私の田舎はホントに田舎だ。札幌~旭川間の特急に1時間ほど乗り、滝川という駅で1両編成の各駅停車のディーゼルに乗り換える。今夜も札幌での会合の帰り、いつものように空いてる車内で4人掛けシートを独占し本を読んでいた。
そろそろ我が街の駅が近づいた頃、ただならぬ汽笛が鳴りスピードを落としはじめた。何度も汽笛を鳴らし最後の長い汽笛のあとガクッと列車が停まった。「ただいま、鹿に衝突しました。運転手が降りて戻って確認してきますので、このままお待ちください」というアナウンス。
「エー、またかよ」。今年はこれで2度目。かなり手前から、あれだけ大きな音で汽笛が鳴り響きヘッドライトが近づいてくるというのに線路上の鹿はよけられないようだ。恐怖で足がすくんでいるのか、はたまた自殺願望の鹿なのか。運転手さんが戻ってきて「列車が遅れてご迷惑をおかけしました。線路に異常がなかったので出発します」ということで15分ほど遅れて我が家に着いた。
気になるのは、衝突した鹿。線路脇に放置されたのだと思うが、誰かがあとで片付けるのだろうか。即死の場合はしょうがないとして、まだ息があるとしたら助けてやらないのだろうか。どうにも気になってしょうがない。