学生の頃だから40年も前のこと、大阪出身のクラブの先輩が実家へ帰るというので付いていった。当時、名古屋に居た私は短い休みに北海道へ帰るのは面倒ということもあり、アチコチ近間の友人や先輩の家に世話になることが多かった。このときが、マイ・ファースト・大阪ステイ。その夜、連れられてミナミに遊びに行った。難波の駅で降りて何処をどう歩いたのかわからないが、カウンターと椅子席だけの小さな店。ライブハウスではなかったような気がする。カウンターに居たお客さん?が皆に「ヤレ!ヤレ!」と囃されて、その場でギター片手に唄い出したのが「プカプカ」。泥臭い哀愁ただようブルース、さすが大阪はバタ臭いというのが第一印象だが心に残るイイ曲で一辺にファンになってしまった。今にして思えば、アイツが「西岡恭蔵」だった。
♪俺のあん娘はタバコが好きで いつもプカプカプカ~
その後、ときどきラジオで流れる曲に耳を傾けていたが、あるとき「ハスッパなイメージの『あん娘』は、実は深い愛情の持ち主」であることに気づく。4番の歌詞に占いが好きというくだりがあるが「明日死ぬという占いが、いつかは当たる日が来る。それまでは一緒にいようね」というラブソング。素直になれないオトコとオンナの不思議な幸せ感がにじむ。
この曲は、ジャズ・シンガー安田南をモチーフに作られたらしい。大塚まさじ、原田芳雄、桃井かおり、泉谷しげる、桑田佳祐、大槻ケンヂ、福山雅治など、多くの人にカバーされている。時代を超える名曲だと思う。