若い頃、あるイキサツがあって「ヤルかヤラナイか悩んだときは、まずヤッテみる。その結果、ダメだったら反省すればいい。あとになってヤラなかったことを後悔することだけはヤメよう」と、生き方を大転換して、ここまでやってきた。
自分としては、一見、理想的な生き方をしていると思っているのだが、これがなかなか旨くいくことばかりとは限らない。ヤルかヤラナイか悩んで、ヤルと決めたらまずジックリ考えて、どのようにするべきか道筋を立てなければいけないはずなのだが・・・
私の場合は、思い立ったら吉日とばかりにジックリ考えずに、即ヤッテしまうらしい。結局、後悔はしないが反省ばかりの人生である。
初孫の誕生を機に、野花南山荘に記念樹を植えようと思い立った。これは素晴らしいアイディアだと思い込んでしまうと、即実行。植樹の場所選びから樹木の選定。あれやこれや考えて、ドングリの樹(ミズナラ)を植えることにした。市販の苗を買ってきて、ただ植えるだけでは愛情の深さが感じられない。せっかくなら、気に入ったカタチの幼木を選んで掘り起こし、目的の場所に移植しようと計画を立てた。(なんたって山の中には、そこらじゅうにドングリの樹がある)
移植の手順は、穴を掘り土地改良材を敷き腐葉土と肥料を入れ土をかぶせ、その上に移植樹を置き土を戻す。ということをインターネットで調べ基礎知識を仕入れた。ここまで準備をし、目的の移植樹を探し掘り起こし(これが大変な作業)、なんとか作業を終えた。あのオホーツクで37℃もあったという次の日の炎天下のもと、死ぬかと思うほど暑かった。
自分が気に入った樹形に惚れ惚れ。これであとは根が張ってくれるのを待つばかり。と達成感に満足していたのだが、翌日、水やりに行ってビックリ。あんなに元気だった葉がしぼんでグッタリ。なんてこった。この日は私の田舎の気温が北海道一高かったという日。根が張ってない状態で葉からの蒸散がどんどん進んだらしい。たっぷり水をやったがなかなか回復しない。
翌日も全道一気温の高い日になり、どんどん葉の元気が失われていくので、やむなく枝を剪定して葉の数を減らしてみた。
これが功を奏したのか、ワラにもすがる想いでHB101を薄めて散布したのが効いたのか、少し元気を取り戻してきた。幸いにも三日間照り続いた陽もかげり五日目の今日は雨模様。まだ本調子ではないが、なんとか持ちこたえている。
まずジックリ考えれば、いくら思い立ったとしてもこの時期に移植するのは無謀というもの。真夏や真冬に移植してはダメらしい。その上、移植をするには「根回し」というモノが必要なんだと。そうだよな、世の中、根回しなくして何でも旨くいくはずないモンなあ・・・
ここでいう根回しとは、移植のための下準備のこと。根元近くの根を切断して細い根の発生を促し、移植に耐えられる樹木にすること。これは移植の半年から1年前にヤッテおくべきことで、もっとも基本の重要な作業だったのだ。
そんなことも知らずに、ヤッテしまう愚かな生き方・・・
それでもなんとか枯らさずに育てようと、反省する間もなく毎日朝昼晩と通い続け、水やりと「頑張れよ!」と声かけをしている。なんたって大事な初孫の記念樹。絶対に枯らす訳にはいかないもんな。