アメリカ人のトムは、現在失業中の身である。朝7時に時計(日本製)のアラームが鳴る。コーヒーメーカー(台湾製)がゴボゴボいっているあいだに、顔を洗いタオル(中国製)で拭く。電気カミソリ(香港製)できれいに髭も剃る。朝食をフライパン(中国製)で作ったあと、電卓(日本製)で今日はいくら使えるかを計算する。腕時計(台湾製)をラジオ(韓国製)の時報に合わせ、クルマ(ドイツ製)に乗り込み仕事を探しに行く。
しかし、今日もいい仕事が見つからず、失意と共に帰宅する。彼はサンダル(ブラジル製)に履き替え、ワイン(フランス製)をグラスに注ぎ、豆料理(メキシコ製)をつまみながら、テレビ(インドネシア製)をつけて考える。
「どうしてアメリカにはこうも仕事がないのだろうか・・・」