我が家では、来客があるとララが吠えるのでチャイムが鳴る前にわかる。土曜の午前、ドアを開けると見知らぬ人が立っていた。民生委員だという。今まで縁がなかったせいか、民生委員という人と会うのは初めてのような気がする。用向きを尋ねると「カワハラさんが65歳になったので」「いえ、まだ64ですが」「今年度中に65になりますよね」「まあ、来年の2月には」
要は、市役所の事業らしく65歳を迎える人に「緊急用の連絡カード」を配っているらしい。このカードに必要事項を書き入れ、専用ケースに入れ冷蔵庫の中に保管してくれと云う。冷蔵庫の扉にマグネット付きの「Q救ちゃんシール」を貼っておくと、万一の時、私がしゃべれない状態でも救急車の人が冷蔵庫を開け必要な情報を手に入れることが出来るのだそうだ。確かに便利といえば便利、あって困るものではないが私は独居老人ではないのに。
今まで自分の年齢を意識したことはなかったが、民生委員の人に老人であると烙印を押されたような気がして「かなりのショック!」
結局、云われるままに必要事項を書き入れケースにしまい、イン・ザ・レイゾウコ。午後から用事があったのでJRで札幌へ出た。駅からホテルまでタクシーに乗ると、途中で運転手さんが遠慮がちに私に聞く。「失礼ですが、お客さん65歳過ぎてますか?」「はあ?まだ64ですが」「そうですか、残念でした。65歳を過ぎると高齢者割引で10%オフなんですよ」。云われて目の前を見ると助手席のヘッドレストの裏に「高齢者割引」の広告がブラ下がっている。確認するには、免許証や保険証が必要らしい。
運転手さん曰く「なかなかお客さんに年齢って聞きにくいんですよね、特に女性の場合には」。そうだろうな、50代の人が65過ぎてるか?なんて聞かれるのはイヤだろうし、老けて見えるご婦人の場合、きっと車内は気まずい雰囲気になることもあるんだろうな。私の場合、1個違いの残念賞だったので気まずくなることもなく、会話もはずみ今朝の民生委員の話を聞かせてあげた。「いやあ、年寄り扱いされたみたいでショックだったんだよねぇ」と結ぶと、それから急に運転手さんが「お気を悪くされたのなら申し訳ありません」と気を使い始めてしまった。イヤ、別にそんなつもりで云った訳では。
明日は「敬老の日」、ナニか今までとは違う意識で過ごす休日になるのかしら。