もう話したくない

 クルマを運転するとき、車内が無音であると落ち着かない。だから、常に何某かの音楽が流れている。一人だけの空間で誰にも邪魔されず音楽を聴くのは好きな時間なので、運転するのは苦にならない。

 運転の途中、列車通過のため踏切で一時停止をすることがある。そのとき決まって私は、必ず運転席側の窓を少しだけ開ける。こうすると、車内に広がる音楽と車窓から飛び込む列車の音が重なりナントも云えないイイ感じで、まるで目の前を通過している列車とともに私の心も旅をしてるような感覚になる。だから、運転中に目の前の遮断機が下りはじめると「ラッキー!」と思う。ただ、私の住んでる田舎では単線に1両編成の列車しか走っておらず、すぐに通り過ぎてしまうのがツマラナイ。運が良ければ、たまに延々と長い貨物列車の通過にぶつかることもある。

 踏切と云えば余談だが、一時停止違反で捕まった知人が「いつ列車が通るかわからない田舎の踏切と、開かずの踏切のような都会の踏切で反則金が同じなのはオカシイ」と最高裁まで争った奴がいる。裁判には負けたそうだが一理あるとも思う。

 クルマの車窓から飛び込む列車の音は、ガタンゴトンと遠くから近づき目の前で最高頂に達しドップラー現象で遠ざかってゆく。この雰囲気は、列車の中にいては味わえないが、リタ・クーリッジが唄う「I Don't Want To Talk About It」に列車の音をかぶせると、別の意味でいい雰囲気が漂ってくる。



 "I Don't Want to Talk About It" は、ロッド・スチュワートが得意とする持ち歌。「セーリング」と並ぶ代表的なバラード。「どんなに心が傷ついたかなんて、もう話したくない」というサビの部分が印象的な美しい曲。オリジナルは、ニール・ヤングのバックバンド「クレイジー・ホース」のダニー・ウィッテン。

 もう話したくない / I Don't Want To Talk About It (Danny Whitten)


 お前の目を見れば解るよ お前はずっと泣き続けていたのが
 夜空の星はお前には何の慰めにもならない そいつはお前の心を写したようなものだからな

 お前が俺の心をどんなに傷つけたかは 話したくないが
 でももう少しここに居させてくれ
 ここに居られるなら 俺の胸のうちを聞いてくれ 俺のつらい胸のうちを

 もしお前と別れて一人でやって行けるのなら 影は俺の心のうちを隠してくれるだろうか
 涙の水色 夜の恐怖の黒の色を
 夜空の星はお前には何の慰めにもならない そいつはお前の心を写したようなものだからな

 お前が俺の心をどんなに傷つけたかは 話したくないが
 でももう少しここに居させてくれ
 ここに居られるなら 俺の胸のうちを聞いてくれ 俺のつらい胸のうちを
 俺の胸のうちを・・・

 お前が俺の心をどんなに傷つけたかは 話したくないが
 でももう少しここに居させてくれ
 ここに居られるなら 俺の胸のうちを聞いてくれ
 俺の胸のうちを

 この曲といえば、もちろんロッド・スチュワート。ライブでは必ずといっていいほど取り上げられ、決まって観客の大合唱がある。数あるこの曲の録音の中でのマイベストは、ロイヤル・アルバートホールでの一夜かぎりのチャリティーライブ。ロッド・スチュワートとデュエットする「エイミー・ベル」は、この時点でまったく無名のシンガー。1週間前までグラスゴーのストリートで歌っていたところをロッドに見出されたという。エイミーの初々しさと、それを気遣うロッドの優しさが何ともいい感じ。

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