植物や昆虫には、よく似たものが沢山ある。秋になると黄色の花を咲かせるセイタカアワダチソウとオオアワダチソウの違いがよくわからない。蝶は羽を閉じて留まり、蛾は羽を広げて留まると言われているが、羽を広げて留まるタテハチョウという蝶もいる。蝶と蛾の違いを調べていたら、蝶は昼に活動し蛾は夜行性だと書いてあった。じゃあ「夜の蝶」って、ナニ?
羽を広げて留まっているこれは、蝶なのか蛾なのか。
最近では生物学的根拠が薄いという理由で、蝶と蛾の分類自体がナンセンスとされているらしいが、大まかな特徴として、留まるとき羽を閉じるか広げるかの他に、蛾は夜行性なので体温を保つため厚い鱗粉で覆われ、蝶に比べ胴体が太く色が地味だという。
艶やかに着飾り「鮮やかな色彩の蝶」を連想することから、川口松太郎は「夜の蝶」と題して小説を書いたのだろう。しかし実際には、胴体が太く地味なのに厚い鱗粉を塗ったくり、座るときに羽(股?)を閉じない「夜の蝶」もいる。