富士通コンコード・ジャズフェス2003

一階7列26番・・・
これが札幌コンサートホール・キタラ大ホールでジャズを聴くベストポジション。
ということで、行ってきましたぁ、富士通コンコード・ジャズフェスティバル。

なんたって、目当てはスコット・ハミルトン・・・
まさに肩の凝らない楽しいジャズ、スィング。いやニュー・スウィング・・・
自然にカラダが揺れてくる、そんな雰囲気のとっても楽しいイベントでした。

ところが、それ以上にヨカッタのが、サイラス・チェスナットのピアノトリオ。
「若手の中で誰よりも早く個性を確立した若き巨人」と云われるだけのスゴイ奴。
なかでも、出だしで「ん?」と思わせるケリー・ブルーは最高のパフォーマンス。きっとウィントン・ケリーも、あの世から絶賛の拍手を送ってるんだろうなぁー
ただ、40才の若さであのカラダ、あんなにデブでエーンカ?
きっと長生きせんよなー

そしていよいよ、ハリー・アレンとスコット・ハミルトンのダブル・テナー・・・
なんたって、リズムセクションの豪華さというか高齢化というか、往年の偉大なミュージシャン達、ピアノのジョン・パンチ/82才、ドラムスのジェイク・ハナ/71才、ギターのバッキー・ピザレリ/77才、49才のハミルトンが子供、それより12才も年下のアレンなんか、まるで孫のよう・・・
でもそんな組み合わせがイイんですねぇ、どこか和やかで・・・
レスター・ヤング、コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスターを彷彿とさせる彼らのテナーに自然とカラダがノリノリ・・・、と思ったら、隣の奴がカラダを揺らしてるもんだから、こっちの椅子まで揺れてやんの。

そうこうしてるうちに、ラストナンバー・・・
たまたま縁あって一緒に連れていった隣席の女性、カラダが大揺れに揺れてきて、とってもノリノリのご様子・・・アドリブのあとの拍手の仕方も興奮気味・・・
演奏後半のフォーバース、フロントとドラムスが交互にフレーズを回し始めた頃、キタラ大ホールに響き渡る大きな声で、突然叫んでしまった。
「へーイ、ドラームッ!」
ジャズとは云え、コンサートですぜ、ライブハウスじゃないんだぜ・・・
聴衆の目線がいっせいに、こちらに・・・それどころか、ステージの連中の目線までもが・・・
エッ?誰?この人?オレ知らない・・・オレ一緒に来てない・・・オレ無関係・・・と、座席にもぐりこんでしまった私・・・。
一瞬、キタラ大ホールの空気が止まってしまったかのような緊張が走ったのも束の間、会場の雰囲気が一挙に盛り上がってきましたねぇー
というのも、その声に反応して、ハミルトンとアレンがサッと脇にしりぞき、フォーバースを中止、なんとドラムソロが始まってしまったのだぁ。
会場はヤンヤの喝采・・・、延々と続く71才ドラマーのソロ、それに追い討ちをかけるように、またまた隣の女性 「へイ、カモーンッ!」、こっちの方がデカカッタねさっきの声より・・・
ステージの連中、今度は嬉しそうにこっちを見てニヤリ・・・
なによりもジェイク・ハナ、嬉しそうにブラシを置いて、指でスネアを叩き始めてしまった、大サービスだ。そしてあの指を滑らせてのトン・ツ−を試みたがうまく音が出ず苦笑いというかバンドのメンバーに笑われるシーンも。会場は大喜び・・・

実はこの女性、ジャズのコンサートは初めて・・・
普段は、クラシックにオペラを聴くという御婦人・・・
そんな彼女をして、ここまでノリノリに盛り上げてしまったステージの連中もエライが、どうしてここまでストレートに感情を露わにする彼女もエライ・・・
うーん、長年付き合ってきて初めて見たねぇ、家内の別の一面を・・・
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