とんかつ茶漬け

 すずやホームページ

ミスマッチ極まりない、このメニュー・・・
4〜5年程前から、東京在住の友人から「東京にはウッメェーモンがあンだぜ。何っ処にもネェーナァー、あんなウッメェーモン。今度来たら、ぜし奢ッチャウヨ!なんたって俺っち、江戸っ子ヨ!」と言われ続けてきた。
それが、このとんかつ茶漬け・・・
この江戸っ子、実は愛知県出身・・・
そして、奴のクチグルマに乗せられた新潟県出身の江戸っ子と二人共謀して逢うたびに私を連れて行こうと責めるのである。
きっと誰もが同じ反応を示すと思うのだが、初めて聞いたとき「えーっ!そんなの気持ち悪いよぉ。カツの上にお茶かけるんだろ」と、私の第一印象もゲェーッ!
そうこうしてる内に、敵も攻め方を換えてきて「頼むでェ!一度でエエんや。騙されたと思って、なっ、お願いだから喰べてみてちょー!」と、江戸っ子らしからぬ言いまわしで泣き脅しに打ってでる始末。
まっ、泣いてお願いされると断われないタイプ (うーん、特にうら若き美女の場合は、なおさら・・・) なもんで、行きました。2年前、歌舞伎町の「すずや」・・・
ちょうど昼時ということもあって、店内へあがる階段には長蛇の列。
待つことしばし、メニューには普通のカツ・味噌カツ・串カツいろいろあるんですが、周りを見ると満員のお客サン、ミンナがとんかつ茶漬け。
テーブルの上や壁には「とんかつ茶漬け」の由来から喰べ方までイラストで描かれたウンチク・マニュアルが・・・
ついに来ました、待望の(誰も待ってないってば!)とんかつ茶漬けとご対面!
このフィーリング・カップル5対5のような、ドキドキ感はいったいナンナンダ!
ご飯、炒めキャベツ、味噌汁、漬物はお替わり自由だという店員サンの説明を聞いて、なぜか嬉しくなってしまった。
もうここまで来ると、期待に胸膨らませて・・・なんたって初体験なんだから・・・
(とかく、初体験というものは、ナンだって嬉しいに決まってる!ん?)
ウンチク通り、最初は普通にいただく。「んっ!旨いやん」
衣に醤油ダシがしみたカツ。かといってベタベタ感はなくサクッとした歯ざわり・・・
炒めキャベツにも味がついていて、シャキシャキっと、うんっ!旨いやん。
「なッ、なッ、旨いやろ?」と、二人の江戸っ子・・・
そして、ついに、ついに、残り少なくなったご飯の上にカツとキャベツを乗せ、お茶をかけていただく!
「ん?・・・・・・・・」
「渋みのツヨイお茶と、噛みしめると醤油ダシがジュワーッとにじみ出てくるサクサク衣と、しゃきしゃきキャベツの歯ざわりとが絶妙の・・・」なんてことを、料理研究家なら云うんだろうけど、そんなアリキタリのセリフでは表現できない。イヤ!できないどころか決してしてはいけない。
そんな事を口にしたら、「とんかつ茶漬け様」に失礼だっ!
ということで、一発でハマってしまいましたねェ
以来、渋谷の「すずや」も含めて、東京へ行くと必ず通っています。

どうですか?ぜし一度、騙されたと思って喰べてみては?
ウッメェーぞー!・・・なんたって俺っち、道産子ヨ!

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