酸味のあるコーヒーが苦手。のはずが最近、劇的に嗜好が変化してきた。コンビニのカフェラテに慣らされた味覚は、モカエキスプレス(直火式エスプレッソ)で濃く淹れたコーヒーにミルクと砂糖という甘苦い味に満足していた。
パソコンでの作業中、傍らの少し冷めたコーヒーを口にしたとき「ん?」嫌な雑味というか渋みを感じ、それ以上飲めなくなってしまった。直火式エスプレッソは内部の圧力を上げるためボイラーの湯を沸騰させる必要がある。当然、湯温は100℃に達する。コーヒー抽出の適温は90℃くらいと聞いたことがあるので「この温度が問題ナノダ」と、素人は思い込んでしまった。
いろいろ調べてみると、やはりエスプレッソは専用マシンでなければならないという当たり前のことを学ぶ。抽出圧が9気圧、抽出温度が90℃。これが理想のエスプレッソマシン。ということで「アスカソドリーム」を選択。なぜに全自動じゃないかといえば、簡単に満足が得られるのはツマラナイという捻くれた性格のせい(セントラルヒーティングの我が家で薪ストーブを焚くのも同じ理由?)。だったら、完全手動マシンを選べよと突っ込まれても困る。だってメンドクサイんだもん。
セミオートのアスカソは見た目がプロっぽくカッコイイ。約2か月、毎回が試行錯誤。WPMグラインダーで細かく豆を挽き、タンピング。粒度とタンピング圧で抽出時間や味が変わる。クレマが綺麗にできると嬉しい。
こうしてコーヒー豆の旨いエッセンスだけを抽出できるようになると、深煎り=苦味、浅煎り=酸味と単純に割り切れないということに気づいた。苦味でも美味しい苦みと美味しくない苦み、酸味でも美味しいものとそうでないものがある。そして苦いだけのコーヒーは飲めなくなってしまった。
最近ハマっているのは、浅煎りのスペシャルティな豆。種類によって違うが、どれもフルーティ。特に「COSTA RICA FINCA PALMILLERA- GESHA」の場合、ストレートでは酸味が際立って「酸っぱ!」と叫ぶジュースのようだが、ミルクを加えるとマロヤカになり砂糖を加えると「まるでヤクルト?」。飲み終えると上質なオレンジを食べた後のように爽やかな味が、いつまでも残り続けるという具合。これを初めて飲んだ家内の感想「これはコーヒーじゃない」。
地方へ出かける用事があり、途中コンビニで久々にカフェラテを飲んだ。「ん?ナニコレ?」。まるでスキムミルクにコーヒーの香りをつけただけの飲み物?ああああああああ!もうコンビニコーヒーが飲めないカラダになってしまったようだ。そうなると、早く家に帰って旨いコーヒーを飲みたいの一心で早々に帰宅。
ドリップやモカエキスプレスのときは、ケーキやチョコレート、クッキーなどコーヒーのお供があると嬉しかったが、エスプレッソでカプチーノやラテを頂くには却って邪魔になる。もともと砂糖を入れて飲んでいるということもあるが、この1杯で完結というほどに満足が味わえる。