チャレンジ後編

 その後、ネットで調べていたら「オオツガタケは、割いて塩焼にするのが最高に旨い。煮たり炒めたりすると水っぽくなり、オオツガタケの持ち味が消えて、つまらないキノコになってしまう」という記事を見つけた。「オオツガタケに限らず、素性のよいキノコの多くは焼くのが一番」とまで書いてある。素性がイイって、どういうことなのかわからないが、たしかに松茸は焼いて喰うと絶品。

 ということは、悔しいことにバター炒めを味わった私は「つまらないキノコを喰ったオトコ」に成り下がってしまったようだ。こういうのを読んでしまうと、どうしても焼いて喰ってみたくなるのが人情。「ヨーシ、今度採ったらゼッタイに焼いて喰ってヤル!」とは思うのだが、そもそもアレがホントにオオツガタケだったのかどうかも怪しいところで、そこが問題なのだ・・・

 そして、まだまだチャレンジは続く。

 素性がイイのかどうかより、素性自体がワカラナイ「アイシメジ」らしきものだが、家内に無理言って炊き込みご飯にしてもらった。当然、毒味をした私に異常があれば、お釜マルマルのご飯を捨ててしまうという危険を顧みず、最もエキサイティングなチャレンジだ。

 ところがなんと、炊けてる途中から部屋中にイイ香りが漂いはじめ、最高に食欲をそそる。毒キノコにこんなワザができるわけがないと、勝手に自分を納得させ、期待に胸ふくらませて待つことしばし。炊きあがったキノコご飯に箸をつける。

 はあー、やっぱり私はキノコから生まれてきたんだあ。と思えるくらい幸せを感じる瞬間!これは旨い。シャキシャキと歯触りがイイ。毒キノコだなんて疑ってゴメンねと謝りつつ、オカワリをする。おいおい、キノコの毒より血糖値の方が心配なんじゃねぇのか・・・

チャレンジ

 山荘のラクヨウキノコは、目につく範囲でほぼ採り尽くしたので、あとしばらく待たなければ出てこない。他にいろいろな種類のキノコがあるが、詳しくない私にはどれが食用なのかワカラナイ。

 そこで、360ページもある分厚い図鑑を片手に散策する。まずは、見た目に旨そうなキノコに目をつけ、図鑑で調べておおよその見当をつけて採取する。あとは、家に帰って図鑑とインターネットで詳しく調べる。結局、大量に持ち帰ったキノコが食べられず、山からゴミを持ち帰っただけで終わることの方が多い。

 それでも、ときどき勇気を出して食べてみようかと思えるキノコに巡り会うこともあり、この年になって命を懸けた冒険をすることの楽しさを味わっている。というのも、調べた結果、どうみてもこれは○○タケに違いないと思えてしまうものがあり、半信半疑自信はないが捨ててしまうと、そこで終わるので、一応食べて確かめてみるというやり方を取っている。結果、腹もこわさず舌もしびれず痙攣も起こさず精神に異常をきたすこともなく生きている。

 本日の収穫、たぶんオオツガタケ?とアイシメジ?だろうという結論に達したのだが、調べれば調べるほど似たようなキノコがあり、可食なのか毒ありなのか自信が失われていく。ま、食べてみないことにはワカラナイと腹をくくって、オオツガタケと思われるものをバターで炒めて醤油を垂らして食べてみた。エリンギみたいな食感で旨味成分が濃く美味だったし、今のところ、どこにも異常なし。もう一つのアイシメジ?は明日に食する予定。なんたって訳のワカランのを二つも一緒に食べて、何かあったらどっちが原因かワカランでは困るので。

 

 明日は、アイシメジのキノコご飯がイイなあと考えているが、家族は嫌がって誰もつきあってくれないので、私一人分のオカズとして焼くか炒めるか、どっちかだろう。

 明日も命を懸けた冒険にチャレンジする!

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