いグリーンで、まるでマスカットのような色をしている。このようなフキを見つけたら、中フキを残し外フキを採る。中フキとは株の中心で断面が丸く一番太く立派に見える部分だが、そこは切らずに左右の細い部分(外フキ)を採る。外フキは根元の断面が半円形や三日月形の茎で、切り取ると水が流れ出る。1株から2本以上採らないのがマナー。このため、釜を使わずハサミを使う。中フキを採らずに外フキを採るのは、全く味が違うからである。中フキはスジが多く実がペタペタと柔らかい。一方、外フキは香りが良く食感がシャリシャリしていて美味しい。
こうしてみると、山荘周辺フキだらけではあっても本当に旨いモノを探すとなると、ごく一部の場所にしかなく、決まって毎年同じ場所に生える。いわば、私にとっての秘密の畑である。先日、先祖伝来?の秘密の場所、京ブキとマスカット色の青ブキが生える場所を息子に伝授した。後日、行ってみたら秘密の畑が荒れ放題。そこら中、手当たり次第切ってある。根元を切らず葉のすぐ下を切っては、茎の色を確かめたらしい。そういえば、場所を教えただけで、肝心の採り方を教えるのを忘れてたわ・・・