The Dark End of the Street / James Carr
ジェイムス・カーの代表曲「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」、1967年ビルボードのブラック・チャートで上位に輝いた。不倫関係の二人がいつも密会する「街はずれにある暗がり」が曲のタイトル。多くのミュージシャンにカバーされている。なかでも、ライ・クーダーのアルバム「Boomer's Story (1972)」で演奏するボトルネックギター奏法の音色が印象的。
「Boomer's Story」はアルバム3作目、邦題「流れ者の物語」。ライ・クーダがワールド・ミュージックに傾いてゆく以前のアメリカ南部の薫りがムンムン。いまだにこのアルバムに執着しているのは、B面1曲目を飾る「The Dark End of the Street」との衝撃的な出逢いのせい。枯れたスライド・ギターの音色にヤラれてしまった。後に札幌狸小路のシアター・キノで「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 」を観ることになるのも、第1回東京JAZZ(2002)で来日したキューバの美空ひばり「オマーラ・ポルトゥオンド」と出逢うことになるのも、すべてライ・クーダのこのアルバムから始まる。
The Dark End of the Street / Ry Cooder
それにしても「amazonプライム」の会員であれば、このアルバムがタダで聴けてしまうなんて便利な世の中になったなあと思う反面、複雑な心境でもある。